日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

錦繍の津軽を行く 2020 - 盛楼閣

2020-11-07 22:18:09 | 居酒屋
食道園で酒の注文を控えたのは、はしごを見据えていたからです。一呼吸置いてから駅前にやってきました。目当てはもちろん盛楼閣です。
一昔前は、ラーメンも牛タンも当然のようにはしごをしていたものです。しかし、歳に応じて食が細り、最近では実質的に一軒半が関の山となりつつあります。よい状態で臨めるのは一軒目だけ、あとは軽めに飲み食いするか、別腹に入るものだけいただくのが精一杯ということです。それだけに、焼肉を続けざまにいただくのは、我ながら無謀のようにも思われました。無理して今夜に詰め込むよりも、明日の昼に回した方が賢明だったのかもしれません。しかし、休日の昼は相当混み合います。開店前から待ち客が列をなす状況で、その中に加わる姿は想像しがたいものがありました。行くなら今夜と判断し、無理を承知で決行した次第です。
年中無休で深夜も入れる当店の頼もしさは絶大でした。しかるに一連の騒動を通じて、深夜に及ぶ飲み食いがあたかも悪であるかのように叫ばれ、当店も早仕舞いを余儀なくされていると小耳に挟みました。弘前の静まり返った繁華街を目の当たりにした直後だったこともあり、動静が俄然気になるところではあったのです。しかし幸い老婆心に終わってくれました。看板まで小一時間という最終盤にもかかわらず、テーブルは七割から八割方埋まった盛況です。引きも切らない注文を捌くため、支配人のおばちゃんを筆頭にした面々が忙しそうに立ち回ります。閉店間際でこの様子なら、昼間など取り付く島もなかったでしょう。今夜のうちに駆け込んだのは正解だったことになります。

盛楼閣
盛岡市盛岡駅前通15-5 ワールドインGENプラザ2F
019-654-8752
1100AM-200AM
並定食1350円
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錦繍の津軽を行く 2020 - 食道園

2020-11-07 21:27:37 | 居酒屋
盛岡に泊まるというと焼肉の店ばかり贔屓にしてしまい、居酒屋に寄った経験は数えるほどしかありません。去年訪ねた桜山横丁のMASSが、しみじみ感銘を受ける店だったため、行きと帰りでそれぞれ一泊していけるなら、そのいずれかで寄りたいところではあったのです。しかし今年は片道で、盛岡に泊まる機会も一度しかありません。世話になってきた店を見舞いがてら訪ね歩くという活動の趣旨に照らしても、今回は焼肉を優先すると決めていました。
そのことにほとんど迷いはなかったものの、悩ましかったのは盛楼閣と食道園のいずれに行くかという問題です。味については食道園の方が好みに合う一方で、思い入れでは盛楼閣に軍配が上がります。仙台の牛タンでいうと、味では旨味太助が一番と思う一方、思い入れでは雅、一隆といったところが上回るのと似たような関係といってもよいでしょう。盛岡に着く直前まで迷った末に選んだのは食道園の方でした。
見舞いがてら訪ねるという原点に立ち返れば、盛楼閣へ行くべきところではあります。実際のところ、そうすることでほぼ固まりかけていました。それが土壇場で逆転したのは思いがけない事情によります。宿から紹介された提携駐車場は、よりにもよって食道園の至近でした。食道園に寄っていけという思し召しと受け止めて、そのまま暖簾をくぐるという顛末です。

食道園
盛岡市大通1-8-2
019-651-4590
平日 1130AM-1530PM/1700PM-2200PM
金曜土曜 1130AM-1530PM/1700PM-2300PM
日曜祝日 1130AM-1530PM/1700PM-2100PM
第一・第三火曜定休
カルビセット1550円
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錦繍の津軽を行く 2020 - 一年半ぶり

2020-11-07 21:05:28 | 東北
小坂からは国道282号線を上って盛岡に着きました。去年の花見以来一年半ぶりの再訪です。日没後の移動で距離が延び、出発からの通算で4220kmに達しました。
日中こそ小春日和となったものの、日が暮れてからは冷えました。現在の気温は9.5度、ここまで走ってくる途中に一瞬とはいえ6.5度まで下がりました。明日以降予報通りに気温が下がれば、氷点下に迫ってくるかもしれません。夜間に峠を越えるにはいかにも心許ない条件です。今日中に距離を稼いだのは正解だったことになります。
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錦繍の津軽を行く 2020 - 小坂中央公園

2020-11-07 18:41:59 | 東北
有料の高速道路に限っていうと、北海道編の序盤に柏崎から新潟西まで乗ったのが最後でした。新潟に着いた時点の走行距離が二千km弱だったため、同じかそれ以上の距離を、ほぼ全区間一般道で走ってきたということです。少なくとも盛岡までこのまま走って行きたいのはやまやまながら、弘前での長居が響き、徐々に時間が押しています。背に腹は変えられず大鰐弘前から東北道を飛ばし、秋田との県境を越えたところで下りました。続いて立ち寄るのは小坂中央公園です。
北海道からそのまま帰らず、東北を南下していく拡大策を採ったのは、一連の騒動により頓挫した花見の旅の借りを返すという目的があってのことに他なりません。花見の旅と同じ経路を逆に辿り、毎年訪ねる場所に寄りつつ帰ろうという算段です。そのような目的上、小坂には必ず寄るつもりでいました。それも、明るいうちに訪ねるのが暗黙の前提です。ところが、予想外の好天に恵まれて弘前での滞在が延び、ようやくこちらへ着いた頃には暗くなってしまいました。日を改め再挑戦する余地が生まれるという点でも、弘前にもう一泊していくという選択肢は捨てがたいものがあったのです。
しかし、去年の花見の帰り道に比べると、そこまで津軽を去りがたかったわけでもありません。温泉に寄ったときにも少し言及した通り、ここで足踏みしてしまうと、全体の流れに影響が出てしまうため、むしろそちらを懸念しました。その影響を回避する修復策を思いつけば、もう一泊していた可能性は高いと思います。しかし、もう一日休みをもらうという以外の方法が、どうにも閃きませんでした。一日休みを使うなら、時期を改め訪ねた方が楽しめます。今日のところは盛岡まで距離を稼いでおこう決めた次第です。
そのようなわけで、明るいうちに小坂を再訪することは叶いませんでした。しかし、橙色の街灯に照らされた遊歩道の桜並木もよいものです。しばし眺めて切り上げます。また来年…
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錦繍の津軽を行く 2020 - 大坊温泉

2020-11-07 17:07:00 | 温泉
常々語っている通り、無味乾燥な高速道路に極力頼りたくはありません。それに加えて最近は、日没後の長距離移動も極力避けたくなってきました。盛岡まで延々走っていくよりも、弘前にもう一泊していきたいのはやまやまです。しかし、全体の流れの中で考えると、ここで足踏みすることにより、しわ寄せがどこかに回ってしまいます。今日中に盛岡へ行く前提で動きますが、いずれにしても一風呂浴びてからのことです。本日は大坊温泉を再訪します。
銭湯だった浪岡駅前温泉に対し、こちらは田圃の中に佇む宿泊施設併設の温泉です。お湯は褐色のモール泉から無色透明無味無臭の源泉に変わりました。しかし、朝から晩まで開いており、いつ行っても地元客で賑わう点は同じです。北陸でも北海道でも風呂には事欠かなかったものの、いつでもどこでも掛け流しの温泉に入れるなどという贅沢はできませんでした。津軽の旅ならではの特権です。

★大坊温泉
平川市大坊竹内28-1
0172-44-3059
530AM-2200PM
入浴料400円( -800AM 300円)
泉質 ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温59.8度
pH 7.5
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錦繍の津軽を行く 2020 - 弘南電車

2020-11-07 16:34:55 | 東北
最勝院、富田の清水に立ち寄って、弘前市街を出る頃には三時を回っていました。小坂にも寄るつもりでいたものの、東北道を飛ばしても、あちらに着くのは四時頃です。弘前と違って平野でもありません。その頃には日が山陰に隠れるでしょう。残りわずかな日中の持ち時間を生かすべく、咄嗟に東へ走りました。目当ては弘南電車です。
やってきたのは尾上高校前のお立ち台です。正面に鎮座する岩木山に重なる列車を真横から撮れる、沿線屈指の名撮影地でもあります。これまでにも度々ここに足を運び、四季折々の姿を記録してきました。今回それらをも超える成果を期待していたわけではありません。小坂へ行っても中途半端になる可能性が高いなら、二兎を追わずに目の前の一兎を仕留めようという発想です。その結果は吉と出てくれました。
目の前の田圃は既に刈られています。岩木山の山頂にも再び雲が出始めました。しかも、夕日は大分左の方へ沈んで行き、岩木山と電車は影絵にもなりません。今までに撮影してきた数々の名場面に比べると、今日の眺めは見劣りするようにも思われました。しかし、今日の空には適度に雲が漂っています。短いレンズで空を大きく写し込めば、趣も変わってくるという寸法です。昨秋の改正で減便されたのに続き、一連の騒動で人出が激減し、弘南電車もいよいよ先行き不透明になってきましたが、今一度記録できたことを幸いに思います。
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錦繍の津軽を行く 2020 - 岩木山

2020-11-07 14:22:59 | 東北
快晴になったのは弘前市街に限られません。朝から雲を被っていた岩木山も晴れ渡りました。こうなると俄然再訪したくなるのが禅林広場です。手前の木々が成長したことにより、彼方に鎮座する岩木山は半分ほど隠れてしまっているものの、高台の淵に三本並んだソメイヨシノとの取り合わせは今もなお絵になっています。
昨日下ってくる途中、沿線の名だたる山は軒並み冠雪していました。それだけに、岩木山が全く冠雪していないのは意外でした。しかし、これほど暖かいのも今日までのようです。あと何日もしないうちに、山頂は雪に覆われるのかもしれません。この広場も雪に埋もれて、いずれは立ち入れなくなるでしょう。次の機会があるとすれば桜が咲く頃でしょうか。世相が再び焦臭くなり、それすらどうなるのかも分からなくなってきましたが、花見の旅で再訪できることを切に願います。また来年…
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錦繍の津軽を行く 2020 - 快晴

2020-11-07 14:02:46 | 東北
ありがたいことに、雲一つない快晴となりました。性懲りもなく弘前公園を再訪したところです。
きりがないとは思いました。しかし、午前と午後では日射しの向きが変わります。果たせるかな、先程は日陰になっていた一角にも午後の日射しが注いでおり、これはという画をいくつか切り取ることができました。無駄足ではなかったといいきれる成果です。
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錦繍の津軽を行く 2020 - 藪きん

2020-11-07 12:53:18 | B級グルメ
弘前でお昼もいただくことについては想定内でした。しかし誤算もありました。目当ての「田沢食堂」には、月に一度の土曜定休に重なって振られました。次いで「来々軒」を訪ねるも、駐車場が埋まっておりあえなく敗退。立て続けに振られた挙句飛び込んだのは「藪きん」です。
弘前で一杯やった後、余勢を駆って飛び込むといえば当店です。新元号に替わった後、最初に入った店でもあります。平時なら地元の酔客で賑わう当店が、一連の騒動の直撃を受けただろうことは想像に難くありません。昨晩も見舞いを兼ねて立ち寄りたいのはやまやまのところ、三軒はしごした時点で完全に体力が尽き、見送らざるを得なかったという経緯があります。図らずも巡ってきた埋め合わせの機会にかこつけて、単品では最も値の張る天カレー南蛮を奢りました。

藪きん
弘前市鍛冶町26
0172-32-5013
1100AM-200AM
月曜定休
天カレー南蛮1300円
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錦繍の津軽を行く 2020 - 酒の柳田

2020-11-07 12:46:53 | 酒屋
続いては酒の柳田に立ち寄ります。四合瓶の中にはズバリこれだと思えるものがなかったため、津軽蔵衆なる小瓶を選びました。華一風でおなじみのカネタ玉田酒造店による一本です。

★酒の柳田
弘前市親方町32-1
0172-32-1721
1000AM-1800PM(日祝日 -1700PM)
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錦繍の津軽を行く 2020 - 雪虫

2020-11-07 12:20:05 | 東北
軒先で通り雨をやり過ごしていると、広場の向こうに虹が架かり、ほぼ同時に雨が止みました。一瞬とはいえ印象的な出来事でした。その直後に気付いたことがもう一つあります。雪虫が飛んでいるのです。予報通りに暖かく、今はTシャツ一枚の軽装ですが、暦の上では今日が立冬でもあります。さもありなんと思わせる光景です。
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錦繍の津軽を行く 2020 - 禅林広場

2020-11-07 12:09:10 | 東北
10時頃から日の射す時間の割合が増えてきました。紅葉もまさに最盛期です。しかし、一昨年も好天下で紅葉狩りをしたため、今回に限っていえばそれほどの執着がありません。なじみの場所をいくつか回って切り上げます。続いては立ち寄るのは禅林広場です。
ここでも桜の木々が紅葉しています。しかしよくよく考えると、近所の桜がこれほど紅葉することはありません。弘前の桜があれほど見事に咲くのは、日頃の手入れが念入りに行われているからでもありますが、その効果は紅葉の彩りにも現れるようです。
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錦繍の津軽を行く 2020 - 弘前公園

2020-11-07 11:19:57 | 東北
折しも紅葉の見頃とはいえ、弘前の紅葉なら一昨年も眺めています。今日の天候は残念ながらあのときに及びません。弘前公園にも一応行くには行くものの、無料で駐車できる一時間以内と決めて、定点観察していくだけのつもりでした。しかし、実態はこちらの予想を軽々と超えました。
まず気付いたのは、外濠の桜が紅葉していることです。一昨年は遠からぬ時期に訪ねたにもかかわらず、桜については全く印象に残りませんでした。そのことから推察されるのは、わずかとはいえ時期が遅れたことにより、紅葉がさらに進んだ可能性です。実際のところ、楓の色合いの鮮やかさには目を見張ります。しかし、これ以上紅葉すれば、色がくすんで葉も嗄れてくるでしょう。今こそまさに最盛期と断言できる、実に見事な紅葉です。
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錦繍の津軽を行く 2020 - 弘前東栄ホテル

2020-11-07 08:39:42 | 東北
弘前に泊まるかどうかを直前まで決めかねたことは昨日も述べた通りです。その一方で、宿はそこそこ混んでいました。出発前に照会した時点ではスマイルホテルとパークホテルが埋まっており、弘前東栄ホテルについても空室わずかの回答でした。それさえも埋まってしまえば、既出の中ではスーパーホテルしかないという状況の中、昼の時点でまだ空室があったため、そこでようやく決断するという顛末です。
当館の特色の一つといえば、無料にしては破格の充実した朝食バイキングですが、先月の一騒動によって休止に追い込まれ、今朝からようやく再開したと聞きました。不必要とも思えるほどに席の間隔が空けられ、取り分けにあたっても使い捨ての手袋の使用が求められるなど、非常時に合わせた対応が採られてはいたものの、その他の点で変わったところはありません。細心の注意を払いつつ、極力平時と同じものを提供してくれたことに感謝します。
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錦繍の津軽を行く 2020 - 二日目

2020-11-07 07:54:56 | 東北
おはようございます。昨日から思っていたことなのですが、空模様は秋から冬のそれに変わりつつあるようです。大半の時間にわたって曇り、時折日が射したり雨が降ったりする天候は、雨と雪の違いを除き冬場のそれを彷彿とさせます。その一方で寒さは感じず、昨日は半袖シャツで過ごし、夜になっても薄手の雨合羽を羽織っただけで済みました。今日に至っては最高気温が20度にもなるとの予報が出ています。しかし、この空模様で気温も下がれば、いつ雪が降り出してもおかしくはありません。出発を繰り上げたのは正解だったといえそうです。
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