日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 会津娘

2020-11-19 22:54:38 | 晩酌
対象物の激減により今やすっかり廃れたものの、かつては切符の収集が模型、写真に匹敵する鉄道趣味の一分野でした。自身が座右の銘としている「迷ったら買え」の格言も、元を正せばその道における心構えを説いたものです。同様にして受け継がれてきた言葉の一つに「自前」というものがあります。発売所に自ら赴いて買い求めた切符を「自前」と呼び、人伝に譲り受けたものより尊重するのが慣わしでした。
切符はさておき、晩酌の酒については「自前」を宗としてきました。旅先での出来事を振り返りつつ、持ち帰った酒をいただくひとときに価値を見出しているということです。それだけに、事実上足止めされたことにより、「自前」の酒の調達手段が絶たれてしまったことについては参りましたが、愛飲してきた酒の一部が地元でも手に入ったのは助かりました。その中の一つに会津娘があります。
春に出る会津娘の限定品といえば「一火」ですが、それに先立ち蔵出しされるのが澱絡みの「花さくら」です。水色の涼しげなボトルは先月紹介した田酒に通じ、味わいも大筋において共通します。新酒の頃の荒々しさが収まって、適度に丸くなってくるのがこの時期なのでしょう。これが春かと実感させる一本でした。

★会津娘 純米吟醸花さくら
高橋庄作酒造店(福島県会津若松市)
精米歩合 50%
アルコール分 16度
東京都港区 鈴木三河屋にて購入
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