日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国九州縦断ツアー 2016続編 - ひぐち

2016-12-24 14:48:10 | 居酒屋
例によって終点の一つ手前の浦上で降りました。しかも、こちらが着くのを見計らったかのように空が晴れてくるという願ったり叶ったりの展開です。ならば早速稲佐山かというとさにあらず。腹ごしらえを兼ねて昼から一献傾けます。訪ねるのは「ひぐち」です。
実は、浦上で列車を降りるようになってからというもの、駅の向かい側にある大衆割烹然とした店が気になっていました。創業昭和30年の看板を掲げた老舗が、昼から通しで営業しており、ここで一杯やるのも面白そうだとかねがね思っていたのです。浦上という半端な立地もあって、これまで素通りを続けてきたわけなのですが、今から山頂まで直行しても、日没までの時間を持て余してしまいます。そこで軽く一杯やってから向かおうと思い立った次第です。

駅の向かい側とは申しましたが、店はどういうわけか電車通りに背を向けており、一本奥の通りに玄関があります。その玄関の前で、昼間からタクシーが客待ちをしていることからしても、地元ではかなり知られた店なのでしょう。
奥行きの長い二階建ての店舗から、かなりの大店なのは想像がつきました。しかし、テーブルと座敷が中心かと思いきや、暖簾をくぐった先に現れたのは、コの字の広いカウンターです。一階はカウンターのみ、二階に座敷という造りのようで、石造りのカウンターの周囲には臙脂の小さな暖簾が架かり、頭上に並ぶ六角形をしたステンドグラスの照明が長崎らしさをさりげなく演出。中心ではおでん舟が湯気を立て、奥の方には板場があって、二人組の板前が包丁を捌いています。熟練したおばちゃんが客席を仕切り、暖簾で仕切った厨房の向こうでは大勢の板前とおばちゃんがまめまめしく動くなど、活気に満ちた大衆割烹の雰囲気はまことに上々。半端な時間にも関わらず近所のご隠居が三々五々現れ、各自の定位置らしき一角で酒を酌んでいます。
強いて難癖を付けるとすると、品書きがファミリーレストランのメニューのごとき写真入りの大きな冊子で、それをいちいちめくるのが野暮ったく感じられることです。とはいえ日替わりのおすすめは一枚にまとめられており、日参する常連客ならこれだけ見れば用が足りそうです。その品書きから選んだヒラスの刺身は、480円とは思えないほど気前よく盛られてきました。見た目の美しさと味わいこそ「安楽子」の刺身に一歩譲るものの、これで500円そこそこなら何もいうことはありません。名物の一つとされる唐揚げは、味付けを控えめにする代わりに秘伝のタレをかけていただく、釧路のザンギを彷彿させる一品で、同じく名物の鶏飯、茶碗蒸しの定食も安定したおいしさです。地元での根強い人気も宜なるかなの名店でした。

ひぐち
長崎市岩川町1-10
095-844-5522
1100AM-2300PM

六十餘洲・十王蔵
ヒラス
おでん二品
若鶏の唐揚げ
鶏飯定食

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