日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い函館へ - 帰着

2016-02-28 23:29:44 | 北海道
帰宅しました。白河の関を越えて関東平野に戻ってきたとき、路面が濡れているのを車窓越しに眺めて、こちらが雨だったと今更知りました。出発時の青空は長続きしなかったのでしょうか。青森も函館も終始穏やかな好天だったわけで、北国へ向かったのは天候面でも正しい選択だったということになります。今日の記録を読み返すと、「有終の美」という言葉を何度も繰り返していることに気付きました。それほどまでによい形で締めくくれたことに感謝しています。
北陸新幹線の開業前は、最後の汽車旅を終えた後、さらに車を使って最終日まで列車を追い続けました。しかし今回そこまでするつもりはありません。在来線の最終運行日を含む三連休は遠く離れた山陰で迎え、その間に小旅行を二度挟む予定です。来る週末は、今のところ土曜が晴れて日曜が雨の予報となっています。小雨で済むなら北陸へ行き、そうでなければ先週末と同様日帰りの活動となりそうです。
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春まだ浅い函館へ - はやぶさ38号

2016-02-28 20:13:08 | 北海道
鉄道唱歌のチャイムが流れて終点新青森に到着。最後の乗車がこれで終わりました。
行きの1号にしても帰りの38号にしても、新幹線との接続が悪い上に青森での停車時間が長く、利用者にとっては無駄な待ち時間の多い列車でした。青森に16分止まり、新青森でも25分待ちということは、それらを詰めただけでも30分は短縮できるわけです。この空疎な待ち時間も今回限りかと思うと、清々しそうなところではあります。
とはいえ、やはり最後となると名残惜しさの方が勝るものです。これまでは降りるやいなや新幹線への乗り換え口に向かっていたところ、今回はホームでしばし名残を惜しみ、記念撮影をしてから立ち去りました。さらにメッセージを書くなどするうちに、あれほど長く感じられた25分の待ち時間がたちまち過ぎ、新幹線のホームへ上がったところで発車メロディが鳴り出すという顛末です。

前回函館から戻るときには、これが最後という実感が湧かず、むしろ次はこうしようという考えがいくつも浮かび、いつの間にやら再挑戦する決意が固まっていました。しかし今回は何もかもやりきったという実感があります。そのような境地にたどり着いた以上、下手に再挑戦して蛇足になるより、これを花道にして幕を引くのが有終の美というものではないでしょうか。
思い残すことは何もないと言い切れるまで完全燃焼し、最高の形で締めくくれたという点では、北陸新幹線開業前最後の汽車旅と同様の結果となりました。そして今更ながら気付いたのは、当時も今回も乗車中に眠気を催す場面が全くなかったことです。これが最後という緊張感が神経を研ぎ澄ませたのかもしれません。あのときは帰りの列車で一挙に疲労が噴出するかと思いきや、帰着まで頭脳は覚醒したままでした。果たして今回はどうなるのでしょうか。心地のよい余韻に浸りながら帰ります。

★新青森1944/はやぶさ38(3038B)/2304東京
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春まだ浅い函館へ - 惜別

2016-02-28 17:52:17 | 北海道
列車は木古内を出て海峡線に入りました。鉛色の空が次第に暗くなっていき、もの悲しげな冬景色の趣だった前回に対して、今回は西の空にわずかながらも残照があり、最後まで海峡の車窓を望むことができました。最高とはいわないまでも、最後を飾るにふさわしい印象的な車窓だったのは間違いありません。
この車窓も見納めになるかもしれないと思うと、見送るように佇む函館山の方角を何度も振り返ってしまいました。前回一切抱かなかった感情が湧いてきたところが潮時なのかもしれません。撮影と乗車のいずれについても有終の美を飾ることができ、思い残すことは何もないというのが実感です。

ただし、唯一残念だったことがあります。去り行く「スーパー白鳥」に対する惜別の言葉が、北海道側ではついに聞かれなかったことです。どこへ行っても新幹線一色のように見えた一年前の北陸でさえ、引退する「はくたか」と「北越」に対する惜別のポスターが片隅に掲げられていました。当局が作ったものだけでなく、乗務員による手製のポスターまであったわけです。ところが今回は、乗客からのメッセージを集めた新青森駅の掲示板以外に、去り行く列車に対する言葉が一切見られませんでした。海峡を越えて人々を運んできた功労者を労ることもできないほど、今のJR北海道は疲弊しきっているのでしょうか。
当の事業者にすら蔑ろにされたまま去ろうとしている列車に、せめて一声かけたくなるのは人情というものでしょう。新青森駅でまだメッセージを募集しているようなら、最後に感謝の言葉を綴って投函します。
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春まだ浅い函館へ - スーパー白鳥38号

2016-02-28 17:15:03 | 北海道
往生際の悪さは最後の最後まで発揮されます。時間の猶予がなくなるまでラッキーピエロに滞在した後、電車に乗って駅に移動し、ロッカーに預けた荷物を引き取って帰りの列車に乗り込んだときには、発車まで10分を切っていました。一息つくかつかないかのうちに列車はホームを離れ、先ほど七重浜を通過したところです。
函館からの帰り道には毎度のように乗車して、発車の直前でも余裕で着席できることは経験上分かっているつもりでした。ところが行きと同様2号車に乗り込むと、海側がほぼ埋まっている予想外の盛況。すぐさま3号車に目標を切り替えたところ、こちらはさらに埋まっていました。海側の中程に空いていそうな席が一つだけあり、ここが駄目なら山側かと覚悟しかけたところ、そこが運よく空いていて救われたという顛末です。ついに乗車目的の連中が増え出したのかというとそうではなく、ほぼ全員が一般客のように見えます。今日だけが突発的に混む理由が何かあったのでしょうか。真相のほどはともかく、無事着席できたのは幸いでした。
乗り慣れた2号車ではなく3号車になったとはいえ、ここまでの完勝ぶりを考えれば、狙い通りの海側に着席できただけでも十分でしょう。西の空もわずかに茜色を帯びており、海峡の夕景で有終の美を飾ることができそうです。

★函館1707/スーパー白鳥38(4038M)/1919新青森
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春まだ浅い函館へ - 十字街銀座店再び

2016-02-28 16:29:13 | B級グルメ
そのようなわけで十字街銀座店に戻ってきました。四時台という半端な時間もあり、先客は地元のおばちゃん一組のみの閑散とした店内です。既に時間も押してきており、また先ほどのカレーから間が空いていないこともあって、腹にたまるものを避けバナナチョコシルクを注文。夕食は帰着までお預けとなりますが、最後に短時間とはいえこの店に寄れたのは幸いです。
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春まだ浅い函館へ - 最後のひととき

2016-02-28 15:46:30 | 北海道
ラッキーピエロに長居したのが響き、四時前に出るスーパー白鳥34号には間に合わなくなりました。これにより、帰りの列車は今回も最終の新幹線に接続する38号となります。
実は、函館に着くまでの段階では、一本早い34号で先行するつもりでした。そうすることで、北海道側の全区間を明るいうちに乗車でき、なおかつ青森で軽く一杯やる時間もとれるからです。しかしいざ函館に着いてみると、新幹線開業前最後の滞在を慌ただしく終えるのがもったいなく思えてきました。温泉に10分そこそこで入って出れば、34号にも辛うじて間に合う状況だったとはいえ、大急ぎで風呂から出て、駅に戻るやいなやロッカーに預けた荷物を引き取り、そのまま早足でホームに向かうという結末では、いささか興ざめというものでしょう。あえて見送り、十分に名残を惜しんで去る方を選んだ次第です。ただし、名残を惜しむとはいっても、残り時間が有り余っているわけではありません。ラッキーピエロに戻ってお茶でもいただいた後、摩周丸の前の小公園から函館山を眺められれば上出来といったところでしょうか。
ちなみに函館の日の入りは17時24分です。列車が17時7分発なので、発車から20分足らずで日が暮れることになります。もっとも、鉛色に曇っていた前回と違い、今日は時折夕日も射し込んできます。海峡の夕景で旅を締めくくることができれば、まさに有終の美というものでしょう。
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春まだ浅い函館へ - 谷地頭温泉

2016-02-28 15:39:48 | 温泉
ラッキーピエロに並ぶ函館での定跡といえば谷地頭温泉です。もちろんここで一風呂浴びていきます。
定跡化しているのはここに立ち寄ることだけではありません。入口に近い中温の浴槽に入ること、そこに一番近い洗い場を使うところまで固定化されています。そこまで通い詰めたこの温泉にも、新幹線の開業後には訪ねる頻度が激減するでしょう。次はいつ戻ってこられるのでしょうか。

★谷地頭温泉
函館市谷地頭町20-7
0138-22-8371
600AM-2200PM
第二第四水曜定休
入浴料420円
泉質 ナトリウム-塩化物泉(中性高張性高温泉)
泉温 65.1度
pH 6.4
湧出量 毎分330リットル
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春まだ浅い函館へ - ラッキーピエロ十字街銀座店

2016-02-28 14:09:21 | B級グルメ
最終の新幹線に接続する「スーパー白鳥」の発車は五時過ぎ、それまで粘っても実質四時間強の滞在です。これではできることも自ずと限られ、マンネリズムを楽しむのが今回の滞在の主眼となります。しかし、最後であればこそ特別なことはせず、いつも通りに締めくくりたいという考えがありました。そのような趣旨に基づき、まずは十字街のラッキーピエロを訪ねます。
最後の列車で帰る場合、函館で腹ごしらえをしてから列車に乗るのが自然であり、かような観点からはお昼に「小いけ」のカレーをいただいて、この店を温存しておくのが賢明でした。「小いけ」はこの後中休みに入るため、順序を逆にすることはできないわけです。それにもかかわらずここを選んだのは、前回まさかの臨時休業でありつけなかったチャイニーズチキンカレーを、是非ともいただいて行きたかったからであり、それが函館に舞い戻ってきた理由の少なからぬ部分を占めています。
もちろん今日は臨時休業などという不測の事態もありません。日曜の昼下がりというのに店内には観光客の姿もなく、好んで着席する窓際の大きなテーブルを今回も選びました。

★ラッキーピエロ十字街銀座店
函館市末広町8-11
0138-23-2300
1000AM-030AM(土曜 -130AM)
チャイニーズチキンカレー756円
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春まだ浅い函館へ - 雪晴れの函館

2016-02-28 12:42:17 | 北海道
函館に着きました。最後にするつもりだった前回の渡道以来、中一週での再訪です。
先週の段階での天気予報を見る限り、最後の最後は寒々とした冬景色で終わるものと想像していました。それが直前になって予報が上向き、今朝に至っては雲一つない雪晴れでした。穏やかな晴天は海峡の向こう側にも広がっており、車窓越しには凪いだ津軽海峡が広がっていました。肩透かしを食らった形ではありますが、早春らしい景色も悪くはありません。末永く記憶にとどめておきたい最後の車窓です。

それとともに印象的だったのは、函館駅に進入する直前の光景です。函館山へ向かって渦を巻くような函館港に沿って、列車は函館駅の構内に入ると右に大きくカーブを切ります。それと同時に、車窓の右側に鎮座していた函館山が、次第に中央へと移っていくのです。列車が徐々に速度を落としてホームに進入すると、函館山はますます中央に近付き、ほぼ正面に重なったと思ったところで列車が止まります。これまで何気なしに眺めていた車窓が、これほどまでに劇的だったかと感嘆させられました。
しかし皮肉なことに、気付くのが少々遅かったようです。新幹線が開業すれば、郊外の新駅から函館までは「はこだてライナー」なるロングシート車での移動を強いられ、車窓に背を向けたまま構内に進入していくことになります。これでは窓の外に展開するめくるめく光景にも気付かないでしょう。新幹線と引き替えに失われるものは、自分が覚悟しているよりもはるかに大きいのかもしれません。

このような印象的な場面もあり、列車を降りた瞬間にはいいようのない感慨が押し寄せてきました。国鉄特急色の485系などに比べれば、特段面白味がないと言い続けてきた789系のスーパー白鳥ではありますが、近年乗車した回数はあちらと比べても遜色がありません。北海道への汽車旅では毎回のように世話になってきたこともあり、知らず知らずのうちに愛着が湧いていたということなのでしょう。前回は今一つ実感できなかったこの列車、そして海峡の車窓との別れが、いよいよ現実のものとして迫りつつあるようです。
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春まだ浅い函館へ - スーパー白鳥1号

2016-02-28 10:19:38 | 東北
腹ごしらえを済ませ、レンタカーを返して新青森駅のホームに下りると、函館行の「スーバー白鳥1号」がまさに入線してくるところでした。本日の時間配分はことごとく理想的です。
予想外の成功に味をしめ、来週末に再挑戦する構想が浮上しかけた場面もあったものの、雪晴れの空の下でこれ以上ないといえるものを記録できたことにより、今回を花道にして切り上げる方向に傾きつつあります。仮に決行するとしても青森までと考えており、函館に足を延ばすつもりはもうありません。始発の新幹線から何度となく乗り継いできたこの列車にも、これが正真正銘最後の乗車となりそうです。

★新青森1017/スーパー白鳥1(4001M)/1222函館
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春まだ浅い函館へ - 長尾中華そば再び

2016-02-28 09:47:50 | B級グルメ
撮影を終えて給油も済ませ、返却時刻まで30分が残りました。営業所へ向かう前に腹ごしらえもできるという理想的な時間配分です。もちろん「長尾中華そば」を再訪します。
再訪するならスープと麺のいずれかを変えるつもりだと昨日申しました。その構想に従い、選んだのはあっさりと細麺の組み合わせです。手打ちとの間に中太麺があることからして、細麺というからには素麺のごとき極細麺を勝手に想像していたところが、思った以上の太さがあり、自身知る中でいうなら京都の「新福菜館」に近いものがあります。もちろんこれはこれで悪くないものの、もちもちした独特の食感を味わいたい向きには、手打ちの方が好適という印象です。
チャーシューを追加したのは昨日と同様ながら、品書きをよくよく見るとチャーシューにもいくつか種類がありました。ただチャーシューといえば昨日のロースが出てくるのに対し、本日注文したのは豚バラチャーシューです。昨日5枚中2枚乗っていたのと同じバラ肉が、こちらには7枚きれいに並べられており、それに加えて小さめのロースも一枚つきます。二つの味が楽しめるのはどちらを頼んでも同じで、好きな方をより多くできるという仕組みなのでしょう。とろけるようなバラ肉も、噛むほど味がにじみ出るロースも甲乙つけがたい逸品です。10時半まではご飯が無料でつくため、その時間帯に合わせて入り、チャーシューをおかずにご飯をかき込むのがここでの定跡となりそうです。

長尾中華そば 西バイパス本店
青森市三好2-3-5
017-783-2443
月曜 1100AM-2145PM(LO)
その他 700AM-2145PM(LO)
不定休
あっさり550円
豚バラチャーシュー250円
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春まだ浅い函館へ - 無欲の勝利

2016-02-28 09:27:37 | 東北
昨日も訪ねた油川のお立ち台を再訪し、十名少々の同業者に混じって上りの貨物列車二本と「スーパー白鳥14号」を撮りました。清々しい雪晴れの下、雪煙を巻き上げながら列車が疾走するというこの上ない条件でした。さしたる期待もせずに臨んだはずが、結果的として完全勝利に終わったという点では、「北斗星」を追った昨夏に続く無欲の勝利です。
空には一点の曇りもなく、最新の予報でも昼過ぎまでは晴れることになっています。それにもかかわらずレンタカーの返却時刻が迫り、ここで切り上げざるを得ないのが少々残念です。しかし、仮に返却時刻を延長するにしても、撮影地の光線状態からして午前いっぱい粘るのが限界でしょう。しかも撮影が終始順調に進んだため、撮るべきものは一通り押さえることができ、あとはフィルムでも重ねて撮るといった使い道がせいぜいです。青森で午前いっぱい消費すれば、函館にはただ行って戻るだけになることを考えると、ここで切り上げるのが最善と思い至りました。
上記の通り、主題の一つであった「スーパー白鳥」の撮影は完勝に終わりました。もう一つの主題である乗車を果たせば、新幹線開業前最後の活動を有終の美で締めくくることができそうです。
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春まだ浅い函館へ - 二日目

2016-02-28 07:31:58 | 東北
おはようございます。ありがたいことに、窓の外には雲一つない青空が広がっており、先ほどから朝日が差してきました。昨日以上の快晴です。撮るべきものは昨日のうちにあらかた押さえることができたため、今日はゆっくり朝風呂でも浴びてからレンタカーを返すつもりでいたところが、この天候なら風呂どころではありません。荷物をまとめて撮影地に急行します。
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