日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国九州縦断ツアー 2016続編 - 桃若

2016-12-24 22:48:43 | 居酒屋
連泊でもない限り「安楽子」には寄りたいと申しました。それと並んで必ず寄りたい店がもう一つあります。三軒目は毎度おなじみ「桃若」です。
おでん以外の肴はなく、そのおでんも心底感動するほどの味ではありません。それにもかかわらず必ず寄りたいとまで思わせるのは、思案橋の横丁にある古びた店の雰囲気と、店主、女将、若主人の三人による軽妙洒脱な客あしらいのためでしょう。教祖御自ら、ここには必ず寄ると公言しているのも頷けます。

今回は暖簾をくぐるやいなや予想外の展開が。こちらがカウンターの片隅に着席するやいなや、先ほどはとの声がどこからともなくかかったのです。見れば「安楽子」で隣り合わせた独酌の青年でした。あちらでは言葉を交わすことなく終わったものの、県外からの一見なのはおよそ察しがつきました。ただし年代からしても、教祖に感化されたというより、口コミサイトの類で知ったのだろうと想像しました。独酌にしては珍しく社交的で快活なのは、隣にいてもありありと分かり、たまにはこちらから声をかけてみるかと思いながらも、そう思ったときにはあちらが最後の一口を飲み干そうとしており、出かけた言葉を飲み込んだという顛末です。
それがまさかの巡り合わせで鉢合わせた以上、青年の隣に移り、再会を祝して乾杯という流れになりそうなところ、ここで再び踏みとどまりました。というのも、青年が隣り合わせたお姉さん三人組とすっかり意気投合しており、むくつけき中年男が割って入るのは申し訳ないように思われたからです。行きずりの酒場で賑々しく酒を酌む様子はさしずめ「酒場放浪記」の世界であり、こちらとは対極に感じられたという事情もあります。一人酒場で呑むといえば、まず例外なく中高年であり、なおかつ自分と同様口数は少ない人間が多いものです。こちらの予想に反し、教祖の著作で知ったというのが青年の弁ではありますが、信者にしてはきわめて異色の人物です。
もう一組いた先客が去り、残ったのは青年とお姉さんと自分だけになりました。今回は短い間隔の再訪であり、店主、女将と若主人に一言挨拶できれば十分です。あとは若い方々で気兼ねなくやっていただくのが一番でしょう。徳利を一本空けたところで切り上げ、「よいお年を」と一言交わして辞去しました。

桃若
長崎市本石灰町3-1
095-823-3392
1730PM-2400PM

櫻正宗
特製蒲鉾
厚揚げ

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