私がオフ車に乗った理由。それは、当時流行していたエンデューロレースに出て、自分がどの程度のレベルか確かめたかったから。そこで選んだのは、当然勝てるマシンということでDT200WRでした。
写真は初期型で、私はマイナーチェンジした二型に乗っていました。
週末は自走でモトクロスコースに行き、ミラーとナンバーを外してひたすら練習。で、直線でフル加速すると上半身が置いていかれるためハンドルにしがみつき、両手はマメだらけ。そのうちマメがつぶれ、FOXのグローブはいつも血だらけでした・・・
どうにかならないものかと思っていたある日、友人がRJこと「リック・ジョンソン」のライテクビデオを貸してくれました。
← ちなにみこれは、リックのトレードマーク、テリヤ犬
それを見ていたら、「下り坂はとにかく背中を真っ直ぐに伸ばして乗るのがポイントだよ」という解説がありました。早速、モトクロスコースで実践してみると、確かにかなりスピードを出して(自分としては)下っても、その直後のヘアピンカーブでも余裕があります。「さすがリックはスゲーぜ」と思ったのですが、ふとひらめき、直線でフル加速した時にも背筋を伸ばして乗ってみるとこれが何と! 全然上半身が置いていかれないではありませんか!
しかも、何となく重心も低くなったような感じでとても楽に乗れるのです。ただし、周りのライダーは背筋を伸ばして乗るとかいう話は全然していなかったので、これは自分だけがそう感じているのかもしれないと思っていました。
その後、モトクロスで世界チャンピオンにもなった渡辺明氏が「ベストテク」というものを雑誌で解説しはじめました。これはちょっと、従前のテクニック解説とは180度考え方を変えないと理解し難い難しいものではあるのですが、そこで基本となるのは「背筋を伸ばして骨盤を起こす、股関節から脚部をしっかりと曲げる」というものでした。(これも文章だけ読むと難しいですね。)
で、その解説写真を見ると、自分が経験的に実践していた乗り方とかなり近いものがあったため、以降は常に「ベストテク」というものを念頭に置いてライディングすることになったというわけです。
ベストテクの中には色々な要素があるのですが、もしこのブログを見たオフ車乗りの方が興味を示された場合は、とにかくだまされたと思って「背筋をしっかりと伸ばして」ライディングしてみてください。猫背はぜったいにダメです。
猫背になると背中に力が入り、重心が背中に移るため不安定になりますが、背筋を伸ばすことにより重心が「へそ」の辺りに下がり安定するのだそうです。ドロドロの坂を登る時も、リアタイヤのトラクションが全然違いますよ。
ちなみに、この背筋を伸ばすというのは他のスポーツにもかなり共通するようです。サッカーの中田ヒデは、日本人の中では数少ない、常に背筋を伸ばしてしっかりと地面に足をつけて走っている選手だそうですし、古くはホークスの王監督もスランプの時は猫背で、好調の時はきちんと背筋が伸びていたそうです。背筋を伸ばすと内臓の圧迫も減るようですし・・・
たかが背中、されど背中・・・