エクストリームでGO!!

オートバイ、自転車、釣り、その他色々、スピード大好き40オヤジがちょいとエクストリームな気分で綴る・・・

白煙魂RZ (伍)

2008-01-08 22:43:17 | オートバイ
最後に迎えた2スト500CCクラスは、スピードも爆音も桁違いだった。

最終コーナーを抜け、ライダーのヘルメットが視界に入ったと思った次の瞬間、非現実的なスピードで目の前をマシンが一瞬にして通り過ぎる。撒き散らされる強烈な金属音に耳はキーンとなり何も聞こえなくなる。その時、自分の中では、白煙を巻き上げながら高速道路を疾走する黒いRZと、サーキットを駆けるマシンとがオーバーラップしていた。

ストレート、超高速域からの強烈なブレーキング。転倒しないのが奇跡としか言いようのない深いバンク角をキープして、彼らは正確にコーナーをトレースする。
トップはマールボロヤマハのエディ・ローソン、次いで同じくヤマハの平忠彦、三番手にはラッキーストライクヤマハのランディ・マモラの布陣で周回が重ねられていった。

そして迎えた最終ラップ。二番手の平忠彦はゴールギリギリの最終コーナー、ほんの僅かなスキを突いてエディをかわし、奇跡的にトップでチェッカーを受けた。誰も予測していなかった劇的な逆転に、会場は総立ちの状態となった。何と、天才は技術だけではなく、強運も持ち合わせていたのだった。

それにしても、オートバイというのは何と凄い乗り物なのか。
これは単なる移動手段ではない。我々を異次元に連れて行ってくれる、とても魅力的で、しかし、危険に満ち溢れた機械なのだ。

決めた。自分はオンロードバイクに乗る。しかし、レーサーレプリカではない。自分の心の中で強い存在感を放つ、黒いヤマハRZ250Rに乗る。
こうしてまた、一人のロケット少年が誕生したのだった。

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