日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北斗星惜別乗車 - あんぽん

2015-01-30 22:38:50 | 居酒屋
教祖の推奨店の中で、素通りを繰り返している店がいくつかあります。その街には何度も足を運んでおり、他の推奨店で呑んだことはあるにもかかわらず、特定の店にだけ行っていないという点で、文字通りの素通りです。札幌にもその手の店が残っていました。本日訪ねる「あんぽん」です。

素通りとなる理由はいくつかあります。最も典型的なのが、一軒だけ繁華街から外れているというもので、例としては金沢の「魚常」、長崎の「朱欒」などが挙げられます。他の店が秀逸すぎて出番が来ないという場合もあり、こちらの例が会津若松の「鳥益」、富山の「やつはし」などです。それに対し、この店を長らく素通りしてきた理由の一つが、牡蠣を売り物にしているという点でした。
実は、自分自身魚類以外の水産物には全くといっていいほど興味がありません。蟹、貝、ウニ、ホヤ、ナマコなどがまさにそうで、なぜ世間があれほど珍重するかが全く理解できません。去年新潟で、牡蠣の専門店にそうとは知らずに入ったときにも、注文には非常に迷ったものです。それだけに、「厚岸産殻かきの店」と看板に大きく書かれたこの店にも、必然的に食指が伸びづらかった次第です。もっとも、牡蠣の店とはいってもそれ一辺倒ではないでしょう。他の品でどれだけ楽しめるかという興味もあり、今回初めて暖簾をくぐりました。

長らく素通りしてきた店でも、一度訪ねてみればさすがと納得させられることが多く、先日は青森の「ふく郎」で同様の経験をしました。個人的にはいささか懐疑的であったこの店も、結果としては上々の店だったということになります。
場所は年季の入った雑居ビルの三階。行灯のある通り沿いから階段を上って、踊り場にある二つ目の行灯を通り過ぎ、その先で折れ曲がった階段をさらに上がると、それが尽きたところに三つ目の行灯があります。店先には品書きも何もなく、木製の扉は古いスナック然としていて、一見客には近寄りがたい店構えです。先達の導きがない状況では、とても暖簾をくぐろうとは思わなかったでしょう。しかし、意を決して暖簾をくぐると、古びた味わいのある店内が広がっていました。
直截にいうなら炉端焼きということになるでしょう。囲炉裏を中心にしたコの字のカウンターは、釧路の「炉ばた」「万年青」といった有名どころを二回りほど小さくしたもので、お客の肘で磨かれ角の取れた分厚い一枚板が、控えめな行灯に照らされて鈍い艶を放っています。寄棟の形をした簾天井、黒光りする壁面の羽目板も、一朝一夕で作り出せるものでありません。ジャズピアノの調べがさりげなく流れる店内は、一人静かに酒を酌むにはおあつらえ向きです。

カウンターに立つのは、豹柄の服をまとった、一見するとスナックのママと思しきおばちゃんで、教祖の著作に登場する老練な女将とは明らかに別人です。先客の口から「先代」という言葉が出てくることからして、おそらく当時の女将は引退し、このおばちゃんが後を継いだということなのでしょう。しかし、見た目こそスナックのママとはいえ、一見客にも懇切丁寧で、なおかつ付かず離れず適度な距離を保った客あしらいは堂に入っています。暖簾で仕切った厨房の向こうには、三厘刈り作務衣姿のもう一人が調理をこなしており、おばちゃんを入れた二人で店を差配しているようです。
唯一の懸念材料だった品書きも、蓋を開ければ杞憂に終わりました。品書きの筆頭にあるのはもちろん厚岸産の牡蠣ながら、それはあくまで品書きの一つに過ぎません。刺身、焼物、一品料理に食事類と必要にして十分な数が揃い、しかもそのどれもが北海道らしく、眺めるだけでも楽しいものがあります。

このように、酒、肴、客あしらいに居心地と、どれをとっても申し分のない名店です。これならもっと早く来るべきだったかと軽く後悔させられるのは、「ふく郎」を訪ねたときと全く同じ結果となりました。牡蠣を理由にこの店を素通りしてきた自分は、今までかなりの損をしたということになりそうです。

あんぽん
札幌市中央区南五条西4 ススキノ銀座通
011-551-8877
1730PM-2330PM

男山三合
お通し(めふん)
こまいルイベ
鮭の焼きづけ
岩のり汁
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北斗星惜別乗車 - 夜の札幌

2015-01-30 21:46:56 | 北海道
一息入れたところですすきのに繰り出します。今夜の暖かさなら軽装でも十分と見て、上着のインナーは外しました。

道内ではもちろん最大、全国でも名古屋に次ぐ人口を擁する札幌ですが、近年に関する限りさほど馴染みが深いわけではなく、訪ねた回数では釧路に遠く及びません。去年は雪まつりの最終日の数時間しか滞在しておらず、列車の乗り継ぎで降りたのを含めても、他に二回が加わるに過ぎません。一昨年も、道内滞在の初日最終日に短時間立ち寄っただけでした。最後に札幌で宿泊したのは、実に二年以上も前のことになります。
これほどまでに縁遠くなった理由として、酒場めぐりが活動の主目的の一つになってきたという変化が挙げられます。というのも、札幌は必ずしも名酒場がひしめく街ではないからです。大きい街であればあるほど名酒場が多いかというと、そうでもないのが難しいところで、名古屋などはその最たる例といってよいでしょう。札幌も飲食店の数こそ無数にあるものの、それ自体旅の主目的となりうるほどの名酒場は、皆無に近いのが実態です。最後に札幌で宿泊したとき、三泊も注ぎ込みながらほとんど何の収穫もないという惨敗を喫して、自分の中における札幌の位置付けは一挙に急落したのでした。

しかし、今回図らずも札幌に泊まる機会が実現したのは、後々の活動を考えると大きいものがあります。来月の飛び石連休に予定している汽車旅の日程を、理想的な形で組み立てることができるのです。
「はまなす」に乗るなどする関係上、道内で宿泊できるのは二日間と決まっています。二泊しかできないとすれば、そのうち一泊を釧路に回すことについても迷いがありません。問題はもう一泊をどこにするかでした。どの店に行きたいかと問われれば答えは明快で、旭川の「独酌三四郎」と即答します。そして、旭川を選ぶということは、基本的に札幌を切るということでもあります。ただし、近年の傾向からすると、この先花見の旅、秋のキャンプのいずれにおいても、札幌に立ち寄る場面が出てくるとは予想し難く、冬場の汽車旅で札幌にも寄っておきたいという事情がありました。その結果、「独酌三四郎」の開店に合わせて旭川に乗り込み、その後札幌と掛け持ちするなどという苦肉の策を考えていたわけです。それが今回札幌を先取りしたことにより、来月は迷うことなく旭川に注力できます。

前置きが長くなりました。以上の通り、自分がすすきので呑むことにさほどの期待をしていないのはお分かりいただけたのではないでしょうか。とはいえ、札幌で呑むならここだといえる店はごく少数ながらあり、今回久方ぶりに宿泊したのもそのためです。加えて、すすきの華やかさには唯一無二の旅情があり、雪に埋もれたこの時期ならばなおさらです。毎年とはいかないまでも、二年に一回程度は腰を据えて滞在するにやぶさかではありません。久方ぶりの滞在を楽しみにしています。
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北斗星惜別乗車 - 札幌到着

2015-01-30 21:35:05 | 北海道
「アルプスの牧場」が流れて札幌に着きました。風と降雪は一切なく気温は1度、これでは耐寒装備も無用の長物で、手袋も帽子も要らないのはもちろんのこと、機材を担いで歩くと軽く汗ばんできます。
しかし、それ以上に特筆すべきは雪の少なさです。ある程度交通量のある道では路面が乾いており、歩道でもかなりの箇所で雪がなくなっています。道端に積み上がった雪も、おそらく降ってから数日は経っているでしょう。結果として歩行には何の支障もなく、地下鉄に乗り継ぐつもりが宿までそのまま歩いてしまいました。
札幌を冬に訪ねたことが何度かある中でも、これほど雪が少ないのは初めてです。雪まつりまであと数日だというのに、これで本当に大丈夫かと無用な心配をしてしまいます。とはいえ、着いたときには拍子抜けする天候だったところが、数日後には酷寒に変わっていたという経験も過去にはありました。来月舞い戻ってきたときには、市街の眺めは一変しているのかもしれません。
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北斗星惜別乗車 - スーパー北斗13号

2015-01-30 18:01:30 | 北海道
半日滞在した函館を後に、本日の投宿地である札幌へ向かいます。天候は終始穏やかで、暖かいとはいわないまでも過ごしやすく、手袋の出番もありませんでした。しかし、嘘か真か明日は荒天とのことです。今回の短い滞在の間に、北海道の厳しい冬を体感する場面は訪れるでしょうか。

★函館1716/スーパー北斗13(5013D)/2049札幌
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北斗星惜別乗車 - ラッキーピエロ十字街銀座店

2015-01-30 16:24:16 | B級グルメ
もう四時間かと思うほど瞬く間に時間が過ぎ、函館で立ち寄れるのはあと一ヶ所限りとなりました。最後を飾るのは十字街のラッキーピエロです。ただし今日三杯目のカレーに挑戦する余力はなく、三時のおやつ代わりのバナナチョコシルクをいただきます。
四時台という中途半端な時刻につき先客の姿はなく、どこの席でもお好み次第です。前回は窓際にある相席のテーブルに着席したため、今回はその対角線上にある階段脇の四人席を選びました。

★ラッキーピエロ十字街銀座店
函館市末広町8-11
0138-23-2300
1000AM-030AM(土曜 -130AM)
バナナチョコシルク421円
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北斗星惜別乗車 - 立待岬

2015-01-30 15:53:52 | 北海道
残り時間でどこへ行くかとしばし思案の結果、谷地頭から緩やかな坂を登って立待岬にやってきました。
この場所には思い出があります。二十年以上も前、初めて北海道を旅したとき、最終日に立ち寄ったのがここなのです。「はまなす」で初上陸を果たし、道内を一周して函館に戻ってきたのは、周遊券が切れる前日の13日目でした。道内最後の夜を函館で過ごした後、翌朝一日乗車券を買って電車に乗り、今回と同じように谷地頭から歩いてたどり着いたのが立待岬です。道内が空前絶後の酷暑だった年で、九月というのに真夏のような暑さだったこと、前夜の雨が上がって夏空が広がっていたこと、最終の新幹線に接続する「はつかり」の時間まで粘ったことなどが、昨日のことのように思い出されます。
もっとも、一部始終を克明に記憶している割には、岬からの眺め自体にさしたる印象はなく、二十年の時を経て再訪しても、こんな眺めだったかというのが率直なところではあります。とはいえ、東は恵山、西は松前へと北海道の陸地が続き、海の向こうに下北半島と津軽半島が浮かんだ眺めはよく、冬の北国らしい寂寥とした雰囲気も、鏡のように凪いだ水面も印象的です。
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北斗星惜別乗車 - 滞在延長

2015-01-30 14:56:40 | 北海道
のんびり風呂など浴びるうちに、乗るはずだった三時過ぎの特急には間に合わなくなってしまいました。急いで入って出れば間に合う余地もあったとはいえ、時間を気にしながら入るのを嫌った次第です。次の列車は五時過ぎのため、今日は日中いっぱい函館滞在となります。
三時の列車で出ておけば、噴火湾の夕景を望みながらの移動になったはずが、全区間暗い中となるのは非常に痛いものがあります。札幌に着くのも七時前から九時前となってしまい、呑み屋の選択肢はやや絞られてくるかもしれません。失ったものは二時間という数字以上に大きいようです。
とはいえ、こちらはこちらで前回以上の穏やかな冬晴れに恵まれており、それが行き脚を鈍らせた原因でもあります。これならあと二時間滞在するなど造作もありません。次の列車までの時間はあっという間に過ぎそうです。
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北斗星惜別乗車 - 谷地頭温泉

2015-01-30 14:21:07 | 温泉
カレーでかいた汗を温泉で流すという展開はまことに理想的です。再び電車に乗って谷地頭にやってきました。前回時間の都合で立ち寄れなかったこの温泉に、「小いけ」ともどもこれほど早く再訪できたことに感謝します。

★谷地頭温泉
函館市谷地頭町20-7
0138-22-8371
600AM-2200PM
第二第四水曜定休
入浴料420円
泉質 ナトリウム-塩化物泉(中性高張性高温泉)
泉温 65.1度
pH 6.4
湧出量 330l/min
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北斗星惜別乗車 - 元祖小いけ

2015-01-30 14:08:40 | B級グルメ
ラーメンのはしごは日常茶飯事でも、カレーのはしごは滅多にありません。間髪入れずに「元祖」へ飛び込みました。
「本店」に入った時点では、はしごをするつもりは全くありませんでした。しかし牛タンの「味太助」と「旨味太助」、鍋焼うどんの「アサヒ」と「ことり」など、至近距離に並び立つ有名店を続けざまに訪ねることによって、それぞれの違いがより明確になるという経験をしているだけに、同じことが「小いけ」についても言えないだろうかと考えた次第です。そしてこの狙いは的中しました。
「本店」よりも粘度が低く、辛さがより鮮烈という特徴は記憶通りです。しかし、間髪入れずにいただいて初めて分かった違いもあります。「本店」のカレーの具材は溶け切っており、ご飯はこんもり盛られてくるのに対し、「元祖」のカレーには細切れの肉が入り、ご飯は平たく盛られます。そして、何より明確な違いは、初代店主からの秘伝でもある焙煎した小麦粉の風味が、「元祖」ではより際立っていることです。この微妙な違いだけは、続けざまに試さなければおそらく気付かなかったでしょう。奇策を弄した甲斐はありました。

それはよいのですが、一つだけ気になる点があります。消費税のあおりで値上がりしたのは仕方ないとしても、営業時間が15時半までに大きく短縮されてしまったことです。店主の体調などの問題でなければよいのですが。とはいえ、カレーの味は健在だったのが幸いです。

元祖インドカレー小いけ
函館市宝来町22-4
0138-23-2034
1100AM-2000PM
正月休業
大カレー780円
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北斗星惜別乗車 - 小いけ本店

2015-01-30 13:05:54 | B級グルメ
一日乗車券を買って電車に乗り、十字街で降りました。前回の積み残しの一つ、「小いけ」のカレーを本日のお昼とします。
電車通りに面した「本店」と裏路地の「元祖」が至近距離にある中、今回は本店を選びました。一日乗車券の呈示で一割引の特典につられたのが直接の理由ではありますが、それだけが決め手というわけではありません。一度や二度ではどちらも同じに思える「小いけ」のカレーですが、何度か通うと味の違いが分かってきます。
大げさに言うなら黄色に近い、一見すると昔ながらの家庭のカレーでありながら、痺れるほどに辛い点についてはどちらも同じです。しかし、「元祖」のカレーが、辛さが瞬時に立ち上がる鮮烈な味わいなのに対し、こちらのカレーは一層とろみがついており、一口目ではややまったりした舌触りのように感じられ、後から辛さが押し寄せてくるのです。どちらも甲乙付け難い味わいながら、分かりやすさにかけては「元祖」に、深みにかけては「本店」に軍配を上げたいと私は思います。

小いけ本店
函館市宝来町22-5
0138-22-5100
1100AM-1500PM/1700PM-2030PM(LO)
水曜不定休
ポークカレー大盛り800円
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北斗星惜別乗車 - 函館到着

2015-01-30 12:24:50 | 北海道
五稜郭の構内に進入したところで「鉄道唱歌」が流れ、それから程なくして函館に着きました。上陸以来降雪は一切なく、風も全くありません。前回訪ねた三週前と同様の穏やかな天候です。短い間隔での再訪とはいえ、前回はたかが一日足らずの滞在だっただけに、そのときの積み残しは多々あります。それらを片付けてから札幌へ向かうことにしましょう。
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北斗星惜別乗車 - スーパー白鳥1号

2015-01-30 10:31:18 | 東北
列車を乗り継ぎ函館へ向かいます。新青森をほぼ満席で出た列車は、青森で半分ほどのお客を下ろし、身軽になって発車したところです。
北海道新幹線の開業を一年後に控えた今、津軽海峡を股にかけた汽車旅の終焉を、少しずつ意識するようになってきました。特に、函館山を起点にした深い湾を望む好車窓が、トンネルばかりの味気ないものに一変するのはあまりに惜しいものがあります。
寝台特急二本と国鉄特急型電車、急行型電車がことごとく淘汰される今春に比べれば、あくまで微々たる影響に過ぎません。「スーパー白鳥」は頻発しており、なおかつ趣味的にはさほどの見所もない車両です。廃止の間際であっても、北斗星が姿を消す今季ほどの騒ぎにはならないでしょう。しかし、その気になれば毎週でも足を運べる北陸信越と違い、この路線にそこまで通い詰めることはできません。近年の例からしても、来月の飛び石連休と五月の花見が終われば、あとは最後の冬に一度か二度北海道に渡るのがせいぜいではないでしょうか。そう考えると、この列車に乗れるのもかなり貴重な機会です。北斗星が主役の旅ではありますが、海峡の車窓も確と記憶に刻んでおきたいものだと思います。

★新青森1017/スーパー白鳥1(4001M)/1222函館
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北斗星惜別乗車 - 空疎な時間

2015-01-30 09:56:54 | 東北
新青森に着きました。これまでの車窓からして、青森といえどもさすがに雪は少なめかと思ったところが、トンネルを抜けると相変わらずの雪景色が広がっていました。屋根には分厚く積雪し、軒先からは太い氷柱が何本も下がり、掻き捨てられた雪は二階にまで届かんばかりに積み上がっています。出発以来初めて雪国らしい光景に出会いました。さすがは青森です。
それにしても毎度興ざめさせられるのが、30分弱という帯に短し襷に長しの待ち時間です。「はやぶさ」の登場により始発の新青森行が速達化される一方、それに接続する「スーパー白鳥」と「つがる」の発車時刻が据え置かれ、結果として待ち時間が無駄に延びてしまったのは二年前でした。その後何度かダイヤが改正され、「つがる」の発車時刻は繰り上がったものの、「スーパー白鳥」の接続については一向に改善されません。北海道新幹線の開業を来年に控え、今更抜本的な見直しをするとも思えず、おそらくこのまま放置するつもりなのでしょう。
「あけぼの」が走っていた当時はまだよかったのです。新幹線のホームから地上のホームへ降りると、ほぼ同時に下り列車が悠然と滑り込み、しばしの停車を経て終点の青森へと走り去る光景には、風雪と戦い抜いた老雄の誇りとでもいうべきものが感じられ、それは見応えがあったものです。ところがその主役をなくした今となっては、吹きさらしの殺風景なホームに安っぽい電車が発着するに過ぎません。これでは旅情など期待できるはずもなく、空疎な時間だけが流れて行きます。この待ち時間が解消されるという点に関する限り、北海道新幹線の開業は歓迎すべきことなのかもしれません。
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北斗星惜別乗車 - 薄日

2015-01-30 09:23:28 | 東北
八戸に着いたところで、出発以来初めて日が差してきました。ただし冬晴れとは違い、薄雲の向こうから注いでくる淡い日差しです。ここまでの状況からある程度予想できた通り、雪も全くありません。これに対し、いつ行っても深い雪に埋れているのが青森です。とはいえ、ここまで雪らしい雪をほとんど見なかったことを考えると、青森でも積雪は少なめなのでしょうか。トンネルの向こうの空が気になります。
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北斗星惜別乗車 - 曇り空

2015-01-30 07:46:38 | 東北
白河の関を越えると目に見えて雪が少なくなり、郡山では完全に消え去りました。先ほど福島を通過し、仙台まであと20分に迫ったところです。
冬場の東北新幹線といえば、乾いた青空が広がる関東平野に始まり、雪化粧した中通りを経て仙台平野で一瞬だけ冬晴れに戻り、その後北へ行けば行くほど雪深くなるという、起承転結のある車窓が印象的です。ところが今日は、見慣れない関東平野の雪景色に始まり、中通りでは平板な曇り空となっています。この空が仙台でいきなり晴れるとも思えません。車窓の楽しみに関する限り、今日の東北新幹線は今一つ見所に乏しいものがあります。
来月の飛び石連休には再び北海道へ渡り、往路は同じ経路で北上する予定です。そのときには冬らしい車窓を眺めることができるでしょうか。
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