日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四谷赤坂麹町 - あたぼう鮨

2020-04-26 17:24:03 | 居酒屋
好天を棒に振り、昼の部は悔いの残る結果となってしまいました。しかし、夜の部についてはまだ挽回も可能です。五時を回ったところで荒木町に繰り出しました。「あたぼう鮨」の暖簾をくぐります。
先週少し言及した、当たりを付けていた店というのがこちらです。そもそもの発端は先々週に遡ります。ただでさえ少ない選択肢がますます絞られる日曜の晩、荒木町を訪ねてみたはよいものの、めぼしい店が見当たらず、その日は肴だけ持ち帰って晩酌しました。ただし、ごくわずかながらも開いている店はあったのです。しいて行くならどこだろうかと考えたとき、浮かんできたのがこの店でした。
何がよかったかといえば、車力門の通りに面した開放的な店構えです。長いカウンターを中心にした店内が窓越しに見え、一見でも比較的気兼ねなく飛び込めそうな雰囲気でした。蕎麦屋と同様、寿司屋で呑むという習慣もないだけに、未知数な部分もあるにはありました。しかし、卑劣な政策によって看板の大幅な繰り上げを余儀なくされる中、深夜営業を昼からの通し営業に改め、日曜も休まず奮闘している様子に感じ入ったとでも申しましょうか。表敬がてら一度訪ねてみようと思っていた次第です。

L字のカウンターは正方形に近く、合わせれば15席以上はありそうな長さです。その両側に先客がおり、通されたのは角に近い位置でした。カウンターの左右と中程に立つ三人組の板前のうち、中央に立つのがおそらく店主でしょう。その店主の包丁捌きを、横から目の当たりにできる特等席です。各地の地酒が揃うところも申し分ありません。
一方で問題なのは肴でした。手元には酒と握りの品書きがあり、カウンターの内側の柱にはおすすめのネタを記したホワイトボード、客席の壁には肴の品書きが下がります。しかしその肴は蟹味噌、ばくらい、梅水晶などいわゆるあてばかりです。焼物、揚物、酢物あたりがあってくれれば申し分ないものの、望むべくもないことをすぐに悟りました。刺し盛りを肴に徳利を一合空け、巻物と握りを少しつまんで席を立つという顛末です。
そのようなわけで、寿司をいただきたいならともかく、居酒屋使いという観点からすると、ある意味蕎麦屋以上に勝手が悪いという印象でした。しかし、今日については寿司屋のカウンターで一杯というよりも、表敬がてら訪ねることに意義がありました。その目的をようやく果たせたことについては満足です。

あたぼう鮨
東京都新宿区荒木町9 正起ビル1F
03-6380-4990
平日 1800PM-230AM(LO)
日祝日 1800PM-2200PM
月曜定休

会津中将
おまかせ刺身盛
にぎり三貫
穴胡
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切ない結果

2020-04-26 17:05:03 | 旅日記
棒に振るのが確定的な大型連休の埋め合わせを目的に、足止めを喰らってからは休みを週一日に抑えてきました。事実上使い物にならない休日を返上し業務に充て、その分代休を稼いで、ここぞというときに注ぎ込もうという算段です。しかし、迷うことなく決断できた直近の二週と違い、今週末は悩ましいものがありました。土日がいずれも晴の予報だったからです。
昨日が雲一つない快晴だった時点で、土曜を返上するという選択はなくなりました。しかし、翌日も晴れるとすれば、むざむざ棒に振るのが惜しくなるのは人情というものでしょう。そこで閃いたのは、もし晴れれば半日だけ休むという折衷案です。前半を休む形にすれば昼過ぎまで猶予ができます。日の出がますます早まっていることも考えると、実質的には半日以上の効果が出てくるという寸法です。そのような皮算用を秘めながら迎えた日曜ではありましたが、蓋を開ければ何とも切ない結果でした。薄雲が広がり日が陰りがちな空模様を見て、一日返上する決断をしたところ、その直後から晴れてきたのです。
とはいえ、悔しくて仕方がないというほどでもありません。この状況では近所の公園を散歩するのがせいぜいだからです。それなら先週したことと比べても大差がありません。空の青さと遠景の鮮明さも先週には及びませんでした。わずかとはいえ格落ちの条件なら、そこまで惜しむ必要もないでしょう。
それに加えてもう一つの事情があります。ありとあらゆる集客施設が休業に追い込まれ、人々の行き場がますます失われてきた中、今度は公園が混み始めたのです。お上のいう「三密」には全くあたらないものの、先週の時点で既に、人出の多さにやや興ざめする場面はありました。あの状況でもう一度同じことを繰り返すより、今日については皆様方にお譲りし、業務に充てた方がよかろうという判断です。
とはいえ、雲一つない青空を、自室の窓から眺めるのは歯痒いものがありました。晴の予報が出た日については、半日でも休んだ方がよいのかもしれません。今後に向けての教訓とします。
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