日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - あい田

2020-04-23 19:51:34 | 居酒屋
明け方に曇りがちだった空が、その後次第に晴れてきました。綿のような雲と、刷毛で描いたような薄雲が漂う、なかなか絵になる空模様です。ならば外の空気を吸いたくなるのが人情というものでしょう。散歩してから10時に始め、19時に切り上げる「遅番」を選択。これは店で呑む選択肢を放棄するということでもあります。昨夜に続き肴を持ち帰っての晩酌となりました。ただし、趣向を変えて新規の店です。今夜は「あい田」の世話になります。
かねがね気になっていた店の一つです。何が気になったかといえば、いわゆる居酒屋使いができる料理屋然とした店構えが、こちらにとってお誂え向きに見えたからでした。その見立てに大筋で誤りはなかったものの、店内は思ったよりもささやかです。四席だけのカウンターにテーブルが10席のみの客席は、店主と女将で仕切るのにお誂え向きと見受けられます。ただし今は従業員を待機させ、一人で営業しているというのが店主の弁です。しかも、持ち帰りのみに切り替える店も多い中、看板を繰り上げながら営業も続けている点は特筆されます。総員待避の非常事態にあってもなお、自ら前線に立って奮闘する様子に、一国一城の主としての気概がありありと窺われました。
1500円の盛り合わせに単品がいくつかという献立は「月肴」に近いものです。品数は互角、物量感ではあちらに一歩譲るものの、歳に応じ食が細ってきた身には、この程度がむしろ適量ともいえます。ただし、「月肴」にしても「藤々」にしても、特徴がつかめてきたのは二度、三度世話になってからでした。真価のほどを知る上では、いずれ再訪する必要がありそうです。

酒菜あい田
東京都千代田区九段南4-1-10 グランドメゾン九段南1F
03-5215-6239
1700PM-2200PM(LO)
日祝日定休

トマトの土佐酢漬け
桜鱒蕗味噌焼き
筍の和牛肉巻き焼き
カシューナッツ揚げ
さばの燻製
たらの芽と蕗の薹の天ぷら
新玉葱土佐煮のお浸し
出汁巻玉子
コメント