本日の晩酌 - 央

酒販店による特注品が二夜にわたって続きます。本日紹介するのは「央」です。
会津坂下の五ノ井酒店の代名詞とでもいうべき長寿商品です。ところが意外なことに、このblogでは開設直後に一回取り上げただけに過ぎませんでした。同じ蔵元による「天明」を選んでしまいがちなのに加え、販売元の意向が色濃く反映された澱絡みの濃厚な味わいが、自分にとっては過剰に思われ、知らず知らずのうちに食わず嫌いをしていたのかもしれません。あるときから高級化に走り、なかなか手を出しづらい価格帯になってしまったのも理由の一つです。久々に選んだのは、先日訪ねたところ、手頃な値段の商品が復活していることを知ったからでもあります。
澱絡みの無濾過生原酒を熟成させて出荷するのはこの商品の十八番ながら、遠い記憶の中にある「央」に比べて癖がなく、先日の「泉川」にも通ずるものを感じます。大袈裟にたとえるならば、かつての「央」が鯖のへしこで、こちらが〆鯖のようなものとでもいえばよいでしょうか。伝統を受け継ぎつつも、ほどよい熟成感が特徴です。

★央 純米酒黄ラベル
曙酒造(福島県会津坂下町)
原料米 瑞穂黄金
精米歩合 65%
アルコール分 16度
福島県会津坂下町 五ノ井酒店にて購入