大学病院の近くを通りかかると、yspという看板が目についた。
ヤマハ専門店。ほとんど諦めかけてはいたが、なぜか吸い寄せられるように店内に足を踏み入れた。
果たして、薄暗い店の奥に1台のオートバイが置かれていた。RZ。しかも黒いマシン。
「最近はフルカウルがはやりだから、こういうのはあまり人気がないんだよね。」
しかし、店長の言葉は耳に入らなかった。
「コイツに乗るとしたら、手続きにどれ位の期間が必要ですか。」
「住民票を持ってくれば、明日にも乗れるよ。」
迷っている時間はない。すぐさま市役所に行き、夕方には住民票を持っていった。
思いがけず、RZに乗られることになった。当然、その夜は興奮して寝られなかった。
翌日はバスに乗ってショップに向かった。
夢にまで見たRZが、店先に置いてある。
店長がキックしてエンジンに火を入れた。バランバランとちょっと湿った音がする。
「あまり暖気する必要はないからね。」
アクセルを数回あおると、バーンと一気に暴力的なエンジン音に変わった。
サイレンサーから白煙が吐き出され、周囲に立ち込める。
2スト特有の、オイルの焼けるニオイが鼻をつく。
これだ。俺が求めていたのはこれだったんだ。
やっと手に入れたんだ。
ヤマハ専門店。ほとんど諦めかけてはいたが、なぜか吸い寄せられるように店内に足を踏み入れた。
果たして、薄暗い店の奥に1台のオートバイが置かれていた。RZ。しかも黒いマシン。
「最近はフルカウルがはやりだから、こういうのはあまり人気がないんだよね。」
しかし、店長の言葉は耳に入らなかった。
「コイツに乗るとしたら、手続きにどれ位の期間が必要ですか。」
「住民票を持ってくれば、明日にも乗れるよ。」
迷っている時間はない。すぐさま市役所に行き、夕方には住民票を持っていった。
思いがけず、RZに乗られることになった。当然、その夜は興奮して寝られなかった。
翌日はバスに乗ってショップに向かった。
夢にまで見たRZが、店先に置いてある。
店長がキックしてエンジンに火を入れた。バランバランとちょっと湿った音がする。
「あまり暖気する必要はないからね。」
アクセルを数回あおると、バーンと一気に暴力的なエンジン音に変わった。
サイレンサーから白煙が吐き出され、周囲に立ち込める。
2スト特有の、オイルの焼けるニオイが鼻をつく。
これだ。俺が求めていたのはこれだったんだ。
やっと手に入れたんだ。