日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

小春日和の九州へ 2018 - 弥太郎うどん

2018-11-24 23:58:55 | B級グルメ
仲間と別れ、あとはもう一軒はしごできれば十分です。しかし、今からでも入れる居酒屋の心当たりはもうなく、さりとて屋台も一筋縄には行きません。ことごとく混んでおり取り付く島がないのです。こうなると代わりを探すしかありません。右往左往をした挙げ句、弥太郎うどんに飛び込みました。
うどんに加えておでんと簡単な肴もあり、一杯ひっかけている先客もいます。しかし、屋台でもう一杯とは思ったものの、それが叶わなかったとき、酒はもういいという気分でした。結局うどんだけいただいて締めくくるという顛末です。とはいえ、雰囲気はあながち悪くありません。敷地に合わせた鋭角のカウンター、丸太の椅子、筆頭格のおばちゃんと青年三人組の立ち居振る舞い、酔客が引きも切らずに訪れる賑わいはいずれも上々です。
屋台というと、かつてはもっと気軽に寄れる場所だったような気がします。近年次々と数を減らしていった結果、需要と供給が釣り合わなくなってしまったのでしょう。そのような中、地元の酔客御用達の店は、屋台の他にも多々あることに気付いてきました。屋台が観光客向けの見世物と化しつつある今、これらの店を活かす工夫が必要なのかもしれません。

弥太郎うどん
福岡市中央区渡辺通5-1-18
092-761-4155
24時間営業
日祝日定休
かしわうどん540円
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小春日和の九州へ 2018 - 旭軒

2018-11-24 22:57:28 | 居酒屋
一軒目でさえここだと思う店が浮かばなかった以上、二軒目以降はなおさらです。居酒屋はもういいという気分の中、別腹に入るという観点から選んだのは一口餃子です。続いては「旭軒」を訪ねます。
一昨日の晩、餃子の店に早仕舞いで振られたと申しました。その店というのがここです。博多川に架かる橋の袂にある店が、常々気になっており、一度訪ねてみたいと思っていたのでした。
居酒屋の場合、事前の情報、あるいは経験の蓄積からある程度の予測ができてしまい、それが的中することにより、結果として鮮烈な印象までは残らないことがしばしばあります。この店でも同様の現象が起きました。L字のカウンターを中心にした店内、餃子と手羽先だけの潔い品書き、店主による老練な仕事ぶり、地元の酔客らで賑わう店内は、自分が勝手に思い描く餃子専門店そのものです。
そのような事情もあって、長崎の「宝雲亭」ほどの中毒性は感じません。しかし見方を変えると、完成された名店ということでもあります。趣向を変えたい二泊目には好適な一軒でした。

旭軒 川端店
福岡市博多区上川端町3-3-1 第5秋吉十美ビル1F
092-281-1182
1800PM- (売切御免)
第一日曜定休
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小春日和の九州へ 2018 - ほてい屋

2018-11-24 21:47:11 | 居酒屋
小倉から博多へ向かっていく途中、路面が濡れているように見えました。まさかと思いつつさらに走ると、今度は雨が降ってきました。ほどなくして上がったものの、通り雨を境に空気が入れ替わったか、前夜とは対照的な暖かい夜となっています。

近年福岡に一泊しかできない状況が続き、これをどうにか増やすのが課題の一つでした。しかし、宿願をようやく実現した今回、二泊目に是非行きたいと思う店がないことに気付きました。候補がいくつも挙がる長崎、鹿児島と違って、「瓢六」以外に思いつかない熊本のようなものとでも申しましょうか。あちらとの違いは、店の心当たりがあるにはある、しかしどれも決め手を欠くところにあります。国内主要都市の中では、札幌に最も近いといえば近いでしょうか。どの店も横一線で決めかねる中、今回は同行者に一任すると決めました。
同行者というのは、このblogにしばしば登場する日本一周中の活動仲間です。昨春の出発後、伊那佐渡鹿児島の三度にわたって相見えた当人が、長期にわたって滞在した沖縄から本土に帰還したのは九月でした。しかし、そのまま北上するかと思われたのも束の間、一月ほど経ってから発せられたのが越冬宣言です。暖かくなるまでの間、福岡に仮住まいするというのがその内容でした。先月は持ち時間が限られたため、慌ただしくなるのを嫌ってそのまま失礼したものの、福岡に宿泊する機会が巡ってきた今回、一年ぶりの再会に至ったという経緯があります。仮住まいに至る前にも、福岡に足繁く通っていた人物だけに、店選びを一任するのも手だろうと考えたのでした。こうして飛び込んだのが「ほてい屋」です。

福岡といってもいささか広すぎます。しかし、およそ当たりはついていました。当人も自分も、いわゆる博多の旧市街をとりわけ好む部類の人間だからです。その当人が、界隈の店の中で「やす」とともに好意的な評価をしていたのがここです。ただし絶賛というまでには至らず、粗も散見されるという趣旨の評価でした。いかにも若い店主が作ったらしき店だけに、荒削りな部分があるのだろうというのが自分なりの理解でした。そしてその見立てはおおむね的中しました。
櫛田神社とは目と鼻の先、明かりもまばらな路地裏にぽつんと佇む古民家と、スポットライトに浮かび上がる扁額が様になっています。一階がオープンキッチンのカウンター、二階が座敷という造りは独酌に好適。小ぎれいに改装され、建築当時の雰囲気こそ乏しいものの、カウンターにあしらわれた市松模様のタイルに設計者の感性が現れています。冊子になった品書きは、一見すると野暮ながらも、玄海、対馬といった産地が流れる筆致で見やすく書かれ、叩いたり炙ったり漬けにしたりと、一手間加えた仕事ぶりも上々。酒はいずれも均一価格で、望めば燗にもしてくれます。
その一方で、細かな粗もあるにはあります。三人組の若い衆は、仕事をこなすのに手一杯なのか、お客に目を配る余裕まではなさそうな様子です。個人的には音楽が耳障りなのもいただけません。福岡における多くの店と同様に、是非また来たいという決め手には欠けるというのが率直なところではあります。とはいえ、店長と顔なじみにでもなったとすれば、それなりの愛着が湧いてきそうな店ではあります。二泊目の店選びに迷ったときは、もう一度訪ねてみたいと思う一軒でした。

博多ほてい屋 冷泉町店
福岡市博多区冷泉町8-3
050-3461-1241
1800PM-2230PM(LO)
日曜定休
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小春日和の九州へ 2018 - ソニック50号

2018-11-24 18:00:00 | 九州
五時前のロープウェイで下山すると、わずかな差で乗れないだろうと思ったバスが、少し遅れてやってきたため咄嗟に乗車。しかし誤算だったのは、観光港を経由する遠回りの便だったことです。国道の渋滞にも巻き込まれ、往路の倍の50分を費やしてしまいました。これにより温泉に寄る時間がなくなったため、駅前の足湯ならぬ手湯に浸かって切り上げるという顛末です。
駅から徒歩圏内の温泉はいくつもあり、30分もあれば入れるところでした。しかし、仮に一本遅れると、所要時間の違いもあって40分以上の差がつく状況でした。その分博多での持ち時間が削られることを考えると、速達列車ですぐに戻りたかったのです。
大分では折り返しただけ、目玉に据えた鶴見岳も空振りに終わり、挙げ句の果てには温泉にすら寄ることができず、「ソニック」で往復しただけに等しい一日でした。不本意ながら、大分県を訪ねる機会はこれが年内唯一となりそうです。博多を昼に出て日帰りする行程に、そもそも無理があったということでしょう。次回に向けての教訓とします。また来年…

★大分1435/4642M/1447別府1753/ソニック50(3050M)/1948博多
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小春日和の九州へ 2018 - 鶴見岳

2018-11-24 17:01:12 | 九州
別府に再訪したい場所があると申しました。その場所とは鶴見岳です。山麓の紅葉と冬桜を観賞した後、四時のロープウェイで山頂に登り、小一時間滞在して下山しました。只今帰りのバスで移動中です。
前回訪ねたのは奇しくも五年前の今日でした。快晴だったのも同じです。ただし、遠景が若干霞んでいるのが惜しまれました。冬晴れとなった今日ならば、あのときの借りを返せるだろうと考えたわけです。しかし結果としては空振りに終わりました。
雲一つない青空は変わらないものの、凜とした寒さだった佐賀、福岡と違って、こちらは軽く汗ばむ小春日和です。その影響もあるのか、遠景は前回よりもむしろ霞んでしまったような気がします。しかも、乗り過ごしたのがたたって日が傾き、眼下に広がる別府市街は日陰になってしまいました。残念ながら、前回以上の眺めとは言い難いものがあります。「二兎追う者は一兎を得ず」の諺通りとなってしまいましたorz
とはいえ、あのまま大分にとどまればよかったと、死んだ子の歳を数えているわけではありません。宿泊を見送って日帰りにした今回、このために大分へ行ったといえるものを、一つは残しておきたかったからです。そのためには、大分で時間稼ぎをするよりも、わずかな時間で別府を訪ねるのが最善の選択でした。山頂からの眺めこそ期待外れに終わったものの、紅葉と冬桜を観られただけでもよかったということにしておきます。
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小春日和の九州へ 2018 - 二兎追う者は

2018-11-24 14:22:23 | 九州
図らずも終点まで乗り通してしまいました。それも、お粗末としかいいようのない理由によってです。
別府で一旦降りた直後、携帯電話がないと気付いたのがそもそもの発端です。よくよく探せば出てくるかもしれないとは思いながらも、車内に忘れてきた場合のことを考えると、四の五の言わずに戻るしかありません。咄嗟に飛び乗り、無事取り戻したはよいものの、その代わり大分まで運ばれるという顛末です。
別府へ行こうとしていたのは、今回是非再訪したい場所があったからに他なりません。そこへまず別府へ行き、大分には残った時間で行けばよいという考えでした。ところが、乗り過ごしにより予定が大幅に狂いました。今すぐ別府に戻っても、当初予定していた滞在時間が大幅に削られ、あまつさえ大分での滞在も中途半端に終わってしまうからです。
そのようなわけで、別府を切ることも考えはしたものの、結論としては、「二兎追う者は一兎を得ず」となるのを承知で戻ります。大分には去年四時間注ぎ込んでおり、今回さらに訪ねたいと思うほどの見所もないからです。甚だお粗末ではありますが、せめてもの罪滅ぼしに唐揚だけいただいて失礼します。

★博多1157/ソニック21(3021M)/1359大分
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小春日和の九州へ 2018 - ソニック21号

2018-11-24 12:35:44 | 九州
北九州との二者択一で迷った末に、大分方面へ向かうことにしました。運用につくのは885系による「白いソニック」です。
鳥栖から着いた時点では、二本前の列車に12分の間合いで乗れるところでした。ただし、大分までの2枚きっぷを押さえるため、一度は外へ出る必要がありました。いずれ戻ってくる以上、不要な荷物も預けられればそれに越したことはありません。そうなると12分ではいささか厳しく、一本後にした方が現実的でした。しかし、ある程度覚悟していたことではありますが、連休の弊害によりロッカーが一つ残らず埋まっています。それも地下鉄の構内を含めてです。これ以上右往左往をするよりも、宿に預けてしまった方が楽だろうと思い至り、宿との間を往復して、駅に戻ってきたのが発車の5分前です。しかし、連休中という条件を考えると、5分前では座れるかどうかが心許ありません。さらに一本遅れても、所要時間の差を考えると実質20分の違いに過ぎないため、あえて見送りうどんをいただいたのでした。おかげで発車の15分前に並び、狙い通りの席につくという顛末です。
大分を訪ねる際、2枚きっぷという便利な商品の恩恵に与るのが近年の通例でしたが、その際起点にしてきたのは北九州市内です。本州方面から下ってきた後、小倉で2枚きっぷを買い求めて別府と大分へ行って戻り、小倉から先は特急券を追加して、都内からの乗車券で博多へ下るというのが最も典型的な経路です。しかし、今回よくよく調べたところ、福岡市内を起点にしても200円少々の違いしかありません。高速バスに対抗するため、福岡についてはさらに値引きをしたのでしょう。つまり、今までと同じ経路であったとしても、福岡市内発で買った方がわずかとはいえ安かったということです。福岡市内発の切符を小倉で買えるかどうかは微妙ながら、もし可能なら次からはそうすることになるでしょう。

★博多1157/ソニック21(3021M)/1348別府
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小春日和の九州へ 2018 - 続けざま

2018-11-24 11:41:32 | B級グルメ
鳥栖からさほどの間も空いてはいませんが、乗り継ぎの合間に本日二杯目のうどんをいただきます。
文字にすれば大差のない品書きであり、少なくともうどんと出汁に決定的な違いまではありません。一方、葱の刻みが大きいことと、蒲鉾がつくところがこちらの特徴です。加えて、しっとりした食感のかしわは鳥栖のそれを上回っています。ただし、それ以上の大差がつくのは雰囲気です。殺伐とした博多駅と、古きよき時代の面影残る鳥栖駅では比べものになりません。駅のうどんの真骨頂が味よりも雰囲気にあることを考えると、総合点では鳥栖に軍配といったところでしょうか。続けざまにいただいたからこその発見です。

★博多ホームうどん
博多駅3-4番線
700AM-2200PM
丸天うどん410円
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小春日和の九州へ 2018 - 地獄に仏

2018-11-24 10:32:07 | 九州
常々不思議に思っていることの一つとして、福岡近郊の普通列車、快速列車の両数にかなりの違いがあることです。通勤の時間帯を除けば、乗客数に大差がつくとは思われないにもかかわらず、4両から9両まで何通りかの編成があり、どれが来るかによって当たり外れの差が大きくなってきます。そして、本日いきなりやってきたのは、よりによってわずか4両編成の快速列車でしたorz
当然ながら、着いた時点で全ての座席が埋まって立ち客も出ています。とりあえず扉の付近に立ち位置を確保し、荷物の一部を棚に乗せることはできたものの、この先どうなるのかと思わず憂鬱になる状況です。ところが、原田に止まったところで僥倖が。すぐ前の席にいたおばちゃんが下りたのです。まんまと空いた席に収まり、残りの荷物も置くことができました。地獄に仏と形容したい出来事でした。

★鳥栖1016/4230M/1045博多
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小春日和の九州へ 2018 - 盛況

2018-11-24 09:56:56 | B級グルメ
本日も駅のかしわうどんを朝食とします。昨日は連休初日に重なり、旅行客が引きも切らずに訪れていましたが、今度は駅の裏手の競技場で試合が開催されるらしく、列車が着く度に大勢の観客が吐き出され、その中の少なからぬ数がうどんをすすっていきます。相変わらずの盛況です。

★中央軒
鳥栖駅5-6番ホーム
700AM-2100PM
かしわうどん350円
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小春日和の九州へ 2018 - トスステーションホテルマツザカ

2018-11-24 08:55:57 | 九州
福岡の宿泊事情に鑑み、やむなく鳥栖に宿をとったことについては既報の通りです。福岡の宿がとれず、鳥栖に泊まるという経験は二度目となります。ただし、11月の三連休の初日という、一年中で最も宿が混み合う時期に重なったこともあり、鳥栖でさえ選択肢はごく限られる状況でした。事実上唯一の選択肢だったのがトスステーションホテルマツザカです。
予約サイトで手配を済ませた直後、宿から電話が入りました。禁煙室と喫煙室のどちらがよいかという用件でした。その程度の違いなら、予約サイトで選べるようにしておけばよさそうなものです。しかし個人的には、自動返信だけでなく、挨拶がてら一報入れるという対応が好ましく感じられました。
積極的な理由があって鳥栖を選んだわけではありません。それだけに、もう少し効果的に日程を組めないだろうかとも考えました。その課程において、熊本、長崎への鞍替えという選択肢もあったのです。それでもそのまま泊まったのは、代替案に明らかな優位性まで見出しがたかったのもさることながら、この宿を無碍には解約しづらかったという事情によるところが大です。直々に挨拶があったにもかかわらず、それを予約サイトのボタン一つで解約するのが、無粋に思えたとでも申しましょうか。そのおかけで、佐賀に一日注ぎ込むという貴重な経験ができたわけであり、結果としてはこれでよかったのだろうと納得しています。
似たような対応で思い出すのが松本の池田屋です。あちらと同様、昔からの旅館がホテルに模様替えした個人経営の宿なのだろうと想像しました。そしてそれはおおむね的中しました。その一方で意表を突かれたのが館内の造りです。玄関はさておき、そこから上がった客室部分が一風変わっています。エレベーターを下りるや広がったのは、中央を吹き抜けにした空間です。ただし、床が絨毯ではなくタイルで仕上げられており、吹き抜けを囲った柵を含め、宿泊施設というよりも集合住宅のような雰囲気です。客室の床も絨毯ではなくリノリウム張りとなっていて、風呂と洗面所は分離されています。この造りからすると、ウィークリーマンションか会社の寮を居抜きで宿にしたのでしょうか。真相のほどはともかく、何かにつけて印象的な宿でした。
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小春日和の九州へ2018 - 三日目

2018-11-24 08:36:40 | 九州
おはようございます。昨晩は投宿後一風呂浴びる余力もなく眠りに落ちました。今朝もなかなか起きられず、ようやく目覚めたのは八時過ぎです。出発前夜にほとんど休めなかった上に、博多でもかなり夜更かしだったため、疲れがたまっていたということでしょう。出遅れるのは痛いものの、おかげで多少は回復できました。
昨日は朝から昼にかけて次第に雲が増えていき、佐賀に滞在している間に再び晴れ、その後は煌々たる月夜になりました。一夜が明けて、窓の外には凛とした冬晴れの空が広がっています。昨日の昼を境に、空気が晩秋から冬のそれへと変わったのでしょう。元々考えていた行程では、この好天を必ずしも活かしきることができません。どう動くかもうしばらく考えてから出発します。
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