日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

無欲の姿勢

2016-02-26 21:44:08 | 旅日記
沈黙の春の足音は日増しに高まり、とうとう二月最後の週末が迫りました。北海道新幹線の開業までは29日、在来線の最終運転日までは24日で、週末を二回はさめば最終日を含む三連休となります。北陸新幹線の開業前も、あと一月を切った頃から同業者の数が目に見えて増えたことを考えると、ここらが一つの潮時でしょう。今度こそ正真正銘最後のつもりで函館へ旅立ちます。
今回の活動の主題は二つあります。一つは「スーパー白鳥」の撮影であり、もう一つは前回素通りに近い形となってしまった函館の再訪です。初日はレンタカーを借りて津軽線沿線で撮影し、翌日函館に渡って半日滞在してから帰路につくというのが全体の構成になります。

新幹線開業前最後と位置づけたにもかかわらず、前回ほどの悲壮感はありません。というのも、「スーパー白鳥」自体はフィルムで何度か撮っており、最後にデジタルでも記録しておきたいという程度の考えしかないからです。そもそも、一年前に追い続けた国鉄特急色の485系などと違い、「スーパー白鳥」には趣味的にさほどの面白味がありません。昨秋北海道からの帰りに青森を通ったときも、「スーパー白鳥」には目もくれず弘南電車などを撮っていたわけです。その程度の関心しかなかった以上、直前に慌てて撮りに行くこと自体主義に反します。現地には通い慣れた撮影地もなく、一度で完璧に仕留めようなどと虫のよいことを考えているわけではありません。どちらかといえば、前回の函館が予期せぬ出来事の連続であまりに呆気なく終わってしまったため、最後にもう一度だけ行っておきたいという考えの方が強く、撮影はそのついでといっても過言ではないのが実情です。

このような状況だけに、撮影に関してはそれほど意気込んでいるわけではなく、万一「激パ」で取り付く島もなければ潔く撤退してもよかろうと考えています。ただし、目玉になる列車が少ないこと、遠隔地であることなども考慮すると、北陸新幹線の開業前より空く可能性はあっても混む可能性は低いかもしれません。「北斗星」を追った去年の初夏のごとく、無欲の姿勢が好結果につながることだけ密かに期待しています。
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