日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四谷赤坂麹町 - おく谷

2020-04-29 17:49:46 | 居酒屋
中二日での休日も、足止めが続く現状では猫に小判です。そうはいっても、窓の外の青空を眺めながら悶々とするのは耐え難いものがあります。これまでの試行錯誤も踏まえた上で導かれた結論は、半日休んで午後から業務を片付けるというものでした。終わり次第荒木町へ繰り出すという流れはこれまでと同様です。
店の選択肢がますます限られそうな連休中、頼みの綱は「おく谷」でした。おそらく営業するだろうという店主の発言を聞いていたからです。しかし、当てにしきって乗り込むと、袖看板に明かりがないのに気付きました。暖簾もなく、品書きの黒板だけが掲げられていて、少しだけ開け放った扉の向こうで店主が一休みしているところでした。近くを一周してから出直すも状況には変化なし。ままよとばかりに飛び込むと、公には開けないつもりだったという第一声が。それでもどうにか通されたことにより、真相を知ることになります。玄関の前のテーブルと、カウンターの一番奥に箸が置かれていたのです。御常連からの予約が入ったことから、他のお客を入れずに営業するつもりだったのでしょう。そこへ割り込むという不躾な真似を働いたにもかかわらず、温情措置を講じてくれたことには感謝しなければなりません。
やがて予約の二組が現れ、自分と同じ飛び込みの一人客も加わって、店内は俄に活況を呈してきました。騒動がいよいよ大事になってからというもの、二度を除いてお客は自分だけという場面が続き、老婆心ながら気にかけていたわけなのですが、同様に思っていた御常連は多かったということでしょう。ますます荒んでいくかのような世相の中、思わずほっとさせられる光景でした。

おく谷
東京都新宿区荒木町8
03-3351-6451
1800PM-2230PM(LO)
日祝日定休

生ビール
酔鯨
明鏡止水
お通し(ホタルイカ酢味噌和え)
コンビーフキャベツいため
銀鮭自家製西京焼
生しらす
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