本日の晩酌 - 亀齢

近年傾倒しているのが、四合瓶で千円そこそこの安い純米酒です。中でもとりわけ感銘を受けた酒の一つに、広島の酒商山田が亀齢酒造に特注した「入魂 山」の白ラベルがあります。先日販売元を再訪したとき、数多ある酒の中からほぼ迷いなく選んだのもこの品でした。
突出した個性こそないものの、癖が少なく何にでも合わせられる万能ぶりが、この手の酒に共通する特徴であり、前回の印象もおおむねその通りでした。しかし、今回は香りも味も千円弱の酒とは思えないほど豊かなものに感じられます。冷やで感じるわずかな苦味は、80%の精米歩合、あるいはアルコール分の高さによるものでしょうか。その癖が、燗をつけるとほどよい具合に和らぐという周到さは天晴れです。さらなる進化の跡が窺われる一本でした。

★亀齢「入魂 山/白」
亀齢酒造(広島県東広島市)
原料米 中生新千本
精米歩合 80%
日本酒度 +5
酸度 1.8
アルコール分 17度以上18度未満
酵母 自家培養
杜氏 西垣昌弘
広島県広島市 酒商山田にて購入