日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 14:13:27 | 甲信越
先ほどの枝垂桜もしかり、アルプス公園の桜はソメイヨシノ一辺倒ではなく、とりわけ多いのがオオヤマザクラ、つまりエゾヤマザクラです。柱頭を包み込むようにして咲くソメイヨシノに対して、大きく開いた花びらがエゾヤマザクラならではです。正直なところ、見た目の美しさという点では他の桜に一歩譲る感のあるエゾヤマザクラですが、北国の長い冬に耐え抜く力強さ、そこから来る雄大さこそがこの桜の身上であり、どことなく内地離れしたアルプス公園の中では、その立ち姿もより様になってきます。薄雲でかすんだ西の空に対し、東には清々しい青空が広がっており、赤みを帯びた花がよりいっそう引き立つようです。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 13:34:25 | 甲信越
続いてはお約束のアルプス公園を訪ねます。アルプス公園の白眉いえば、何といっても芝生の広場の真正面に聳える常念岳ですが、この時期は市内屈指の花見の名所となります。そして、桜が咲いたときだけの絶景が、公園の南側から北東方向へ桜越しに眺める北アルプスの山並みで、右手前に桜、左奥に常念岳を置いた絵柄はまことにもって秀逸です。しかし惜しむらくは、今日は遠景が薄雲でかすんでしまいました。やはり桜と同様、アルプスの山々は青空の下でこそ映えるものなのでしょう。
しかし今回は新しい発見が。順路からそれた西側の斜面に、まだ若い桜の木々が立ち、その間から枝垂桜の大木が顔を出しています。聞けば「泉小太郎の枝垂桜」という由緒正しき古木だそうで、一本桜という違いはあるものの、昨日訪ねた高遠の薬師堂の枝垂桜にも引けをとらない名木です。しかし、見物客が引きも切らずに訪れていた薬師堂の枝垂桜と違い、若い木々の間に隠れるようにして佇むこの桜を訪れる人は少なく、午後の日差しを浴びながら悠然と風に揺れています。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 12:53:12 | 甲信越
少し移動して護国神社を訪ねます。こぢんまりした境内に見上げるような大木が林立し、しかしながら見物客は皆無です。向かいの体育館の広い駐車場にも桜並木が一直線に並んでおり、あたかも桃源郷のごとき世界が広がっています。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 12:21:57 | 甲信越
ルーティンワークをこなしたところで花見を再開します。午後の部の最初を飾るのは松本美須々ヶ丘高校の桜並木で、市街の中心からやや山に迫ったこともあるのか、松本城で散りかけていた桜はまだ満開です。校庭を桜が囲むというだけの、名所でも何でもないごく平凡な光景ながら、一本一本の木が非常に立派で、二年前この桜並木を発見したときは、時間が押しているのも忘れてしばし立ち止まってしまったという経験があります。松本城の桜が絵葉書的な美しさだとすれば、この桜は足を止めてしみじみ眺めたくなるような情緒に満ちています。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 11:45:54 | B級グルメ
湧水、酒屋と続けば次は当然カリーです。前回久方ぶりに桐店を訪ねて、バイキングのよさを再認識したところではありますが、今回は結局信大前店を選択しました。
理由は三つあり、まず1.5倍という価格に見合った満足をバイキングから得られるかという問題が一つです。二つ目の理由として、一度に大人数分作って温めておくバイキングよりも、一人前ずつ作った方が当然おいしいということがあります。そしてもう一つの理由が、信大前店の駐車場の脇に佇むコヒガンザクラを眺めたかったということです。
しかし二年ぶりに訪ねると、花はおおよそ散っていました。開花の順序を考えれば、ソメイヨシノが散りかけならコヒガンザクラがそれ以上に散っているのも当然ではあります。この後高遠へ舞い戻らない限り、花盛りのコヒガンザクラを観られる機会は、会津若松の鶴ヶ城がせいぜいです。今季中の再会はあり得るのでしょうか。

メーヤウ 信大前店
松本市桐2-1-25
0263-35-6962
1130AM-1500PM/1700PM-2100PM(木曜定休)
カリー二種類セット+半ライスおかわり850円
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 11:24:19 | 酒屋
続いては、前回時間の都合で立ち寄れなかった「山崎精一商店」を訪ねます。
知られざる信州の地酒を常時入れ換えつつ取り扱う「中島酒店」に対し、こちらの品揃えはいつも決まっています。南信から「真澄」「御湖鶴」「翠露」「夜明け前」の四種、東信から「明鏡止水」と「帰山」の二種、北信から「水尾」、そして地元中信の「美寿々」に、県外から「越乃寒梅」「久保田」「黒龍」という顔ぶれです。自分の中でこの店は、「明鏡止水」の限定品を買い求める場所であり、それ以外の品を選んだのは数えるほどの回数しかありません。
しかし、今回は三日間滞在した伊那に敬意を表して、辰野の「夜明け前」を選択します。前回この酒を買い求めたのは七年前、やはり桜の咲く頃に、活動仲間とともに伊那路を旅したときのことです。とにかく甘い酒というのが当時の印象でした。その記憶は果たして正しいものなのでしょうか。

★山崎精一商店
松本市元町1-8-17
0263-32-0020
平日900AM-2000PM
日祝日1000AM-1800PM
火曜定休
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 11:02:25 | 酒屋
湧水に続いては駅前の「中島酒店」を訪ねます。伊那の「酒文化いたや」と違い、南信、中心、東信、北信とまんべんなく取りそろえたこちらの酒屋ですが、今回は南信中信の旅ということで諏訪の「本金」を選択。 会計の際、冷蔵庫に入れるまでの時間を必ず聞いてくるのは、ここと会津坂下の「五ノ井酒店」だけではないでしょうか。それだけ酒の温度管理に気を遣っているということです。

★中島酒店
松本市中央1-3-7 セントラルビル1F
0263-32-1158
900AM-1900PM(第三木曜定休)
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 10:27:04 | 甲信越
ここからは花見をしばし中断し、お約束の場所をいくつか訪ね歩きます。まずは湧水です。今回訪ねるのは西堀公園井戸で、その名の通り松本城にほど近いT字路の角の小公園に湧いており、竹筒から流れる水が、人参か茄子でもかたどったような石の桶に注がれます。
傍では、若いソメイヨシノが風に耐えて満開の花を咲かせています。 自転車が倒されるほどの強風だというのに、全くといっていいほど花が散らないのは大したものです。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 10:12:07 | 甲信越
松本城の後は開智学校を訪ねます。過去何度となく松本を訪れていながらことごとく素通りしてきたのは、あまりに月並みな観光地で興味を惹かれなかったという理由に尽きます。今回初めて足を運んだのは、桜が咲けば月並みな観光地もそれなりに楽しめるのではないかと考えたからです。
しかし、予想通りというか何というか、そこにあったのは写真で見たままの建物が一棟建っているだけというあっさりしたもので、自分にとっては入場料を払ってまで見物するほどのものではありませんでした。もっとも、校舎の裏手の小公園にソメイヨシノが三本並び、風に吹かれて花が舞うところだけは絵になります。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 09:08:16 | 甲信越
北側の濠を、東から西方向に眺めます。まっすぐな濠に沿って桜が並び、その彼方に北アルプスが連なる様は、やはり絵葉書的な完成された美しさです。近づけば散ったと分かるものの遠目にはまだまだ見頃で、風に吹かれて花が散り、水面には花筏が浮かびます。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 08:53:09 | 甲信越
朝方に眺める松本城で最も名高い絵柄は、なんといっても南側から北西方向に眺める、濠と北アルプスとを組み合わせた先ほどの光景ではないでしょうか。しかし、東から天守に正対して眺める姿もなかなかのもので、桜の時期にはそれがなおさら絵になります。天守を左に置き、石垣の上に並んだ桜を右に配した非対称の絵柄が見事で、背後に見え隠れする北アルプスの山並みもよい点景になっています。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 08:27:03 | 甲信越
お約束の松本城を訪ねます。濠の水面に映る天守と北アルプスの組み合わせは先月眺めたばかりで、一昨年は雲一つない青空に満開の桜という最高の条件で眺めたこともあります。それに比べれば、薄雲が出て桜も散りかけという今日の条件は明らかに格落ちです。それにもかかわらず、松本を訪ねる都度必ず押さえてしまうのは、高遠の桜雲橋や白兎橋を訪ねるのと全く同じ悲しい性によるものです。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 08:10:58 | 甲信越
出発します。昨晩世話になったのは「おたりや」でした。松本で定宿を持ちたいと以前申しましたが、その考えに従い、今回は地場の宿を選びました。
ビジネスホテルの体裁をとりながらも、年配の経営者が自ら居住し自らフロントに立つところは、昔ながらの旅館の風情を残していて好ましいものがあります。駅から北へ進んで女鳥羽川を渡った先にあり、そこから東へ川沿いに同じ距離だけ進めば呑み屋街という立地も理想的。部屋は簡素ながらも広々しており、駐車料を含めて五千円台前半という料金も申し分ありません。それに加えてよいところは、翌日正午まで駐車場が使える上に自転車が無料で借りられるということで、これなら翌朝自転車で市街を散策するといった行動がとれることになります。
唯一の欠点は、窓が磨りガラスで外の景色が見えないということです。仮に見えたところで大した眺めではないものの、窓から注ぐ朝日で目覚めるのを旅先での楽しみの一つとする自分にとっては、これが唯一物足りなく思えるところです。しかし、そんな欠点も上記の美点に比べると小さいものでしかなく、ついにこれはという宿に出会えたような気がしています。あと一軒二軒違う宿を試してみたいような気はするものの、めぐりめぐって結局この宿に回帰する可能性は十分にありそうです。
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花見の旅in信州 2013番外編

2013-04-14 07:53:51 | 甲信越
業務連絡です。昨日は高遠に延々八時間滞在した後、伊那市街から南アルプスの夕景を眺め、その後松本へ移動して、松本城の夜桜を見物してから酒場を二軒はしごするという慌ただしい一日でした。これでは当然ながらblogどころではなく、初日並みの30件ほどになるであろう記事は、大半が走り書きのままとなっています。
今日もまずまずの好天が予想されるため、blogの更新に費やす時間はなさそうです。少なくとも、今日中に全ての記事が掲載されることはなく、帰着後に少しずつ投稿する形をとらざるを得ないでしょう。自分自身、これが花見の旅の慌ただしさかと、忘れかけていた感覚を取り戻したような気分です。これはとりもなおさず、旅が充実しているという証なのですから、この上なく幸福なことではあります。帰着まで息をつく間はなさそうです。
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花見の旅in信州 2013四日目

2013-04-14 06:50:20 | 甲信越
おはようございます。松本市街の空は薄雲が出ながらも晴れわたっています。日中一杯晴れるといわれていた予報にも変わりはなく、風は多少強いものの、今日もまずまずの花見日和になりそうです。
松本に泊まった翌日の行動は実に単純明快で、花見の時期とて例外ではありません。まずは見物客が増え出す前に松本城を一周し、その後城山公園、アルプス公園といった市内の名所を訪ねて、昼はカリーをいただくといった流れになるでしょう。できれば安曇野の桜を三年ぶりに再訪したいのですが、昨晩暗い中で眺めた限りでは、松本市街の桜もまだ十分見頃で、安曇野にまで足を伸ばせるかどうかは現時点では何ともいえません。
最後はもちろん夜桜見物で締めくくりますが、これも今のところどうするか決めかねています。昨日の日中の時点では、最後の最後は高遠に舞い戻って締めくくるということで固まっていたのが、いざ松本へ乗り込むと、散り際といわれていた松本の桜が思いのほか見事で、これを最後にするのも悪くないような気がしてきたのです。加えて、今回高遠で眺めた桜が、今まで訪ねた中でも最高だろうと思えるほどに見事で、それを昼夜それぞれ二回にわたり心ゆくまで鑑賞できただけに、十分すぎるほど満足できたということもあります。
たとえば安曇野あたりで日が暮れて、あとはいつものようにカリーをいただき一風呂浴びて、最後に松本城の濠端で夜桜を眺めて帰るとすれば、経路の上でも時間配分の上でも理想的でしょう。しかし、それでもなお、別れの挨拶代わりにもう一度だけ高遠の夜桜を眺めたいと思ったのであれば、その直感に従うのも悪くはありません。
要は、あれこれ思いを巡らせながらも、結局はいつもと同様風まかせということです。四日間の旅をどこで締めくくるかは、日が暮れたときの気分次第で考えたいと思います。
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