日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国九州縦断ツアー 2016 - 菜々かまど

2016-11-21 22:24:23 | 居酒屋
再び宿に退却すると、雨は傘が要らない程度にまで弱まってきました。今度は手ぶらで出直します。満を持して訪ねるのは「菜々かまど」です。
小恥ずかしさもあり、満席で振られた店をその日のうちにもう一度訪ねることは好みません。しかるに今回節を曲げたのは、昨年この店に一度も立ち寄れなかったという事情によります。今回を逃せば少なくとも三年もの間が空いてしまうわけで、そのような事態は受け入れがたいものがありました。
何度か足を運んで勝手は分かっているつもりでも、二年半もの間が空いてしまうと、自覚する以上に不慣れな部分が出てきます。今回も暖簾をくぐるやいなやそのような場面が。玄関をくぐって扉を閉め、最初の一歩を進んだところで、そこに段差があるのを忘れて躓いたのです。目の前に二つ並んだ醤油さしも、どちらが甘口でどちらが辛口だったか失念してしまい、白い方が甘口だとお姉さんの指南を受ける結果となりました。
そのような失態はありながらも、L字のカウンターで酌む二年ぶりの酒は格別です。両端にそれぞれ一組いた先客は相次いで席を立ち、店内は貸切状態となりました。これでこそわざわざ舞い戻ってきた甲斐があったというものでしょう。一合のお銚子を空け、看板まであと少しの時間を残したところで辞去します。

菜々かまど
鹿児島市山之口町10-18
099-225-7588
1800PM-2330PM
日祝日定休

八幡
突き出し(レバーの味噌炒め)
とり刺
焼なす
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中国九州縦断ツアー 2016 - 分家無邪気

2016-11-21 20:49:15 | 居酒屋
宿に一旦退却して一息入れると、八時を回ったところで予報通りに雨が弱まってきました。雨合羽は宿に残し、傘だけ持って出直します。続いて訪ねるのは「分家無邪気」です。
昨日の今日でと思われるかもしれません。自分自身芸がなさすぎだろうとは思いました。しかし「菜々かまど」へ行こうにも、七時前で予約満席だったことからして、八時台では依然として微妙と予想しました。落ち着くのを待つ合間にどこかで軽く一杯やろうと考えたとき、他の店に先んじて浮かんだのがこの店だった次第です。
というのも、昨日おでんを肴にもう一杯やろうかと考えていたところ、八時を前にお客が立て続けに入り、ここは席を譲った方がよかろうと考えて、喉元まで出かかった注文を飲み込み席を立ったのです。つまり昨日逃した分を今日取り返そうという考えがありました。

昨晩はL字のカウンターの中でも正面より側面の方が吉という仮説を立てました。そして二夜連続で乗り込むと、幸運にも側面の一角に空席が。通されたのはカウンターの一番奥です。しかし「隣の芝は青い」の諺通り、側面に回るとこちら側の難点にも気付いてきます。一番端に着席すると、主役のおでん舟が正面ではなくやや右寄りに来る形となるばかりか、一升瓶が並んだカウンターの背面に対して垂直の位置関係になるため、どのような酒があるかを見分けることができません。加えて背後に厨房の出入口があり、そこを接客の青年とお姉さんが頻繁に出入りするため、いささか落ち着かないという難点があります。とはいえ、やや右手でおでん舟が湯気を立て、その奥にある焼き台で串が仕上げられていくという光景は、昨日正面側から想像したのとおおむね一致していました。TVの音量が気にならない程度の距離が保たれるという点でも、こちら側に利があるのは間違いがないようです。

上記の通り、昨日逃したあと一杯、あと一品をいただくことに主眼があり、豪勢な鶏刺しを昨日の今日で注文するつもりはありません。突き出しの枝豆と味噌おでん三品を肴に焼酎を二杯飲み干し、小一時間の滞在で切り上げると、お愛想はまたも千円台の後半でした。腰を据えてたらふく飲み食いするもよし、おでんを肴に軽く一杯やってもよしという懐の深さは、横綱相撲と形容するにふさわしいものがあります。アンチ巨人を除く万人に、自信を持って勧められる一軒です。

分家無邪気
鹿児島市東千石町11-4
099-222-4976
1700PM-2300PM(LO)
第二・第四月曜定休

伊佐美・岩いずみ
突き出し(枝豆)
おでん三品
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中国九州縦断ツアー 2016 - 大安

2016-11-21 18:49:19 | 居酒屋
呑み始めるのが早ければ早いほどよいわけでもないのは経験上分かっています。本日も余裕綽々で天文館へ乗り込んだところが、いきなり足をすくわれました。
誤算だったのは、一軒目はここしかないと思っていた「ぶんご」が何故か閉まっていたことです。臨時休業で振られたことは過去にもあります。しかしそのときと違って今回は張り紙がありません。行灯はそのままであり、暖簾もしまわれている以上、店を畳んで退去したわけではなさそうですが、親方に何かあったのかかが気にかかるところです。しかし今日のところは致し方がありません。目標を切り替えて向かったのが、二軒目に予定していた「菜々かまど」です。ところが今度は予約満席で振られるという結果に。当てにしていた二軒に揃いも揃って振られるというまさかの滑り出しとなりました。
もちろん、たかが一軒、二軒に振られたところで代わりの選択肢は無数にあります。しかるに本降りの雨にもたたられ、店を探し求めて歩く気力が湧かなかったとでも申しましょうか。そのような状況において、活動仲間が絶賛していた店が近くにあったため、急遽そちらへ飛び込みました。訪ねるのは「大安」です。

「のり一」がある二本松馬場通りと、それに直交する二官橋通りの交差点に店があります。鶏を売り物にした店なのは当人からの情報により承知していました。しかしそれ以外には未知数な部分も多々あります。当たるも八卦、当たらぬも八卦の心境で飛び込むと、インドかパキスタンかと思しき彫りの深い顔立ちの青年とお姉さんが店を仕切っており、L字の角を切り取った一席分の区画に案内されました。
取り急ぎ縦長の品書きに目を通すと、「おすすめ三品」とされるもも焼、とり刺、鳥皮サラダを筆頭に、刺身、天ぷら、串焼き、鍋物などが一品につき一行で整然と並んでいました。一人客限定のもも焼、とり刺の「半々セット」なるものがあったため、まずはそちらを手堅く選ぶという経過です。
そのもも焼ととり刺は、二品合わせて650円とは思われないほど気前よく盛られてきました。他のお客も十中八九はこれらを注文しており、「三つ」と注文すれば鳥皮サラダを加えた三種の神器が運ばれてくるという仕組みのようです。後から隣に入った一人客は、席に着くなり「皮サラダに半々セット」と注文しました。一人客から大人数まで、老若男女問わない地元の常連客で賑わう店内の雰囲気は好ましいものがあります。店主らしき人物を筆頭に、手伝いのおばちゃん、彫りの深い青年とお姉さんが何人も配置され、万全の布陣が採られているのも名店の証といえそうです。

唯一惜しまれるのはカウンターからの眺めがよろしくないことです。L字のカウンターの側面に炭火があるらしく、カウンターとの間に仕切壁があるため、折れ曲がった場所から先は壁に向かって呑むような形となり、正面にも比較的高い場所にネタケースがあるため、どこに着席しても総じて眺めは今一つなのでしょう。それだけに、一人しみじみ酒を酌むには画竜点睛を欠くというのが率直な印象です。
とはいえ、この店にそのようなものを求めるのは筋違いともいえます。一人で呑むことを前提にするのであれば、三種の神器を肴に軽く一杯やって切り上げるのが、この店における最もふさわしいあり方のような気がしました。そのような考えに基づき小一時間で席を立ち、お愛想は〆て千円台の後半という結果です。日参する地元客が安く手軽に酔うのであれば、これ以上の店はないかもしれません。よそ者たる自分にとっては、毎回必ず立ち寄りたいとまでは思われないのが実情ではありますが、仲間が絶賛する理由については宜なるかなと得心した次第です。

大安
鹿児島市山之口町9-1 野添ビル1F
1800PM-2400PM(LO)
日曜定休

紫尾の露
突き出し(蓮根)
半々セット
鳥皮サラダ
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中国九州縦断ツアー 2016 - 雨の天文館

2016-11-21 17:08:44 | 九州
鹿児島駅で列車を降り、電車に乗り換えて宿に戻りました。昼を抜いた効果もあり、次第に空腹感が戻ってきました。結びの一番まで見届けて一風呂浴びれば、万全の状態で天文館に乗り込むことができそうです。
それはよいのですが雨がますます強くなってきました。七時頃には弱まるというのが最新の予報ではありますが、多少は前後することもあるでしょう。このまま降り続くようであれば、今夜は機材を置いて出かけるつもりです。
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中国九州縦断ツアー 2016 - きりしま13号

2016-11-21 15:38:52 | 九州
二時を回ったところでホームへ上がると、往路と同じハイパーサルーンの「きりしま」が入線してきました。次いで隣のホームに大分からの「にちりん」が到着し、ハイパーサルーンの揃い踏みが実現。あちらが走り去った後、雁行する形での発車です。

★宮崎1416/きりしま13(6013M)/1619鹿児島
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中国九州縦断ツアー 2016 - 徒手空拳

2016-11-21 13:49:22 | 九州
予報通りに雨が本降りになってきました。中心街まで数分歩くのもためらわれ、徒手空拳のまま駅に戻ってきたところです。
あくまで本降りであって土砂降りではありません。しかし、朝食をたらふくいただいてさほどの空腹感もない中、半ば義務感で何かをいただき、あまつさえ夜の部にまで響くようでは何もならないと思い至りました。駅の土産物屋で柚子胡椒だけ買い求め、これをせめてもの罪滅ぼしとします。日之影産の柚子を使い、塩分を控え柚子の風味を引き出した自信作で、遠方からはるばる買いにくる人々もいるという触れ込みです。帰り次第早速晩酌で試してみます。
それにしても、宮崎では去年に続き雨に降られて散々でした。一昨年も辛うじて持ちこたえたものの、今にも降り出しそうな曇り空でした。このところ毎年雨に振られている長崎と同様、宮崎でも天候には恵まれない状況が続いています。雨さえ降らなければ多少なりとも時間の使い道はあったのですが。まあ運に左右される部分が大きいだけに、来年こそは晴れてくれると期待しましょう。
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中国九州縦断ツアー 2016 - 宮崎到着

2016-11-21 12:46:46 | 九州
宮崎に着いたはよいのですがやることがありません。宮崎といえば古きよきMOSがいくつか残る街であり、特に川向こうの店舗は自転車を借りればどうにか訪ねることもできます。今のところ雨も傘が要らない程度の小降りです。しかし片道20分はかかることが経験上分かっています。途中で本降りになる可能性も考えると、蒸し暑い中わざわざ行く必然性までは感じられません。昨日の大分に続き、不本意ながらただ行って戻るだけに等しい結果となりそうです。朝食をたらふくいただいたため、空腹感もほとんどないのが実情ではありますが、せめてもの罪滅ぼしにラーメンかチキン南蛮でもいただいていこうかと考えています。
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中国九州縦断ツアー 2016 - きりしま8号

2016-11-21 10:12:54 | 九州
電車で駅に移動し宮崎行の「きりしま」に乗り込みました。運用につくのはハイパーサルーンこと783系です。前回も全く同じ列車に乗りました。しかし今更ながら気付いたことがあります。ハイデッカーの展望席になった先頭車が自由席となっていることです。しかるにそう気付いたときには既に遅く、最前部の特等席は既に埋まった後でした。
宮崎に二時間ほど滞在して引き返すと、帰りの列車に同じ編成が入ることは前回の経験から分かっています。しかし今度はグリーン車が先頭となるため、この展望席を狙うなら事実上往路しかなかったわけです。展望席は当然グリーン車だろうと思い込んではいたものの、よくよく考えれば下りの「スーパーはくと」の例もあります。特等席に乗れる機会を予断によって逃してしまったのは残念です。
とはいえ、ハイデッカーの恩恵もあるのか、最前部には及ばないものの前方の展望はあながち悪くありません。加えて右手に広がる錦江湾と桜島の眺めも上々。あいにくの空模様ではありますが、二時間あまりの移動に退屈することはなさそうです。

★鹿児島中央959/きりしま8(6008M)/1209宮崎
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中国九州縦断ツアー 2016 - 出発

2016-11-21 09:30:55 | 九州
朝風呂を浴び、朝食をいただいてから出発します。かねてから絶賛している法華クラブの朝食ですが、今回改めて感心させられたのは圧倒的な品数です。たとえば玉子だけでも生卵、温泉玉子、明太入りの出汁巻きにスクランブルエッグと四種あり、汁物は味噌汁、薩摩汁、芋煮、鶏飯の四種、薩摩揚げも三種が揃っています。ひじき煮、切干大根などの惣菜に加えて漬物も各種が揃い、それだけでも十分な野菜がとれてしまうため、サラダバーについては形骸化している感さえあるほどです。品数がここまで多いと当然ながら取捨選択せざるを得ませんが、そこらの宿ならおかずの中から二、三品を省き、その他を一通り選ぶというのがありがちな流れのところ、ここではざっと半数近くの品を見送っている見当になるでしょうか。ならば明日は残りの半分をいただくかというと、翌日は翌日でかなりの品が入れ替わるため、またしても取捨選択の悩みを抱えることになるわけです。結局今日はおかずと汁物だけですっかり満腹となり、果物、デザートの類にはたどり着きませんでした。今日は昼を抜いてもよさそうです。
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中国九州縦断ツアー 2016 - 三日目

2016-11-21 07:46:19 | 九州
おはようございます。昨夜も非常に蒸し暑く、宿に戻った後風呂に入り直してから休みました。目が覚めると外には雨が降っていました。降り出しが早まったのかと思いきや、朝は朝で、午後は午後でそれぞれ降るというのが最新の予報となっています。しかも最高気温は23度です。湿度のせいで気温よりも数段うっとうしく感じられる傾向を考えると、今日もかなりの汗をかくでしょう。そのような中、宿の大浴場でいつでも汗を流せるのは助かりますが、このまま汗をかき続ければ着替えが足りなくなってきます。今夜はコインランドリーに頼らざるを得なくなるかもしれません。
天気がよければレンタカーで薩摩半島にでも行くつもりでいたところが、これでは当然話になりません。今日は列車に乗って宮崎との間を往復するだけとなります。あちらへ着いた頃に再び雨が降り出すとの予報につき、昨日の大分と同様、ただ行って戻ってくるだけのお粗末な内容となる可能性が大です。二晩続けて天文館で呑めるのがせめてもの救いといったところでしょうか。昨晩以上に長い夜となりそうです。
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