曠野すぐりBLOG 「小説旅日記」

「途中から読んでも内容の分かる連載小説」をいくつか、あと日記を、のんびりと載せていきます。
 

古本屋ツアー・イン・ジャパン・イン・横浜 1軒目と2軒目の間

2014年01月01日 | 彷徨う
いつも当ブログをお読みいただいている皆さま、明けましておめでとうございます。
今年は昨年より頻繁にアップしていく予定ですので、よろしくお願いいたします。
 
 
ぞろぞろと、古ツアさんを先頭に列が進む。大通りを渡って京浜東北線(根岸線)をくぐり、大岡川を渡るとちょうど都橋商店街。呑み助には知られた、新宿ゴールデン街の一角を切り取って持ってきたような呑み屋の連なる建物だ。私もテレビでは観たことがあり、一度実物を見てみたいと思っていた。
これは意外な収穫だ。正直なところ、このツアーに参加するかどうかはかなり迷ったところだった。私の住んでいるのは東京北西部で横浜とはかなりの距離がある。そこへ持ってきて何かと忙しい12月。しかしそんなこと言ってたら、家からまったく出ないで年が終わってしまうことになる。それでエイヤッと参加に踏み切ったのだが、やはりこうやって一歩踏み出せばいろいろ面白いことに遭遇できるのだ。
 
都橋商店街は2階建てだが、ゴールデン街と違って一軒ずつに階段は付いてなく、運河側に渡り廊下があるカタチだ。廊下には、建物の両側にある階段を上がっていく。
昼なのでどこも閉まっていたが、ちょうど掃除で開け放していた店があったので覗いてみた。やはり想像通り5、6人でいっぱいという規模だった。なんだか、じっくり選んで購入した古本の一冊、それも文庫や新書でない一冊を持ち込んで、カウンターでひっそり呑みながらページをめくってみたいものだ。運河沿いにある、時代が止まってしまったような呑み屋街の小さな店で。きっと擦り切れてボロボロになった一冊の中に書かれた言葉が、より引き立つのではないか。
でもきっと、そんなふうに事は運ばないだろう。常連のおやっさんに話しかけられたり、音程の外れたカラオケを横で歌われたり、とてもゆっくり読めないに違いない。
 
運河沿いの道を進んでいくと、高架下に古本の入った箱が並べられてあった。ここがツアー2軒目の『黄金町アートブックバザール』なのだった。
 
(つづく)