日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

錦繍の津軽を行く - やまびこ60号

2018-11-04 20:43:32 | 東北
「盛楼閣」で飲み食いしても、一時間は超えないだろうと思っていました。果たしてその通りとなり、最終列車の時刻までは使い切りませんでした。一本前の「やまびこ」で帰ります。
盛岡から帰る場合、最後に出るのは九時前の「はやぶさ」「こまち」です。20分前に出たこの列車を追い抜いて、東京にも40分早く着くため、結果としては一時間もの差がつきます。ほぼ距離が等しい東京と新大阪の間で、「のぞみ」と「ひかり」の所要時間が20分しか違わないことを考えても、実質千円増の料金は高くなかったともいえます。しかも、混み合う「はやぶさ」以外に選択肢がない七戸十和田と違い、盛岡からは「こまち」も選ぶことができます。席には若干余裕が出るため、その恩恵に与るのも一案ではあったのでしょう。
しかし、近年は早さよりも快適さを求めるようになってきました。かような観点からは、列車が着くまで20分を手持ち無沙汰に過ごし、混んだ列車で帰るより、空いた列車に今すぐ乗って、悠々帰れた方がよいともいえます。自由席に乗る前提なら、列車の手配を後回しにしてすぐ呑めるという違いもありました。その結果、今回は迷いなくこちらを選んだ次第です。

★盛岡2029/やまびこ60(60B)/2344東京
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錦繍の津軽を行く - 盛楼閣

2018-11-04 20:11:51 | 居酒屋
駐車場を確保して荷物をまとめ、帰りの列車まで一時間というほどよい時間が残りました。乗車の前に「盛楼閣」で腹ごしらえを済ませます。
自分の中でいまだに謎となっているのが、三年前に行われた改装工事です。期限の予告もなく数ヶ月にわたって休業し、上層階はもぬけの殻となりました。再開したこの店についても、夜間はブラインドが下ろされて、遠目には活気が感じられなくなりました。駅前の一等地を遊ばせておくことについても、ブラインドを下ろすことについても、何故そうするかの必然性が感じられず、かねがね不思議に思っていたのです。
しかし今回、半年ぶりに再訪すると、ブラインドが半分とはいえ開けられていました。盛岡駅の全容を見渡せる特等席が、久々に復活したことになります。しかも、いきなりその特等席に通されるという幸運が。改めて眺めると、ただ見渡せるだけでなく、近からず遠からずほどよい距離から、見上げるような形になるのが絶妙です。まず「はやぶさ」が、次いで「こまち」が入線し、併結作業を経て発車するまでの一部始終にも見応えがあります。この眺めが復活したのは喜ばしいことです。

盛楼閣
盛岡市盛岡駅前通15-5 ワールドインGENプラザ2F
019-654-8752
1100AM-200AM
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錦繍の津軽を行く - 四度目の延長

2018-11-04 19:15:52 | 東北
盛岡に着きました。活動再開から約300km, 出発からの通算では3198km走ったところで津軽編は完結です。
車を置いての一時帰京を、先月から三度にわたって繰り返してきましたが、今回は自走でもどうにか帰れたという違いがあります。西根のICを通った時点で五時半だったため、あのまま東北道に飛び乗れば、そろそろ仙台に着いていたでしょう。牛タンをいただいて再び東北道を飛ばせば、西那須野で一風呂浴びる時間も残ったと思われます。しかるに四度目の延長を決めたのは、北国から戻っていく過程をもう少し楽しみたかったからに他なりません。北海道へ渡るとき、仙台からフェリーに乗ったこともあり、せめてそこまで戻りたいという考えがありました。
盛岡まで戻ってしまえば、そこから一泊二日で帰るのは造作もありません。紅葉が絵になる時期を考えても、来週あたりが潮時でしょう。一月半にわたった長旅は、次回をもっていよいよ完結となりそうです。
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錦繍の津軽を行く - 狐洞温泉

2018-11-04 18:46:07 | 温泉
碇ヶ関から鹿角八幡平まで東北道を飛ばし、そこから再び一般道を走ってきました。粛々と走ったお陰で時間の目途もつきました。盛岡市街へ入る前に一風呂浴びます。立ち寄るのは「狐洞温泉」です。

この温泉にはささやかな思い出があります。初めて東北を花見で縦断した八年前、弘前へ乗り込む前の晩に立ち寄ったのがここなのです。深夜走行と車中泊を繰り返しつつ北上するという、今となっては信じ難い強行軍の途中、盛岡を出る前に一風呂浴びたところ、幸運にも横になれる休憩室があったため、そちらを拝借して束の間の休息をとりました。0時の閉館まで休んだ後、体力の続く限り東北道を飛ばし、再度の仮眠を経て翌朝弘前に乗り込んだという顛末です。
ここへ来る途中にも温泉はありました。しかし、あえてここに寄りたい理由がありました。というのも、津軽で最後に一風呂浴びていきたいのはやまやまのところ、明るいうちに距離を稼ぎたいという心理が勝り、後ろ髪を引かれつつも素通りせざるを得なかったからです。その穴を埋めるところをと考えたとき、浮かんできたのがここでした。

何分八年前のことだけに、当時の記憶もあやふやでした。しかし、何の変哲もない住宅地の中に、懐かしさを覚えるネオンサインが現れたとき、遠き日の思い出が呼び起こされました。滑らかなお湯はそのまま、そして件の休憩室です。畳で横になったのかと思いきや、片隅には健康ランドによくありそうな枕と一体化したマットレスが並んでいました。しかも、その一角だけ明かりが落とされるという心遣いも。連日の車中泊で疲れ切っていた道中、これを見付けたときのありがたみがふつふつと甦ってきます。残念ながら、今回ここで休んでいく時間まではないものの、思い出の場所を再訪できたのは幸いです。

★狐洞温泉スパ・ドーム
滝沢市鵜飼笹森41-2
019-684-2737
900AM-2330PM(最終受付)
入浴料550円
泉質 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉
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錦繍の津軽を行く - 富田の清水

2018-11-04 15:00:20 | 東北
富田の清水で水を汲み、これで全てが終わりました。この空模様では日没まで引き延ばす理由もありません。盛岡へ行く前提で移動します。
函館から青森へ渡ってきたのは先月の三連休の最終日です。車を置いた期間でいえば、一月近くも県内にとどまったことになります。北海道よりも長い期間にわたって滞在し、秋から晩秋にかけての移り変わりをありありと体感できたのは貴重な収穫です。それもいよいよ仕舞いかと思うと、そこはかとない感慨が押し寄せてきました。岩木山の見送りを受けつつ帰ります。また来年…
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錦繍の津軽を行く - 最勝院

2018-11-04 14:50:19 | 東北
別れの時が近付いてきました。続いては最勝院を訪ねます。
山門から本堂へと続く参道沿いの楓が見事に紅葉しており、本堂の脇に立つ銀杏の大木も鮮やかです。それを山門越しに眺めれば、あたかも一枚の絵を額縁に収めたかのように見えます。それだけに、ほぼ雲がますます厚くなってしまったのが残念です。
とはいえ、曇り空ではくすんで見える楓と違い、銀杏はそこそこ絵になっています。楓が最も映えるのは光に透かしたときですが、銀杏の場合は順光でも逆光でも決定的な違いがありません。その結果、晴天下では五分五分でも、曇り空では銀杏と楓の差が際立つということでしょう。怪我の功名というべき発見でした。
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錦繍の津軽を行く - 長勝寺

2018-11-04 14:16:06 | 東北
腹ごしらえを済ませたところで活動再開です。禅林街の長勝寺を訪ねます。
午後から再び日が陰りがちになっていた中、こちらが着くのを見計らったかのように日射しが注ぎ、紅葉したカスミザクラが木漏れ日に浮かび上がって、背後にある本堂と陰影の対比をなしていました。その後再び陰ったため、少しでも前後すればこの光景には出会えなかったことになります。一瞬の晴れ間が生んだ名場面です。
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錦繍の津軽を行く - 来々軒

2018-11-04 12:56:47 | B級グルメ
朝から慌ただしく立ち回り、ようやく区切りがつきました。ここで遅い朝食兼昼食を済ませます。日曜につき、「田沢食堂」残念ながら定休ですが、不動の二番手が控えています。選択肢は「来々軒」に絞られました。
注文はもちろんチャーシュウワンタンメン850円也。仄かに煮干しの香りが漂うスープ、喉越しのよい細麺、絶妙な切り分けのチャーシュー、歯応えのあるメンマ、どれもが完成されています。しかし、先客の方々が選んだ品も皆それぞれにうまそうです。仮に日参できるなら、品書きを片っ端から試してみたいと仮想せずにはいられません。親子二代で仕切る店内の雰囲気も好ましく、滞在の最後を飾るにふさわしい一軒です。

来々軒
弘前市大字茂森町16
0172-32-4828
1100AM-1430PM(LO)/1700PM-2030PM(LO)
木曜定休
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錦繍の津軽を行く - 藤田記念庭園

2018-11-04 10:43:50 | 東北
植物園と並ぶ空白地帯だったのが藤田記念庭園です。あちらと同様、入園料を払ってでも見たいとまでは思われず、食わず嫌いをしてきたのでした。しかし、共通の入園券が使えるならば素通りする手はありません。
交差点の角地にある洋館だけは、何度も通りがかっていました。庭園も洋風なのかと思いきや、こちらは純和風の回遊式です。要所に配置された楓が紅葉しているのもさることながら、雪吊りされた松の木と、少しだけ冠雪した岩木山の取り合わせが絵になっています。灌木の上には材木が三角形に組まれ、板を立てかければ完成という状況です。冬間近と実感する光景にまた一つ出会いました。
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錦繍の津軽を行く - 植物園

2018-11-04 10:26:18 | 東北
弘前をこれだけ訪ねてきたならば、公園もくまなく歩いただろうと思われるかもしれません。しかし、全くの空白地帯がいくつかあります。その一つが三の丸にある植物園です。
「菊と紅葉まつり」なる触れ込みではありますが、菊については主に植物園で展示されていると知りました。本丸とは別料金なのを敬遠し、今まで一度も訪ねたことはなかったものの、共通の入園券を買い求めれば、実質的な出費はたかだか200円です。一度訪ねてみるならよい機会と思い立ち、今回初めて訪ねたのでした。
一周してみて分かったのは、北と南で趣が全く変わるということです。北半分には梅、桜を始めとして薔薇、牡丹、蓮など四季折々の花が配置され、楓も所々に混じります。対する南は樹木が中心です。白神山地と、何故か知床の植生を再現したという鬱蒼とした木立に加え、洋風公園の樹木を集めたという一角がとりわけ絵になっています。鮮やかさでは楓と銀杏に及ばないものの、見上げるような大木が空に抜ける眺めは見事です。枝葉を観賞する楓、銀杏と違い、木立全体の佇まいを観賞するという点では、一昨年訪ねた札幌の真駒内公園に通ずるといってもよいでしょう。その木立が色とりどりに染め上げられるこの時期こそ、一年を通じて最もよい時期ではないでしょうか。入園料を払ってでも観る価値は十分あり、他の季節も一度は訪ねてみたいと思える内容でした。
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錦繍の津軽を行く - 再訪

2018-11-04 09:35:28 | 東北
幸い八時過ぎから晴れてきました。宿に車を置いたまま、弘前公園を再訪しています。昨晩の状況から、紅葉が絵になる場所の見当はついていました。それらを一通り押さえたところです。
手短に切り上げるつもりが一時間強かかりました。これは取りも直さず好天に恵まれたということでもあります。これはと思う光景を、少ないながらも切り取れたのは幸いです。
明るくなって気付いたこともあります。ソメイヨシノが紅葉している一方で、他の桜は黄色に染まるということです。ソメイヨシノが人工的に作られた特殊な桜であることを、如実に示す光景でした。
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錦繍の津軽を行く - 二日目

2018-11-04 06:52:25 | 東北
おはようございます。前回の活動では、初日が曇りがちで二日目が雲一つない快晴でした。今回それが逆転しました。青空が広がってはいるものの雲が多く、今のところ日が陰る時間の方が優勢です。岩木山も雲をかぶっています。これでは慌てて飛び出しても仕方がありません。どう動くか考えてから出発します。
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