名車として知られ、長く親しまれた1720系特急用電車「DRC(デラックスロマンスカー)」
の老朽化に伴う置き換えのために登場した車両である。
平成2年~平成3年にかけて6両編成×9本=54両が製造された。
製造を担当したメーカーはアルナ工機と東急車輛である。
車両愛称として「SPACIA(スペーシア)」と命名された。
編成の組み方は浅草側から順に以下の通り。
100-1形+100-2形+100-3形+100-4形+100-5形+100-6形
旅客案内での号車番号は逆方向の100-6形から順に付けられる。
車番の見方は十と一の位が編成番号、ハイフン以下が連結位置番号となる。
全車が電動車で-2、-4、-5に集電装置と主制御装置、-1と-6に補助電源装置、
-1、-3、-6に空気圧縮機などを搭載している。
平成2年にグッドデザイン賞、平成3年に鉄道友の会「ブルーリボン」賞を受賞した。
車体は東武鉄道の車両で初めてのアルミ合金製で軽量化と低重心化が図られた。
また客室への騒音対策のため、床板をDRCよりも厚くしている。
先頭部分は非貫通の流線型となっており、現在の目で見てもシンプルながら
流麗なスタイルとなっている。
塗装はジャスミンホワイトにサニーコーラルオレンジとパールルビーオレンジの
オレンジの帯、窓周りはブラックである。
行き先表示及び列車名表示は車体側面にあり、字幕式となっている。
客室は銀座東武ホテルの内装デザインを手がけたロバート・マーチャント氏により
デザインされ、6号車(100-1形)が4人用の個室、他が一般客室となる構成である。
4人用個室は6号車に4人用のものが6部屋設置され、この車両だけ通路が海側(浅草方面
列車で進行方向左側)にある。
個室内は4人向き合わせのソファと天然大理石を用いた大型テーブルが設けられて
いる。
ソファの肘掛は背もたれにしまうことも可能である。
通路側壁面には空調や照明の強弱を自由に操作できるパネルも設置されている。
この他にビュッフェへの直通呼び出しボタンがあったが、こちらはシートサービス
終了と共に撤去された。
また、窓の日除けとして電動ブラインドに厚手のカーテンとレースのカーテンを
設置していたが、こちらも通常の横引きカーテンだけになった。
一般客室は左右2列配置の回転式リクライニングシートで前後間隔が1100mm、
2面回転式フットレスト付きでJRのグリーン車に匹敵する設備を有する。
テーブルは肘掛内蔵で座席を向き合わせにしても使えるように配慮されているほか、
窓枠の框も幅広であり、飲み物のなどの小物を置くのには不自由しない。
荷棚の各座席上部にはスポット空調と読書灯が備わるほか、客室で入口上部には
LEDスクロール式の旅客案内装置を備える。
運行当初はオーディオサービス用のスピーカーを座席ヘッドレスト部分に埋め込み、
イヤホン無しでもBGMやラジオ放送を楽しめたが、現在は撤去されている。
3号車(100-4形)浅草側にはビュッフェがあり、飲み物や弁当、軽食の販売が
行われている。
登場時~平成7年まではオーダーエントリーシステムを用いたシートデリバリーも
実施していたが、現在はワゴン販売になった。
このため、ビュッフェは実質的に車内販売基地となったが、暖かい軽食の販売は
今も行われているため、機能はしている(該当のメニューを購入する場合は
乗客がビュッフェカウンターに赴く必要がある)。
このビュッフェに隣接して飲み物の自動販売機、電話室(カード式公衆電話を設置)
の他、サービスカウンターがあり、平成15年まではスチュワーデス(女性客室乗務員。
一般に航空会社の女性客室乗務員を指すが東武鉄道でもこの呼称を使用していた)
による観光案内などが行われていた。
なお、床面は全車がカーペット敷きとなっており、全体に高級ホテルを意識した
意匠をとり入れている。
トイレと洗面所は1・4・6号車(100-1形、100-3形、100-6形)でトイレは洋式と和式、
その向かいに洗面所という構成である。
洗面所には姿見を、一部のトイレには和式・洋式ともベビーベット(おむつ交換用)を
備える。
ドアは4号車以外(100-3形)の各車両1箇所ずつで扉は車体に段差を作らないように
するため、プラグドアを採用した。
主制御装置はGTO素子を用いたVVVFインバータ制御で日本の私鉄特急車で初めての
採用となった。
ブレーキ抑速ブレーキ付きの発電・回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキである。
台車は軸箱支持をSUミンデン式としたボルスタレス台車でモーターの駆動方式は
TDカルダン(中実軸平行カルダン)駆動方式である。
当初は横揺れ防止のヨーダンパーを備えていなかったが、平成3年に投入された
編成から装備され、それ以前の編成も装備するようになった。
全車両電動車で60km/h以上での定速度運転機能のほか、設計最高速度130km/h、
営業運転でも120km/hの高速運転が可能である。
併せて定加速領域が100km/h近くまでとかなり広くとられ、速度制御もジャーク制御を
用いることで起動加速時やノッチオフの時の電流量を徐々に調整することが可能であり、
加速・減速時の前後衝動がほとんど発生しないのも特徴である。
運転台は10000系電車などに準じたツーハンドル式のものを採用している。
なお、これらの豪華な内装と製造後20年を経て今なお通用する高性能な機能から
製造コストは1編成あたり13億4600万円と1両あたりの製造コストで新幹線N700系
並みとなっている。
運用は「きぬ」及び「けごん」で車内放送では車両愛称を含めて「スペーシア~」と
案内されるほか、日光・鬼怒川特急を併せて案内するときはそのまま「スペーシア」と
案内され、最早、東武日光・鬼怒川特急の代名詞となっている。
平成18年からは特急「スペーシアきぬがわ」としてJR東日本宇都宮線・湘南新宿ライン
経由で新宿までの乗り入れを開始した。
この乗り入れに伴い、106~108編成にJR用の各種保安装置及び切替スイッチ取り付け、
座席番号表記をJR方式のものを追記、6号車へのグリーン車マーク貼付け(4人用
個室はJRではグリーン個室として扱われる)、自動放送装置、旅客案内装置の更新と
方向幕交換などの改造を受けている。
これらのうち、特にJRが使用している信号炎管用の煙突は外観上、目立たないように
屋根の頂上部を凹ませて設置している。
既に登場から20年以上が経過しているが、置き換えの計画は無い。
ただし、平成23年度の事業計画でリニューアルが発表されている。
○ビュッフェを備える100-3形。ビュッフェなどがある部分の側面に「SPACIA」の
ロゴが入る。
○6号車の個室。これは東武博物館に展示されているモックアップ。
○JR湘南新宿ラインを行く「スペーシアきぬがわ」。奥の跨線橋は西武池袋線。
ちょっと離れているが東武日光線の車両と東武東上線の車両が池袋で顔を
合わせる事になった。
○ヘッドマーク2種類。昨今はこのようなヘッドマークを付けて運行される機会が
多い。
前者は外国向けの日本観光キャンペーン時のもの、後者は東日本大震災後の
応援メッセージである。
東武鉄道では震災後、福島県などからの避難者を逸早く積極的に採用した。
の老朽化に伴う置き換えのために登場した車両である。
平成2年~平成3年にかけて6両編成×9本=54両が製造された。
製造を担当したメーカーはアルナ工機と東急車輛である。
車両愛称として「SPACIA(スペーシア)」と命名された。
編成の組み方は浅草側から順に以下の通り。
100-1形+100-2形+100-3形+100-4形+100-5形+100-6形
旅客案内での号車番号は逆方向の100-6形から順に付けられる。
車番の見方は十と一の位が編成番号、ハイフン以下が連結位置番号となる。
全車が電動車で-2、-4、-5に集電装置と主制御装置、-1と-6に補助電源装置、
-1、-3、-6に空気圧縮機などを搭載している。
平成2年にグッドデザイン賞、平成3年に鉄道友の会「ブルーリボン」賞を受賞した。
車体は東武鉄道の車両で初めてのアルミ合金製で軽量化と低重心化が図られた。
また客室への騒音対策のため、床板をDRCよりも厚くしている。
先頭部分は非貫通の流線型となっており、現在の目で見てもシンプルながら
流麗なスタイルとなっている。
塗装はジャスミンホワイトにサニーコーラルオレンジとパールルビーオレンジの
オレンジの帯、窓周りはブラックである。
行き先表示及び列車名表示は車体側面にあり、字幕式となっている。
客室は銀座東武ホテルの内装デザインを手がけたロバート・マーチャント氏により
デザインされ、6号車(100-1形)が4人用の個室、他が一般客室となる構成である。
4人用個室は6号車に4人用のものが6部屋設置され、この車両だけ通路が海側(浅草方面
列車で進行方向左側)にある。
個室内は4人向き合わせのソファと天然大理石を用いた大型テーブルが設けられて
いる。
ソファの肘掛は背もたれにしまうことも可能である。
通路側壁面には空調や照明の強弱を自由に操作できるパネルも設置されている。
この他にビュッフェへの直通呼び出しボタンがあったが、こちらはシートサービス
終了と共に撤去された。
また、窓の日除けとして電動ブラインドに厚手のカーテンとレースのカーテンを
設置していたが、こちらも通常の横引きカーテンだけになった。
一般客室は左右2列配置の回転式リクライニングシートで前後間隔が1100mm、
2面回転式フットレスト付きでJRのグリーン車に匹敵する設備を有する。
テーブルは肘掛内蔵で座席を向き合わせにしても使えるように配慮されているほか、
窓枠の框も幅広であり、飲み物のなどの小物を置くのには不自由しない。
荷棚の各座席上部にはスポット空調と読書灯が備わるほか、客室で入口上部には
LEDスクロール式の旅客案内装置を備える。
運行当初はオーディオサービス用のスピーカーを座席ヘッドレスト部分に埋め込み、
イヤホン無しでもBGMやラジオ放送を楽しめたが、現在は撤去されている。
3号車(100-4形)浅草側にはビュッフェがあり、飲み物や弁当、軽食の販売が
行われている。
登場時~平成7年まではオーダーエントリーシステムを用いたシートデリバリーも
実施していたが、現在はワゴン販売になった。
このため、ビュッフェは実質的に車内販売基地となったが、暖かい軽食の販売は
今も行われているため、機能はしている(該当のメニューを購入する場合は
乗客がビュッフェカウンターに赴く必要がある)。
このビュッフェに隣接して飲み物の自動販売機、電話室(カード式公衆電話を設置)
の他、サービスカウンターがあり、平成15年まではスチュワーデス(女性客室乗務員。
一般に航空会社の女性客室乗務員を指すが東武鉄道でもこの呼称を使用していた)
による観光案内などが行われていた。
なお、床面は全車がカーペット敷きとなっており、全体に高級ホテルを意識した
意匠をとり入れている。
トイレと洗面所は1・4・6号車(100-1形、100-3形、100-6形)でトイレは洋式と和式、
その向かいに洗面所という構成である。
洗面所には姿見を、一部のトイレには和式・洋式ともベビーベット(おむつ交換用)を
備える。
ドアは4号車以外(100-3形)の各車両1箇所ずつで扉は車体に段差を作らないように
するため、プラグドアを採用した。
主制御装置はGTO素子を用いたVVVFインバータ制御で日本の私鉄特急車で初めての
採用となった。
ブレーキ抑速ブレーキ付きの発電・回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキである。
台車は軸箱支持をSUミンデン式としたボルスタレス台車でモーターの駆動方式は
TDカルダン(中実軸平行カルダン)駆動方式である。
当初は横揺れ防止のヨーダンパーを備えていなかったが、平成3年に投入された
編成から装備され、それ以前の編成も装備するようになった。
全車両電動車で60km/h以上での定速度運転機能のほか、設計最高速度130km/h、
営業運転でも120km/hの高速運転が可能である。
併せて定加速領域が100km/h近くまでとかなり広くとられ、速度制御もジャーク制御を
用いることで起動加速時やノッチオフの時の電流量を徐々に調整することが可能であり、
加速・減速時の前後衝動がほとんど発生しないのも特徴である。
運転台は10000系電車などに準じたツーハンドル式のものを採用している。
なお、これらの豪華な内装と製造後20年を経て今なお通用する高性能な機能から
製造コストは1編成あたり13億4600万円と1両あたりの製造コストで新幹線N700系
並みとなっている。
運用は「きぬ」及び「けごん」で車内放送では車両愛称を含めて「スペーシア~」と
案内されるほか、日光・鬼怒川特急を併せて案内するときはそのまま「スペーシア」と
案内され、最早、東武日光・鬼怒川特急の代名詞となっている。
平成18年からは特急「スペーシアきぬがわ」としてJR東日本宇都宮線・湘南新宿ライン
経由で新宿までの乗り入れを開始した。
この乗り入れに伴い、106~108編成にJR用の各種保安装置及び切替スイッチ取り付け、
座席番号表記をJR方式のものを追記、6号車へのグリーン車マーク貼付け(4人用
個室はJRではグリーン個室として扱われる)、自動放送装置、旅客案内装置の更新と
方向幕交換などの改造を受けている。
これらのうち、特にJRが使用している信号炎管用の煙突は外観上、目立たないように
屋根の頂上部を凹ませて設置している。
既に登場から20年以上が経過しているが、置き換えの計画は無い。
ただし、平成23年度の事業計画でリニューアルが発表されている。
○ビュッフェを備える100-3形。ビュッフェなどがある部分の側面に「SPACIA」の
ロゴが入る。
○6号車の個室。これは東武博物館に展示されているモックアップ。
○JR湘南新宿ラインを行く「スペーシアきぬがわ」。奥の跨線橋は西武池袋線。
ちょっと離れているが東武日光線の車両と東武東上線の車両が池袋で顔を
合わせる事になった。
○ヘッドマーク2種類。昨今はこのようなヘッドマークを付けて運行される機会が
多い。
前者は外国向けの日本観光キャンペーン時のもの、後者は東日本大震災後の
応援メッセージである。
東武鉄道では震災後、福島県などからの避難者を逸早く積極的に採用した。