日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

錦繍の津軽を行く - はすや

2018-11-03 21:23:49 | 居酒屋
中一週での再訪なら、趣向を変えてみるのも一案のところ、またしても代わり映えのしないところに落ち着きました。今夜も「はすや」を訪ねます。
この店との付き合いも来年で十年を迎えます。その間さらなる店を探し求めて試行錯誤した時期もありました。しかし、近年では「弦や」を含むごく少数の店をしばしば掛け持ちする程度です。休みか早仕舞いで何度か振られたのを除き、この店には欠かさず寄っているのが現状であり、最長では五日続けて通った経験もあります。
そこまで通ったことにより慣れきってしまい、かつて感じたほどの鮮烈な印象は薄れてきました。あえて一回素通りすれば、次回訪ねるときのありがたみは増すのかもしれません。しかるに馬鹿の一つ覚えに走ったのは、居酒屋としての総合点ではここが一番と分かっているからです。前回「弦や」と掛け持ちしたこともあり、今回はむしろこちらに万全の状態で臨みたいという考えが勝りました。
「総合点」と表現するのは、酒、肴、居心地を始めとする様々な要素によって居酒屋としての善し悪しが決まってくるからに他なりません。たとえば生ビールでは「弦や」が、老練さでは「しまや」が、仕事の丁寧さでは「山水」がそれぞれ上回ります。しかし、てらいのない食材を調理の工夫で酒肴へと昇華させる独創性については、弘前でここの右に出るものはなく、全国的に見てもほとんどないと思われます。大胆に例えるならば、浅草の「ぬる燗」が近いといえば近いでしょうか。愛想のない店主が一人で調理をこなす点についても同じです。素人には着想できない新たな品が日々加わり、引き出しの豊富さを実感させてくれるのがこの店の真骨頂であり、性懲りもなく通い続ける理由でもあります。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

華一風・会津娘
お通し(いか煮付け)
刺盛り七点
秋しゃけ味噌ホイル焼
カレーごはん
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錦繍の津軽を行く - 弘前公園

2018-11-03 20:50:19 | 東北
弘前公園を訪ね、九時の消灯を待たずに切り上げました。思ったよりも手短に済んだのは、夜桜はもちろんのこと、雪燈籠まつりと比べてもささやかなものだったからに他なりません。暗い中で眺める限り、楓があるのは二の丸と本丸の周辺のみです。それも全てが見頃というわけではなく、まだ青々とした木も少なからずありました。銀杏は西の郭の巨木以外に見当たらず、同じく青々としています。そのためか見物客も少なめです。
先々週の時点で紅葉が始まっていたことからすると、今週末が盛りだろうと思っていました。七戸でも見頃を迎えていただけに、拍子抜けする結果です。去年眺めた鶴ヶ城の紅葉が、暗い中でも見応えのあるものだったため、あれに類するものを勝手に思い描いていましたが、買いかぶりだったのかもしれません。

しかし、ここならではの光景もありました。半月前、既に紅葉し始めていたソメイヨシノに、まだ葉が茂っているのです。近所の桜など紅葉する前に散ってしまい、ここまで色づくことがまずありません。おそらく樹勢の違いでしょう。弘前の桜がいかに丹精されているかが一目瞭然です。
もう一つ気付いたのは、材木が至る所に積み上げられていることです。おそらく雪吊りの準備でしょう。冬間近と改めて実感する一幕でした。
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錦繍の津軽を行く - カプセルイン弘前

2018-11-03 19:18:31 | 東北
七戸から約120kmを走破して弘前に着きました。紅葉の盛りということもあるのか、今週末も市内の宿が混んでいます。前回に引き続いて世話になるのはカプセルイン弘前です。
少し前なら一風呂浴びてさっぱりしたと表現するところですが、今日は温まったという方が合っています。前回泊まったときは、身体を洗ってから温湯に少し浸かって上がりました。しかし今夜は熱湯にしばらく浸かってから身体を洗いました。それだけ冷えているということです。この寒さが紅葉を一層鮮やかに変えているでしょう。ライトアップとやらを観に、弘前城へ行ってきます。
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錦繍の津軽を行く - 糸合シ由

2018-11-03 18:22:52 | 東北
弘前市街へ入る前に給油という、前回と全く同じ流れになりました。七戸まで行って戻っただけのような気がするにもかかわらず、何だかんだで280km走っています。燃料を半分近く消費して、盛岡まで走り通せるかが何ともいえなくなってきたため、早めに手を打った次第です。
出発から3000kmを超えたのに続き、オドメーターが207400kmに達しました。帰着までに208000kmを超えるのは確定的であり、場合によっては209000kmに迫る可能性もあります。年内は微妙としても、正月に四国へ行けば21万kmを超えるでしょう。四月に達成した20万kmから九ヶ月ほどで、次の1万kmを刻むことになります。
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錦繍の津軽を行く - 冬間近

2018-11-03 17:42:29 | 東北
国道394号線をひた走って津軽平野に舞い戻り、性懲りもなく尾上高校前で弘南電車を撮りました。現在地で出発からの走行距離は2999.9kmとなっています。この先もまっすぐ帰るつもりはないため、今回は4000kmの大台突破もありそうです。
先々週は四時半の上り列車の通過まで日が射していました。しかし今日は通過の直前に日が沈みました。さらに半月経った以上、日の入りが早まったのは想定の範囲内です。稲穂が全て刈り取られていることについても。しかし、それ以外にも季節が進んだことを実感する場面がありました。
まず、影絵になった岩木山の稜線の鮮明さが全く違います。田圃では白鳥が羽を休めていました。ここまで走ってくる間も、標高を上げるにつれて錦繍が冬枯れに変わり、峠の前後では路肩に積雪していました。日中はまだよいものの、夜間は冬タイヤでなければ危険でしょう。いずれも冬間近と実感する光景でした。
中一週を置いただけで、季節がこうも進むものかと驚かされます。それを体感できただけでも、わざわざ舞い戻ってきた甲斐はあったというものでしょう。この先の道中、いかなる発見が出てくるのかも楽しみです。
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錦繍の津軽を行く - 七戸城

2018-11-03 14:46:11 | 東北
二時間余計に注ぎ込んだことにより、どこかで取り返すしかありません。前回訪ねた七戸駅は挨拶程度で失礼し、浮いた時間で七戸城を訪ねました。
門のそばに二本並んだ銀杏と紅葉が鮮やかです。それ以上に驚いたのは、紫陽花がいまだに咲いていることです。北国に関する限り、10月の紫陽花ならそれほど珍しくはないものの、11月ということになると記憶にありません。これでさすがに見納めでしょうか。初夏から晩秋まで、長きにわたって楽しませてくれたことに感謝します。
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錦繍の津軽を行く - 一矢

2018-11-03 14:01:48 | 東北
あろうことか二本目の貨物列車もやって来ず、してやられたと思いました。しかし、諦めて機材を片付け、引き上げようとしたそのとき、何やら気配を感じました。もしやと思い身構えると、果たして機関車の前照灯が見えました。咄嗟に引き返してカメラを構え、どうにか仕留めたところです。
実質二時間かけて一本だけかと、徒労感が残るのは事実です。しかし、ただでさえ日が短い時期の二時間を、全く無駄にするよりましではあります。小一時間後にもう一本通過するとはいうものの、この調子では心許ありません。時刻通りに来たとしても、その頃には日が暮れかけてしまいます。これ以上深入りせず、一矢報いただけでも十分ということにしておきましょう。
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錦繍の津軽を行く - 藁ぼっち

2018-11-03 13:11:51 | 東北
弘前へ向かうかというとさにあらず。小川原の高架橋にやってきました。
一昨年ここで、藁ぼっちを入れて列車を撮りました。ただし十月上旬のことです。この時期なら何一つ残っていなくとも仕方がありません。一か八かの再訪でした。しかし幸いにも、前回あったのとは違う場所に藁ぼっちが残っていました。しかも、田圃より一段高いところに農道が通っているため、ここから撮れば高さも申し分ありません。
そこまではよかったのですが、12時台に通るはずの貨物列車が何故か来ず、どうでもよい701系の普通列車が一本通過しただけです。時刻表の上では一時半頃にもう一本通過することになっています。今度こそ来てくれればよいのですが。
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錦繍の津軽を行く - 七彩館

2018-11-03 11:35:50 | B級グルメ
今回も道の駅で腹ごしらえを済ませてから出発します。馬鹿の一つ覚えではありますが、全く無駄ではありませんでした。「新そば入荷」の張り紙が掲げられていたからです。中一週置いた恩恵に、またしても与ることができました。

★しちのへ産直七彩館
上北郡七戸町荒熊内67-94
0176-62-5777
900AM-1800PM
そば処 1000AM-1630PM(LO)
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錦繍の津軽を行く - 小春日和

2018-11-03 11:14:39 | 東北
七戸十和田で列車を降りると、どこに車を置いたかが思い出せず焦りました。落ち着いて探したところ、何事もなかったように止まってはいたものの、ブレーキディスクに錆が浮いていました。やはり、二週間も置いていくのは可能な限り避けたいものです。ともかくこれで一安心ではあります。
関東平野を北上すると、左手に日光連山が見えてきました。霞んで見えた山影が、鮮明になってきたのは宇都宮を過ぎてからです。那須岳は中腹から裾野にかけて紅葉し、磐梯山から先の百名山はいずれも冠雪していました。遠景が鮮明になったということは、空気が秋から冬のそれへと変わったことを意味します。南国を旅する間に、季節がこうも進んでいたかと実感させられました。一週、二週の違いから来る微妙な移り変わりを体感できることこそが、一時帰京を繰り返しつつ旅を続ける理由でもあるのです。
もう一つ季節の移り変わりを感じたのは、冬の太平洋側を彷彿させるような青空が広がっていることです。ただし日向ではTシャツ一枚でも過ごせます。小春日和と形容したい暖かさです。
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錦繍の津軽を行く - はやぶさ3号

2018-11-03 08:15:53 | 関東
昨晩は風呂に入る余力もなく眠りに落ちてしまいました。目覚めた後は一風呂浴びて旅支度を済ませ、即出発という慌ただしさでした。先週末と同じ「はやぶさ3号」で七戸十和田へ戻ります。
今回も混雑を嫌ってグリーン車を奢りました。大宮を出た時点で隣の席は空いており、少なくとも仙台まではグリーン席を実質二つ使えます。二週間分の駐車料の代わりと思えば、実質3500円ほどの料金は高くありません。これが最も現実的な自衛策です。

「はやぶさ」の混雑が慢性化したことにより、一時帰京の拠点としての七戸十和田の優位性は低下したともいえます。盛岡駅に日曜から土曜まで車を置いても3000円です。「はやぶさ」以外に「こまち」と「やまびこ」が使え、臨時列車も止まるため、「はやぶさ」の始発列車が混み合っても回避しやすく、運賃と料金もわずかとはいえ安くなります。つまり、利便性では盛岡が七戸十和田を圧倒しており、出費もほとんど変わらないのです。
しかし、七戸十和田が依然として優位性を持つ点もあります。日が暮れてから津軽を出ても最終列車に駆け込めることです。青森県内に終日滞在してから帰る場合、または復帰後再び県内で活動する場合には、七戸十和田に明らかな利があるといえ、二週間車を置くなら出費の面でも歴然とした違いが出ます。かつての圧倒的な優位性こそ薄れたものの、特定の状況でなお優位に立つという点では、釧路のホテルラッソのようなものとでもいえばよいでしょうか。今後もしばしば世話になる機会は出てきそうです。
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