日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

年の瀬の会津を行く 2016 - やまびこ60号

2016-12-18 23:03:29 | 東北
全行程終了です。最終の新幹線で帰路につきます。
出発前にも申した通り、今回の旅は一年前の焼き直しに過ぎません。二匹目のどじょうを狙った場合、一回目に比べて格落ちになってしまうことがしばしばあるものですが、今回はそのような場面がほとんどなく、むしろ前回の教訓が活かされて、より的確に動けたような気がします。しいていうなら「籠太」で不完全燃焼に終わったのが惜しまれる程度でしょうか。
来春田島行の特急列車が新設されると、快速列車の去就が気になるところではあり、磐越西線と飯坂電車についても後継車への置き換えが迫っています。そう考えると同じ旅が何度もできるわけではなさそうですが、当面は暮れの恒例行事として続けたいというのが現時点の考えです。

★仙台2147/やまびこ60(60B)/2344東京
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 権兵衛

2016-12-18 20:35:34 | 居酒屋
定禅寺通の並木道に沿って歩くと、遠くの方からピアノの音色が。去年「幸福の赤い電球」があった結婚式場が開放され、そこで生演奏が披露されるという粋な計らいでした。思わず聴き入っているうちに時間は過ぎ、一杯やるにはいささか短く、さりとてこのまま聴いているには長すぎるという、帯に短し襷に長しの状況となりました。そのようなときに拠り所となるのが「迷ったら買え」の経験則です。慌ただしくなるのを承知で呑み屋に入ります。訪ねるのは「権兵衛」です。

仙台への旅の終わりを飾ってくれた「おのちゃん」が、去る二月から日曜定休となってしまったことについてはそのときに述べました。しかし、明かり瞬く欅並木を一望できる特等席を、むざむざ閉めるというのはもったいない話です。ページェントの時期に限って臨時営業していないかと、淡い期待を抱いていました。しかしそのような虫の良い展開には至らず、無情にも店の明かりは消えていました。その結果、二月にも世話になったこの店の再訪に至った次第です。
実は、日曜の晩に一杯やって帰るという状況において、一度試してみたいと思う店が他にありました。虎屋横丁に「おのちゃん」の系列店がもう一軒あり、そこならある程度期待できるのではないかという考えがあったのです。ただし、今日に関していえばこちらを選ぶ明確な理由がありました。というのは、虎屋横丁から駅へ向かう場合、広瀬通か東二番丁通に出る形となり、いずれにしても定禅寺通は通りません。その点こちらの場合、店を出てから定禅寺通に沿って歩き、勾当台公園の前からバスに乗り込む形となるため、ページェントの時期ならここだと考えたわけです。

開店以来「名無しの権兵衛」を名乗っていた店が、正式に「権兵衛」となったことについては風の便りに聞いていました。正確には「三丁目のおちょうし者権兵衛」という、いかにも若い店主が考えそうな店名です。暖簾をくぐるとその店主の姿はなく、そればかりか前回世話になったお姉さんと助手も交代して、全く違う四人組の青年が店を仕切っていました。どうやら改名を機に布陣も一新したようです。
とはいえ寄木のカウンターを中心にした明るい店内は変わっておらず、若いながら小気味よく機転の効いた客あしらいも好ましいものがあります。酒に対する造詣も深く、半合のグラスが450円、一合のもっきりが800円均一という分かりやすい価格設定は酒を呑むのに好都合。さりげなく差し出される和らぎ水もありがたく感じられました。何分時間がなさ過ぎて、酒以外の品をほとんど注文できなかったのは惜しまれますが、それは次回以降の楽しみとします。30分少々かけて一合半を飲み干し、新店長の名詞を頂戴して辞去しました。

★権兵衛
仙台市青葉区国分町3-4-21 第2旭ビル1F
022-211-5018
1700PM-2400PM

鶯咲・森乃菊川・太白山
お通し三品(なめろう・おひたし・なめこ)
あんきも
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 光のページェント

2016-12-18 19:19:52 | 東北
太助を出て定禅寺通に向かうと、時報とともに明かりが点滅する見せ場と頃よく重なりました。通り沿いの一角にお誂え向きの円卓と椅子があったため、そちらを拝借して投稿中です。
過去にはが降ったりが吹いたりした年もあり、震災の年には各地から寄せられた電球で開催されるという印象的な出来事もありました。しかし過去二年は適温無風の穏やかなページェントが続き、今年もまた同様の展開となっています。結果としては三年続けてほぼ同じものを眺めていることになりますが、これはこれで悪くありません。華やかな電飾に彩られた仙台の街の空気に浸ることこそが、この行事を毎年見物している目的であり、近年ではシャッターを切る回数も数えるほどになりました。今年も再訪できたことに感謝しています。
帰りの列車の時刻から逆算すると、九時過ぎには切り上げて駅へ向かった方が無難でしょう。八時の前後にもう一度明かりが点滅するため、それを見届けてから呑み屋に入るつもりです。
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 旨味太助

2016-12-18 18:43:12 | B級グルメ
仙台に着きました。帰りの列車までの持ち時間は実質三時間弱といったところでしょうか。光のページェントを見物し、牛タンをいただいて、最後に一献傾けるには過不足のない時間です。太助へ待たずに入れればまず行き、そうでなければページェントを先にするつもりで店へ向かうと、幸い先客の片付けを待っただけで入店と相成りました。
三連休乗車券の導入により特急料金の支払いが別途必要になってからというもの、仙台へ立ち寄る機会が激減し、一年近い間が空くことも珍しくなくなった時期がありました。しかし今年は早春の二度にわたって宿泊し、花見の行き帰りにも短時間とはいえ立ち寄ったため、今回を入れて五度仙台に寄れたことになります。その都度この店にも立ち寄って、一時の借りを取り返せたのは幸いです。
時代の波には抗えず、この店もとうとう値上げに踏み切って、それと同時に定食が四枚、五枚、六枚の三通りになったことについては前回述べました。牛タンが一枚あたり350円相当、その他が実質100円相当という価格設定で、基本の4枚なら1500円、5枚が1850円で6枚が2200円です。つまり漬物、麦飯、テールスープがただ同然の代わりに、牛タンが割高に設定されているため、牛タン、麦飯、テールスープの三位一体を重んじる自分には、今まで通りの四枚で十分ということになります。しかし今回は五枚にしておけばよかったかと少し後悔させられました。というのは、いつも案内されるカウンターの角の位置に、光のページェントの支援を目的にした募金箱があり、そこに毎年お釣りを入れているのです。そして今回定食が1300円から1500円になったことにより、お釣りは500円になりました。しかしそうなるに及んで気付いたのが、それなら五枚にして残りの150円を入れればよかったということです。何とも小さい人間だと我ながら呆れてしまいます。
まあ、毎年世話になっている暮れの風物詩だけに、500円程度ならどうということはありません。些細な後悔は腹に納めて、受け取った500円玉を投入しました。

旨味太助
仙台市青葉区国分町2-11-11 千松島ビル1F
022-262-2539
平日 1130AM-2130PM(LO)
日曜 1130AM-2030PM(LO)
月曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)
定食A1500円
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - ホリデー宮城おとぎ街道号

2016-12-18 17:36:33 | 東北
梁川に到着後、17分の間合いで後続列車が発車しました。朝晩各一本しかない仙台までの直通列車で、本日はヘッドマーク付きの四両編成が運用につきます。槻木止まりの列車の場合、接続列車に701系が来て白けることが少なからずあり、それが阿武隈急行経由の限界でもありますが、今回は全区間国鉄形と同様の車両で移動できるわけです。
昭和末年の登場から早三十年近くを経たとはいえ、国鉄形の造りを残す車両としては最も若い年代です。いずれ置き換えられた暁には、東北本線と同様の安普請に成り下がるのが目に見えているだけに、乗れるうちにできるだけ乗っておきたいものだと思います。

★梁川1642/2977M/1804仙台
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 阿武隈急行

2016-12-18 16:06:24 | 東北
福島で向かいのホームに待機していた阿武隈急行の列車に乗り継ぎました。この列車に梁川まで乗り、そこから後続列車に乗り継ぐと、その列車が仙台まで直通するという寸法です。
かなりの確率で701系が充当され、仮に回避できても719系というお寒いばかりの東北本線に対し、こちらの車両は国鉄形と同様のクロスシートです。二段式のサッシも、金属製の内装も国鉄形と全く同様であり、2扉の客室は北陸の413系を彷彿とさせます。東北本線経由に比べて小一時間余計にかかるとはいえ、車両に雲泥の差がある以上、こちらを選ばない手はありません。

★福島1557/935M/1625梁川
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 踏破

2016-12-18 15:40:17 | 東北
再び電車に乗って福島へ戻ります。最後まで残っていた福島に立ち寄ったことにより、これで今年も全47都道府県庁の所在地を踏破したことになります。とはいえ山口を筆頭に、形骸に近い形のところが毎年いくつか出てしまうのは事実です。自分自身、県庁所在地に対するこだわりは年々失われつつあり、むしろ各県での活動をどれだけ充実させるかに関心が移っています。福島についていえば、会津に三回行けたのが何といっても最大の収穫です。花見についても二年ぶりに見頃と重なったのは幸いでした。

★飯坂温泉1530/52レ/1553福島
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 切湯

2016-12-18 14:41:14 | 温泉
駅から歩ける共同浴場は行き尽くしたと以前申しましたが、実は一つだけ残っていました。その「切湯」で一風呂浴びていきます。
純和風建築の「鯖湖湯」と「波来湯」を除き、コンクリート平屋建ての似たような佇まいをした飯坂の共同浴場ですが、こちらの雰囲気はかなり怪しげです。駅前の案内看板を頼りに、橋を渡って川沿いを歩いても、然るべき場所にそれらしきものは見当たりません。明らかに通り過ぎたと気付いたところで、100m手前との案内板があり、その距離を手がかりに来た道を引き返すと、旅館の隣に赤い屋根だけが顔を出している空間があって、そこに看板が建っていました。川の護岸に張り付くような形で建物があるため、屋根以下の部分が隠れていて気付かなかったわけです。
その建物は幅数m程度と細長く、これが本当に浴場なのかと半信半疑になってきます。階段を下りていくと、壁面には券売機が、その隣には窓口もあって、ここに間違いないのは事実のようです。とはいえ、この小さな建物に男湯と女湯を両方造るのは明らかに無理でしょう。これはどうしたことかと思いつつ周囲を見回すと、階段が隣の旅館の地下へ向かって延びており、それを下りたところに暖簾が架かっていました。つまり、旅館の地下室のような一角が共同浴場だったわけです。
このような立地ということもあり、外観は従業員用の施設か何かだったのかと思うほど殺伐としていますが、怪しげな雰囲気はこちらの好むところです。暖簾をくぐるとささやかな脱衣所があり、その向こうには三人程度入るのがせいぜいであろう正方形の浴槽があって、壁面の鉄パイプを伝ってきたお湯が注がれています。何から何まで異色の温泉ではありますが、掛け流される熱いお湯はまさに飯坂そのものでした。

★切湯
福島市飯坂町湯野切湯ノ上5
024-542-5223
600AM-2200PM
月曜定休
入浴料200円
泉質 アルカリ性単純温泉
泉温 56度
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 飯坂電車

2016-12-18 13:27:43 | 東北
福島で飯坂電車に乗り換えました。今時2両編成といえばまず間違いなくワンマン列車であり、中でも北陸ではワンマン化せんがため無理矢理2両に切り詰めるというあるまじき所業が罷り通っています。しかしこちらでは今なお車掌が乗務して、補充券を売ったり各駅で集札したりと忙しく立ち回っています。利用者無視の行きすぎた合理化が横行する中、人件費をかけてでも接客水準を維持しようとする姿勢は見上げたものです。

★福島1325/45レ/1348飯坂温泉
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - やまびこ49号

2016-12-18 13:01:06 | 東北
701系さえ避けられれば普通列車で行くにもやぶさかではなかったところ、予想通りというか何というか、ホームではわずか2連の701系が臆面もなく発車を待っていました。当然見送り新幹線で福島へ向かいます。860円の料金はかかるものの背に腹は代えられません。わずか14分で駆け抜ける圧倒的な速さを含め、料金に見合った価値はあるということにしておきましょう。
ちなみに磐梯熱海へ下りた頃から空が晴れだし、日本海側から太平洋側の気候へ変わったのを実感しました。ただし太平洋側とはいっても関東と違って雲が多く、その隙間から時折日が射してくるところが中通りならではです。

★郡山1257/やまびこ49(49B)/1311福島
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - あさか

2016-12-18 12:40:56 | B級グルメ
郡山での磐越西線から仙台・山形方面への接続は非常に理想的で、毎時10分前後に上り列車が到着すると、19分に「やまびこ・つばさ」が発車します。しかし、郡山の駅には要衝特有の雰囲気があり、素通りするのは惜しまれます。あえて一本見送って、小一時間後の「やまびこ」で下ることにしました。
これによりほどよい間合いができたため、お昼に駅そばをいただいていきます。注文はきのこ三昧そば490円也。揚げ立ての舞茸と大ぶりななめこが気前よく盛られた一品です。

あさか
JR郡山駅構内
730AM-2000PM
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 磐越西線

2016-12-18 11:11:23 | 東北
酒を買って駅に戻ると、折り返し郡山行となる列車が頃よく入線してくるところでした。着席が微妙な4両編成という条件の中、幸いにして最後に一つ残った先頭車両のボックス席を確保。途中駅での乗車がほとんどないのは経験上分かっています。立ち客が出ない程度のほどよい乗車率で済みそうです。

★会津若松1108/3236M/1212郡山
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 渡辺宗太商店

2016-12-18 10:42:54 | 酒屋
散策がてら宿から駅まで歩いてきました。乗車の前に、毎度おなじみ渡辺宗太商店で酒を買います。
かつてはこの時期に立ち寄ると「飛露喜」の生原酒が当然のように入荷していたものです。しかるに年々入手が難しくなり、開店前に整理券を配布する形となったのが五、六年ほど前だったと記憶しています。その整理券の争奪戦も熾烈を極め、今や四時から並んでも手に入らないという話を「籠太」の女将に聞きました。こうなってしまっては取り付く島もなく、呑み屋で一杯いただければそれで十分と割り切っているのが実情です。
ただし店の側としても救済策を用意しており、ポイントカードで10点貯まると購入権を得られるという仕組みがあります。今回酒一本と味噌、三五八を買って3点集め、これにて9点となりました。来年戻ってくるときまでにはおそらく10点を超えるでしょう。10点集めたお客が集中した場合どうなるのかという疑問は残るものの、今のところこれが最も現実的な手段です。来年は久方ぶりに「飛露喜」を持ち帰れるかもしれません。

渡辺宗太商店
会津若松市白虎町1番地
0242-22-1076
900AM-1900PM
火曜定休
コメント

年の瀬の会津を行く 2016 - 二日目

2016-12-18 08:57:30 | 東北
おはようございます。この時期の会津らしく、窓の外には鉛色に曇った空が広がっています。どうやら若松に長居する必要はなさそうですが、その一方で呑み屋にだけ寄って終わりというのも惜しく、先を急いだところで時間を持て余してしまうのが実情です。10時前の列車は見送り、一本遅い列車で出発します。
コメント