日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

冬枯れの京都を行く 2016 - つるきそば

2016-12-03 23:39:39 | B級グルメ
一軒で腹も心も満たされながら、遠路はるばる来た以上、その一軒限りで切り上げるのも惜しまれ、結局二軒目へ飛び込むという展開はよくあることです。腹ごなしをするつもりで一旦宿に退却し、そのまま力尽きることもしばしばあります。しかし今日の気分はどちらでもありませんでした。歳のせいでもあるのか、身体がこれ以上の酒を欲していないのです。そのまま二軒目へ飛び込む余力もなければ、腹ごなしして出直す気力もなく、一軒で切り上げるのは惜しいという心情だけが残りました。ならばどうするかと考えたとき、浮かんできたのは呑み屋街にある深夜営業のそば屋でした。その「つるきそば」で当地の名物おろしそばをいただきます。

つるきそば 佐佳枝支店
福井市順化1-5-7
0776-24-6352
800AM-130AM
おろしそば520円(2200PM以降一割増)
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冬枯れの京都を行く 2016 - 紋や

2016-12-03 20:39:42 | 居酒屋
結局落ち着くべきところへ落ち着きました。「紋や」の暖簾をくぐります。
経験上、九時を過ぎれば店が空いてくるのは分かっていました。そうすると、どこかで軽く一杯ひっかけてから「紋や」へ行くのが順当ということになります。しかし、その九時まであと一時間を切る状況に至り、そのまま乗り込むのも一案のような気がしてきました。なまじ一杯ひっかけてから行くことにより、腹具合は中途半端にならざるを得ないからです。そこで、まず「紋や」をのぞいてみて、運よく空いているようなら入り、そうでなければ軽く一杯やってから出直すという方針を立てました。そして現地に乗り込んだところ、店先にタクシーが横付けされていました。これは今からお客が出てくるということに他なりません。近くを一周してしばらくやり過ごし、しかる後に店へ戻ると、先ほどのタクシーは走り去っていたため、ここで満を持しての入店と相成りました。

先週末、清水の「そ乃田」を訪ねたとき、よい店ではある、しかしズバリこれだといえる品までは見当たらないと、僭越なことを申しました。その点、これだといえる品がこの店には揃っています。冬の北陸へ来た以上、まずは何といっても刺身でしょう。注文した盛り合わせは鰤、ノドグロの双璧を主役に鯖、真イカ、メジマグロ、バイ貝を加えた六品。彩りと季節感と北陸らしさに満ち満ちて、もちろん味わいについても申し分ありません。今回特に感服させられたのは鯖です。刺身で提供するということは、いかに鮮度が高いかということでもあります。ただし鮮度が高いとはいっても、歯応え一辺倒の関鯖とは違い、ほどよい旨味と食感を持っていて、青魚の生臭さも味わいをむしろ引き立てています。
この刺身に続いて地鶏の串焼きと油揚げをいただくのが、この店における自分なりの定跡であり、はしごをする前提ならそこで切り上げるべき状況ではあります。しかし、久々に万全の状態で入れた以上、今回はこの店でとことん飲み食いしたくなったとでも申しましょうか。そうなるとまず目に付くのは、品書きの筆頭にあるセイコガニの文字です。小が1800円なら手が出ない値段ではありません。しかしこちらは花より団子、もとい蟹より酒の人間です。もう一杯やるなら何にするかという観点から、選んだのは一見何の変哲もない湯豆腐でした。しかしさすがというべきか、湯豆腐の出汁一つとっても家庭の味とは別次元です。残った出汁で雑炊をいただき、二時間超の長丁場を締めくくります。

ちなみに、席に着くなり店主からは挨拶とともに詫びの言葉が。先ほど電話を入れたとき、名乗ったわけではないにもかかわらず、こちらの素性を察していたということです。名乗る前から察してもらえるといえば「籠太」ですが、この店も同様の域に入ってきたようです。今回も見送りを受けつつ辞去しました。

紋や
福井市中央3-4-6
0776-23-0040
1700PM-2400PM
日曜定休(祝日の場合は営業し翌日休業)

常山・早瀬浦二合
突き出し(里芋豆腐)
お造り盛り合わせ
地鶏四種焼き
竹田のあげ焼き
湯豆腐
塩うに(おごり)
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冬枯れの京都を行く 2016 - 難航

2016-12-03 20:04:33 | 北陸
早々に始めるつもりが、今夜は難航しています。宿に一旦退却してきました。
ここまでの経過を申しますと、まず宿を出る前に「紋や」へ電話を入れました。予約客で混むのは容易に予想できたものの、その一方でこの店に万全の状態で臨みたいという考えもあり、念のため電話一本入れてみて、運よく入れるようならそのまま行き、振られれば遅い時間に出直すという方針を立てたわけです。よって満席との返答は想定の範囲内でした。次に向かった「かっぱ」が満席だったのも、人気店である以上想定の範囲内です。しかしそこから先が誤算でした。
当てにしていた二軒に振られた結果、福井で久々に新規開拓の必要に迫られ、呑み屋街を今一度歩いてみました。しかし、これはと思った店へ飛び込むと、またしても満席で振られるという結果に。一目見て満席と分かる状況ならともかく、「かっぱ」にしてもその店にしても、空席があるにもかかわらず予約満席という状況です。こうなると敗北感もなおさら大きいものとなります。さらなる候補が見当たらないわけではなかったものの、同じ形で三軒立て続けに振られると、どうしても疑心暗鬼にならざるを得ません。四軒目に突入する決断ができないまま、呑み屋街を彷徨い歩いて一時間以上を空費しました。そのような紆余曲折の末、今日は巡り合わせが悪すぎると見て、ほとぼりが冷めるまで待つ方針に転換した次第です。
一息入れたところで八時を回りました。開店直後に入ったお客がそろそろ席を立つでしょう。少なくとも予約満席という事態だけは避けられるのではないでしょうか。先ほど歩いた中でおおよその目星はついたため、気を取り直して暖簾をくぐってみます。
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冬枯れの京都を行く 2016 - ホテルフクイキャッスル

2016-12-03 17:18:29 | 北陸
そのようなわけで本日は早々と宿に入りました。今回世話になるのは定宿のホテルフジタ、ではなく「ホテルフクイキャッスル」です。
定宿から宗旨替えをする場合は、混雑か料金のいずれかが理由となるのが常であり、今回については後者でした。室料が六千円、朝食付で七千円少々というのが本日の料金であり、内容を考えればあながち高くはないものの、無条件で選んでいた当時ほどの圧倒的な優位性がなかったのです。そのような状況において代わりの選択肢を模索した結果、行き着いたのがこの宿でした。そしてこの選択は吉と出ました。

素泊まりで四千円台、朝食付でも五千円台の前半という格安の料金と、和室に泊まれることが決め手となって選んだ宿であり、それ以上の期待は特にしていませんでした。しかしまず立地が非常に秀逸でした。その名の通り福井城址の堀端、それも県庁の裏手の、散歩客が時折行き交うだけの静かな場所です。ホテルフジタに比べて呑み屋街には若干遠くなるものの、徒歩時間にすれば二、三分程度の差に過ぎません。閑静な立地と引き替えにしたものと思えば、全く気にならない程度の違いです。
立地に加えて雰囲気も上々です。交通量の少ない生活道路の側に玄関があり、フロントの先には吹き抜けのロビーがあって、大きな窓の外に石垣が見えるという造りに感心させられました。必ずしも豪華なわけではなく、年季もそれなりに入ってはいるものの、今時の無味乾燥なビジネスホテルとは一線を画した、居心地のよい空間です。
部屋がこれまた秀逸でした。バスなしの六畳間という条件から、それなりの割り切りは必要かと思ったところ、割り当てられたのは濠に面した一室で、窓の外には残照に染まった西の空と、それを映した濠の水鏡が広がっていました。その残照が弱まるにつれ、天頂に三日月が浮かび上がるという場面の変化も印象的です。高層階から市街を見渡すホテルフジタの眺望も見事だったとはいえ、眺めのよさは高さではないことをこの部屋の眺めが教えてくれます。
この眺望はもちろんのこと、入念に手入れされた和室の居心地は申し分なく、さらに朝晩両方入れる大浴場まであるとは何ともありがたい限りです。料金、立地、居心地、眺望を兼ね備えた宿という点では、金沢の木津屋旅館と並ぶ今年の双璧と言い切りましょう。
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冬枯れの京都を行く 2016 - しらさぎ9号

2016-12-03 14:58:41 | 東海
金華山の麓の城下町を軽く流して切り上げました。「しらさぎ」で福井へ向かいます。
一点の曇りもない快晴だけに、列車に乗るより撮りたいのはやまやまでした。午後向きの撮影地の心当たりもありました。しかしそこへ行くには大垣で再び自転車を借りなければならず、しかも線路の方角と日の入りの時刻を考えると、実質的な持ち時間は一時間あるかどうかと予想されました。そのような状況において、自転車を延々漕ぐのがためらわれたとでも申しましょうか。大垣まで行ってはみたものの決断しきれず、福井まで明るいうちに乗り通せる方を選びました。特急銀座の北陸本線も、数年後には新幹線の延長により有名無実化する運命だけに、乗車の機会もまた貴重には違いないのです。
これにより福井には四時前に早々と着くことになります。投宿して一風呂浴びても五時には呑み屋へ入れる状況です。とはいえ近年は宵から深夜まで飲み歩く体力がなくなってきました。長い夜をどう活かすかが思案のしどころとなりそうです。

★岐阜1407/5329F/1419大垣1422/しらさぎ9(9M)/1559福井
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冬枯れの京都を行く 2016 - 丸デブ総本店

2016-12-03 12:04:23 | B級グルメ
岐阜で列車を降り、不要な荷物をロッカーに預け、自転車を借りて市内へ向かうと、「丸デブ」に着いたのが開店3分前でした。既に見切りで開いているのはこの店の常です。その時点で席があらかた埋まっていることについても。わずかな空席に相席で滑り込むと、それから10分も経たないうちに、今度は相席すら難しくなり、店の外に待ち客が出始めました。あとは混む一方かと思いきや、30分経った頃にはお客が一巡し、一瞬とはいえ空いたテーブル、小上がりも出てくるという経過です。
こちらが入った時点で既にそばをすすっているお客がいたということは、定刻の5分、あるいはそれ以上前から店を開けているのが実態なのでしょう。それに加え、開店前から並んだお客が殺到する結果、開店直後は混む一方、それが一巡すれば多少は落ち着くということも分かりました。そうだとすれば横須賀の「銀次」と同様、開店時間をあえて避け、お客が一巡するのを見計らって行った方がよさそうではあります。しかし、あまりに引き延ばすと今度は昼時に重なって混み合うのが必至です。落ち着くとはいっても気休め程度の違いでしかないだけに、いずれにしても早めに行っておくのが賢明なのかもしれません。

今回は懸案だったワンタンを中華そばとともに注文。まずワンタンが出て、それを半分弱いただいたところで中華そばが運ばれてきました。同時に出せば一方が冷めるのを見越した上で、あえて時間差をつけているのでしょうか。何分初見だけに真相は不明ながら、結果としては助かりました。
巷で耳にした通り、ワンタンはの具はかなり控えめであり、具よりも皮の味と食感を楽しむものなのは明らかです。つまり極論すればワンタン自体が炭水化物そのものということであり、品書きにワンタンメンがない理由についても納得できます。これなら一個、二個というより一枚、二枚と数えた方が適切でしょう。ただし中華そばと同様丼から溢れんばかりにスープが満たされ、その中に大量のワンタンが折り重なっているため、実際に何枚あるかは数えようがありません。ワンタンで腹が満ちるものかと半信半疑だったところが、中華そばと比べても物量感に全く遜色はありませんでした。それ故に終盤は飽きてくるのが実情で、どちらか一方で十分というのが率直な感想ではありますが、両方いただくことで気付いた事実は少なくありませんでした。
もう一つ気付いたのはチャーシューの秀逸さです。味付けが濃く、歯応えと肉の旨味も十分で、大量のワンタンとそばをすすって単調になりがちな中、このチャーシューが絶妙な変化を与えてくれました。とびきりおいしいわけではない、しかし時折無性にいただきたくなる中毒性こそ「丸デブ」の真骨頂というのが私見ではありますが、このチャーシューには万人受けする普遍性があります。これほどのチャーシューを作りながらチャーシューメンすら一切置かず、中華そばとワンタンの二品だけで勝負する潔さも天晴れです。

丸テブ総本店
岐阜市日ノ出町3-1
058-262-9573
1100AM-1800PM(売切御免)
6・16・26日定休
中華そば・ワンタン各400円
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冬枯れの京都を行く 2016 - 小春日和

2016-12-03 10:32:09 | 東海
二時間弱粘って切り上げました。今から岐阜へ向かえば「丸デブ」が開くのと同時に乗り込めるという寸法です。
ちなみに現在の気温は12度で無風、小春日和と形容するにふさわしく、機材を担いで歩くうちに軽く汗ばんできました。中華そばをいただけばさらに汗をかくでしょう。それを見越して半袖シャツに着替えます。

★木曽川1025/3319F/1031岐阜
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冬枯れの京都を行く 2016 - 御嶽山

2016-12-03 09:09:34 | 東海
この歳になって今更気付いたのは、豊橋を通過して少し走ると御嶽山が見えてくることです。それも一瞬ではなく、名古屋を出ても冠雪した山頂が彼方に見えています。この好天に誘われ木曽川のお立ち台にやってきました。
木曽川を渡った列車が築堤を下りてくるところを、左カーブの内側から狙うのがここでの絵柄です。空は雲一つない冬晴れ、彼方の山頂には豆粒のような岐阜城も見えています。光線状態も申し分ありません。絵柄が紋切り型な上に、通過するのがほぼ313系のみで、単調なのが玉に瑕ではありますが、6両、8両の列車がひっきりなしに行き交うところは、さすが天下の東海道本線です。

★名古屋755/3317F/814木曽川
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冬枯れの京都を行く 2016 - 住よし

2016-12-03 08:00:39 | B級グルメ
乗り継ぎの合間にお約束のきしめんをいただきます。五本あるホームにきしめんのスタンドが居並ぶ光景は名古屋ならではですが、中央にある東海道線の下りホームだけ小ぎれいに、悪くいうと安っぽく改装されているのが惜しまれます。

★住よし
名古屋駅5-6番線ホーム
700AM-2130PM
きしめん350円
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冬枯れの京都を行く 2016 - のぞみ291号

2016-12-03 06:30:16 | 関東
まずは名古屋へ移動します。始発の6分後を行く新大阪行に乗り込みました。
福井に寄ってから京都へ行く場合、経路上最も無駄がないのは北陸新幹線経由であり、その方が運賃も安くなります。しかるに東海道新幹線を経由するのは、先日素通りした岐阜に寄るという目的もさることながら、総支出ではこちらの方が安いからです。これは偏に北陸新幹線の料金が割高だからで、会社別に分断された料金体系の弊害が如実に現れています。

それにしても日の出が随分遅くなりました。自宅を出た五時台は東の空が明るくなり始めたばかりで、それから小一時間経っても朝日が顔を出しそうな気配はありません。とはいえご来光を拝むには頃合いともいえます。
都内を基準にした場合、日の入りの時刻は今が一年中で一番短く、先月の28日から今月の12日までの間が16時28分です。これに対して日の出は今も一日につき一分の割合で延びてきており、今日は6時34分で、元日以降の6時51分が最も遅くなります。これからは日の入りの早さより日の出の遅さを実感する場面が増えてくるでしょう。

★東京606/のぞみ291(9291A)/742名古屋
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