日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

無理な新橋かけないわ - 身知らず

2018-11-07 22:09:11 | 居酒屋
旅から旅の暮らしに明け暮れ、繰り返す日常は年々片隅に追いやられつつあります。生活圏内で呑み歩くこともほとんどなくなり、古くから知る店との付き合いだけが残りました。その中で最も古い店の一つが新橋の「身知らず」です。屋号の由来となった身知らず柿が実るこの時期、ふと思い立ち暖簾をくぐりました。

脱サラした親方が細々と営んでいたこの店も、今や雑誌掲載多数の繁盛店です。去年は同じ時期に複数回訪ねたにもかかわらず、いずれも混んでいるのを見て敬遠せざるを得ませんでした。果たして今回も遠からぬ状況に見えます。しかし、躊躇していたところで小用から戻ってきた親方と遭遇。出会い頭に挨拶し、そのまま暖簾をくぐるという顛末です。
躊躇したのは、どう見ても入れないわけではない、しかし静かに呑むにはどうかと思える、何とも微妙な状況だったからに他なりません。それは昨秋訪ねたときも同様でした。一昔前を知る者にとっては隔世の感を覚えます。隔世の感があるのは値段についても同様で、かつては700円だった馬刺が、今回さらに値上がりして1350円、つまり倍近くにもなりました。しかし、その間に自分の収入は倍以上になりました。新橋で一杯やるのがせめてもの楽しみだった当時から、安く呑ませてくれたこの店に、ようやく還元できることをむしろ喜びたいものです。

ちなみに、会津出身というお姉さんがカウンターに立っていました。女将がいた初期以来、久々に加わった助っ人です。そのおかげもあるのか、前回疲労困憊だった親方が、久々に好調そうなのは幸いです。最後は身知らず柿を土産にいただき辞去しました。

身知らず
東京都港区新橋4-11-6 植木ビル1F
03-5473-9540
1700PM-2300PM
土日祝日定休

会津中将
お通し(車麩煮付け)
会津馬刺しもも
くじら汁
身知らず柿
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