日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国九州縦断ツアー 2016続編 - 宝雲亭

2016-12-24 23:37:51 | 居酒屋
趣向を変えるといいながら、終わってみれば馬鹿の一つ覚えです。仕上げは今回も「宝雲亭」に落ち着きました。
もちろん、これまでと全く同じことを繰り返しているわけではありません。「安楽子」では前回の教訓を活かし、「こいそ」では初見の品をいくつか試しました。「桃若」でも空気を読んで手短に切り上げました。とはいえ、毎度のように訪ねている店ばかりなのは事実です。せめて最後は趣向を変えるつもりでした。ところがそのつもりで「一二三亭」を訪ねたところ満席で振られ、次に目指した「雲龍亭」も既に閉まっていました。さらなる候補の心当たりもなく、いつもと同じ選択に落ち着いたというのが真相です。
せめて一つは目新しさをということで、今回は餃子の前にスジポンを注文してみました。しかし予想通りというか何というか、餃子と違いここでしかいただけない味とまでは思われませんでした。やはりここでは主役の餃子に徹した方が賢明なのでしょう。一人前にとどめるつもりが、調子に乗って二人前を完食。今回も見事なまでの別腹でした。

宝雲亭本店
長崎市銅座町15-13
095-823-4042
1800PM-100AM
不定休
焼きぎょうざ・スジポン各420円
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - 桃若

2016-12-24 22:48:43 | 居酒屋
連泊でもない限り「安楽子」には寄りたいと申しました。それと並んで必ず寄りたい店がもう一つあります。三軒目は毎度おなじみ「桃若」です。
おでん以外の肴はなく、そのおでんも心底感動するほどの味ではありません。それにもかかわらず必ず寄りたいとまで思わせるのは、思案橋の横丁にある古びた店の雰囲気と、店主、女将、若主人の三人による軽妙洒脱な客あしらいのためでしょう。教祖御自ら、ここには必ず寄ると公言しているのも頷けます。

今回は暖簾をくぐるやいなや予想外の展開が。こちらがカウンターの片隅に着席するやいなや、先ほどはとの声がどこからともなくかかったのです。見れば「安楽子」で隣り合わせた独酌の青年でした。あちらでは言葉を交わすことなく終わったものの、県外からの一見なのはおよそ察しがつきました。ただし年代からしても、教祖に感化されたというより、口コミサイトの類で知ったのだろうと想像しました。独酌にしては珍しく社交的で快活なのは、隣にいてもありありと分かり、たまにはこちらから声をかけてみるかと思いながらも、そう思ったときにはあちらが最後の一口を飲み干そうとしており、出かけた言葉を飲み込んだという顛末です。
それがまさかの巡り合わせで鉢合わせた以上、青年の隣に移り、再会を祝して乾杯という流れになりそうなところ、ここで再び踏みとどまりました。というのも、青年が隣り合わせたお姉さん三人組とすっかり意気投合しており、むくつけき中年男が割って入るのは申し訳ないように思われたからです。行きずりの酒場で賑々しく酒を酌む様子はさしずめ「酒場放浪記」の世界であり、こちらとは対極に感じられたという事情もあります。一人酒場で呑むといえば、まず例外なく中高年であり、なおかつ自分と同様口数は少ない人間が多いものです。こちらの予想に反し、教祖の著作で知ったというのが青年の弁ではありますが、信者にしてはきわめて異色の人物です。
もう一組いた先客が去り、残ったのは青年とお姉さんと自分だけになりました。今回は短い間隔の再訪であり、店主、女将と若主人に一言挨拶できれば十分です。あとは若い方々で気兼ねなくやっていただくのが一番でしょう。徳利を一本空けたところで切り上げ、「よいお年を」と一言交わして辞去しました。

桃若
長崎市本石灰町3-1
095-823-3392
1730PM-2400PM

櫻正宗
特製蒲鉾
厚揚げ
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - こいそ

2016-12-24 21:43:39 | 居酒屋
開始時刻が遅かったため、腹ごなしをしている余裕はありません。間髪入れずに次へ移ります。二軒目に選んだのは「こいそ」です。

過去に述べたことの繰り返しではありますが、この店の名物といえば何といってもカウンターの幅一杯に並んだざっと三十種ほどの大皿です。品書きがなくとも一目で分かるてらいのない家庭料理でありながら、家庭では真似のできない職人の技が込められ、濃い味付けが酒を進ませるのは、名古屋の聖地「大甚本店」を彷彿とさせます。
多からず少なからず絶妙な分量がある「大甚本店」の惣菜に対し、こちらは若干量が多く、一人でも十分いただける、ただし二人で分けても不足はないといった見当になります。その結果、一人では何品も選べないのが惜しいところであり、酒もごく平凡な福岡の酒です。これらの点からも、完成しつくされた惣菜と絶品の樽酒を味わえる「大甚本店」の偉大さが分かるというものであり、教祖があれほど絶賛するのも宜なるかなではあります。
とはいえ、ここが長崎でも出色の名店の一つなのは事実です。前回早仕舞いで振られたこの店を訪ねられただけでも、年内に長崎を再訪した甲斐はありました。

こちらでもお客が三々五々引けていき、常連客と交わされる「よいお年を」の一言に年の瀬の実感が湧いてきます。その御常連に比べれば、こちらは年に一回立ち寄るだけの取るに足らない客ではありますが、何となく顔は覚えてもらえたということか、帰り際には店主から「来年もよろしく」との一言が。もちろん必ず戻ってくるつもりです。

こいそ
長崎市本石灰町4-3
095-823-5450
1800PM-100AM
日曜定休

萬年亀二合
突き出し(数の子)
鰤大根
とりミンチと野菜のあご出し仕立て
合鴨の照り焼
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - 安楽子

2016-12-24 20:33:37 | 居酒屋
そのようなわけでまずは「安楽子」にやってきました。店内は既に落ち着いてきており、カウンターには先客三名という適度な入りです。今回通されたのは、かつては先代、今は大女将の定位置となっている玄関寄りの一角でした。しかしその大女将の姿はなく、代わりに若女将が立っています。聖夜は先代ともども跡取りと水入らずの晩餐なのでしょうか。
前回は宴会客が次々入って刺身があっという間に捌けてしまい、目の前にネタがあるにも関わらず品切れという無情の宣告を受けました。ましてやこの時間ならほとんど品切れという可能性もあります。しかし何があるかとたずねたところ、ヒラス、平目、鰺、鰯、〆鯖と意外なほどに潤沢で、その中から平目と鰯を所望。そしてこの判断は吉と出ました。というのも平目は自分が注文した分で切れ、他の品も次々切れて、10分も経たないうちに残りは〆鯖だけという状況になったからです。刺身は最初にまとめて頼んだ方がよいという、店主の教えが早速活かされました。

この店へ来るというと開店直後がほとんどで、この時間に訪ねるのは初めてのような気がします。八時台といえばまだまだ盛況の店も多い中、こちらではネタが切れるにつれてお客も引け、早くも終盤の様相です。しかし、九時を回ったところで思わぬ展開が。常連らしき一人客が入ってきたのです。もちろん品がほとんどないのは百も承知なのでしょう。着席してから一呼吸おいたところで、「〆鯖ば」の一言が発せられました。お客があらかた引けた終盤に古参の常連客が現れ、残ったわずかな品で軽く一杯という情景は、旭川の「独酌三四郎」を彷彿させます。
どうやら今日は孫の誕生日だったらしく、そのことで店主夫妻らと花を咲かせています。その様子を微笑ましく眺めて席を立ちました。

安楽子
長崎市浜町7-20
095-824-4970
1630PM-2130PM(LO)
日祝日定休

喜多屋二合
平目・いわし
はも皮
たい頭
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - 適温無風

2016-12-24 20:16:24 | 九州
周囲が大分暗くなり、そろそろよかろうと見て再び展望台に上がると、見たこともないような人だかりに一瞬目を疑いました。過去同じ時間帯に訪ねたこともあるとはいえ、数が全く違います。函館山でさえこれほど混むことはありません。最小限のものだけ撮って下りようとすると、ロープウェイの乗り場も阿鼻叫喚の様相です。函館山のロープウェイよりはるかに小さな搬器に、あちら以上のお客が殺到している以上当然ではあります。下山までに何台も待つ羽目となり、かなりの時間を消費したものの、宿の近くへ行くバスがすぐに来たのが不幸中の幸いでした。一風呂浴びてさっぱりし、今から出発するところです。

二ヶ月という間隔での再訪ではありますが、連泊でもない限りまず「安楽子」には寄っておきたいという考えがあります。ただし間隔が短いだけに、是が非でもというほどの執着はありません。万一満席、早仕舞いで振られたとしても、他の店を試してみるよい機会と考えるつもりです。
稲佐山の山頂はさすがに冷えたものの、市街は適温無風の穏やかな聖夜となりました。今夜は雨合羽も必要なさそうです。
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - 稲佐山

2016-12-24 17:29:15 | 九州
電車とバスとロープウェイを乗り継いで稲佐山にやってきました。明るいうちに撮るべきものを一通り押さえ、暗くなるのを待っているところです。
関東ならばとっぷり暮れる時間帯ではありますが、長崎という土地柄、西の空にはまだ残照があり、完全に暗くなるには小一時間かかりそうです。それを見届けてから投宿し、一風呂浴びて呑み屋街へ繰り出すということになると、一軒目に入れるのは八時前後といったところでしょうか。前回に比べて軒数は絞られそうですが、そのとき四軒はしごして、昼にも一軒行ったため、そこまで欲張る必要もありません。最も混み合う時間帯を避けられるという点では、むしろ丁度よいともいえます。短い間隔での再訪という条件を活かし、趣向を変えてみるのも一興かと考えている次第です。
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - ひぐち

2016-12-24 14:48:10 | 居酒屋
例によって終点の一つ手前の浦上で降りました。しかも、こちらが着くのを見計らったかのように空が晴れてくるという願ったり叶ったりの展開です。ならば早速稲佐山かというとさにあらず。腹ごしらえを兼ねて昼から一献傾けます。訪ねるのは「ひぐち」です。
実は、浦上で列車を降りるようになってからというもの、駅の向かい側にある大衆割烹然とした店が気になっていました。創業昭和30年の看板を掲げた老舗が、昼から通しで営業しており、ここで一杯やるのも面白そうだとかねがね思っていたのです。浦上という半端な立地もあって、これまで素通りを続けてきたわけなのですが、今から山頂まで直行しても、日没までの時間を持て余してしまいます。そこで軽く一杯やってから向かおうと思い立った次第です。

駅の向かい側とは申しましたが、店はどういうわけか電車通りに背を向けており、一本奥の通りに玄関があります。その玄関の前で、昼間からタクシーが客待ちをしていることからしても、地元ではかなり知られた店なのでしょう。
奥行きの長い二階建ての店舗から、かなりの大店なのは想像がつきました。しかし、テーブルと座敷が中心かと思いきや、暖簾をくぐった先に現れたのは、コの字の広いカウンターです。一階はカウンターのみ、二階に座敷という造りのようで、石造りのカウンターの周囲には臙脂の小さな暖簾が架かり、頭上に並ぶ六角形をしたステンドグラスの照明が長崎らしさをさりげなく演出。中心ではおでん舟が湯気を立て、奥の方には板場があって、二人組の板前が包丁を捌いています。熟練したおばちゃんが客席を仕切り、暖簾で仕切った厨房の向こうでは大勢の板前とおばちゃんがまめまめしく動くなど、活気に満ちた大衆割烹の雰囲気はまことに上々。半端な時間にも関わらず近所のご隠居が三々五々現れ、各自の定位置らしき一角で酒を酌んでいます。
強いて難癖を付けるとすると、品書きがファミリーレストランのメニューのごとき写真入りの大きな冊子で、それをいちいちめくるのが野暮ったく感じられることです。とはいえ日替わりのおすすめは一枚にまとめられており、日参する常連客ならこれだけ見れば用が足りそうです。その品書きから選んだヒラスの刺身は、480円とは思えないほど気前よく盛られてきました。見た目の美しさと味わいこそ「安楽子」の刺身に一歩譲るものの、これで500円そこそこなら何もいうことはありません。名物の一つとされる唐揚げは、味付けを控えめにする代わりに秘伝のタレをかけていただく、釧路のザンギを彷彿させる一品で、同じく名物の鶏飯、茶碗蒸しの定食も安定したおいしさです。地元での根強い人気も宜なるかなの名店でした。

ひぐち
長崎市岩川町1-10
095-844-5522
1100AM-2300PM

六十餘洲・十王蔵
ヒラス
おでん二品
若鶏の唐揚げ
鶏飯定食
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - かもめ21号

2016-12-24 12:41:44 | 九州
時間には十分な余裕があり、なおかつ雨に降られる心配もありません。佐賀の城下町を見物していくにはまたとない機会です。しかるに、そのために必要となる貸自転車が、あろうことか全て出払っているというまさかの事態が。これにより目論見が呆気なく潰えたため、早々と長崎へ移動します。佐賀まで乗って来た列車が、長崎へ直通する数少ない普通列車の一つだっただけに、こうなると分かっていればあのまま乗り通してもよかったのですが。
このまま行けば二時前には長崎に着き、呑み屋が開くまでの間に半端な時間が残ります。こうなると思いつくのは、稲佐山に登って夕景が暮れていくのを見届けることですが、予報の割には空が朝から曇りがちで、多くを期待しにくいのが実情です。到着後の時間をどう使うか、移動の合間に考えてみます。

★鳥栖1003/2843M/1017吉野ヶ里公園1137/2847M/1148佐賀1233/かもめ21(2021M)/1346浦上
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - しめなわ

2016-12-24 12:23:11 | 酒屋
再び移動し佐賀で下車。毎度おなじみ駅前の「しめなわ」で酒を買います。ひやおろしはとうの昔に姿を消し、さりとて新酒一色にはまだ至らないという状況の中、「当店人気No.1の常連酒」なる寸評に従い、能古見なる初見の酒を選びました。

★しめなわ
佐賀市駅前中央1-10-36
0952-26-9577
平日 800AM-2030PM
日祝日 900AM-1800PM
元日休業
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - モスバーガー三田川店

2016-12-24 10:52:43 | MOS
鳥栖から佐賀へ移動するのが通例のところ、今回は吉野ヶ里公園で下車。ただし遺跡を目当てにしたわけではありません。逆方向に歩いてMOSへやってきました。立ち寄るのは三田川店です。
近年主に訪ね歩いている古い店舗と違い、一昔前にいわゆる「緑モス」化されており、古きよき時代の面影は希薄です。それにもかかわらず再訪したのは、このアカウント名の由来でもある「モス坊や」が残っていると小耳に挟んだからでした。それも募金箱ではなく、駐車場の一角にかなり大きい像が建っているとのことであり、現在はもちろんのこと当時としても唯一無二の珍品ということになります。駅から徒歩数分という手軽さもあり、かつては全く気にとめなかったモス坊や像を、しかとこの目で見ておこうと思い立った次第です。
目当てのモス坊やは入口からやや奥まった駐車場の片隅にあり、背丈ほどの高さがある台座の上に、国道沿いを向く形で佇んでいました。赤いシルクハットにジャケット、同じく赤い縞模様のスラックスという出で立ちは、MOSといえば緑ではなく赤だった時代の名残そのものです。長年の雨風にさらされ、塗装が剥げかかってはいるものの、公園の古い遊具のような佇まいにはむしろ味があります。緑モス化された時点で公式にはとうに使われなくなっていたモス坊やを、撤去しないでそのまま残したオーナーの粋な計らいに感謝しなければなりません。
惜しむらくは、よりにもよってモスチキンの臨時販売用のテントが建てられ、肝心の像が隠れてしまっていることです。しかし、見方によっては年に一日限りの貴重な光景といえます。それを見届けられただけでも、はるばる訪ねた甲斐はありました。

モスバーガー三田川店
神埼郡吉野ヶ里町吉田779-1
0952-53-4910
700AM-2400PM
第139号
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - 中央軒

2016-12-24 09:54:24 | B級グルメ
宿の朝食バイキングが500円の格安だったため、そちらで済ませることも考えなかったわけではありません。しかし今日はそれに勝る選択肢がありました。中央軒のかしわうどんです。
この時間から開いているのは駅舎内か5-6番ホームのいずれかです。趣向を変えて駅舎内にすることも当然考えはしたものの、大荷物を抱えた身には店内が窮屈そうに思われて敬遠。ホームのベンチに荷物を置き、発着する列車を眺めつついただきます。

★中央軒
鳥栖駅5-6番ホーム
700AM-2100PM
かしわうどん350円
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - プラザホテル鳥栖

2016-12-24 09:08:45 | 九州
昨晩世話になったのはプラザホテル鳥栖でした。福岡市内の宿泊事情に鑑み、やむなく鳥栖に宿をとったことについては既に述べた通りです。しかし、あちらの狂騒ぶりをよそに、鳥栖の宿には十分すぎるほどの余裕があり、四千円台の宿を難なく押さえることができました。
自分にとっては必要にして十分の、悪くいえば現代的で無味乾燥な、価格相応のビジネスホテルです。しかし、駅には至近で部屋からは鳥栖駅のホームが見え、日付が変わる頃まで博多で呑めるという利便性に加え、福岡に対する料金面での圧倒的な優位性もあります。福岡に泊まれればもちろんそれが一番とはいえ、宿泊事情が逼迫しやすい大都市の特殊事情も考えると、鳥栖という選択肢を覚えておいて損はなさそうです。
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中国九州縦断ツアー 2016続編 - 二日目

2016-12-24 08:44:38 | 九州
おはようございます。一年中で最も日の出が遅いこの時期、九州にあってはなおさらで、ようやく夜が明け切ったと実感できる状況になりました。ここまで時間が要ったのは、空が曇っているからでもあります。しかし日中はおおむね晴れるとの予報であり、雨や雪に降られそうな気配はありません。長崎では久々に傘要らずの夜となりそうです。
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