水の丘交通公園

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万葉線 MLRV1000形 「AI-TRAM(アイトラム)」

2008-08-05 22:36:44 | 電車図鑑・路面電車
老朽化した在来車の置き換えと、車両の体質改善のため、平成15年に登場した
車両である。

平成9年に熊本市交通局が導入した、ドイツ・アドトランツ社製の9700形電車を
基本に制御装置などの国産化を進めたものである。
車体はノンステップ2体連接で、各車体に台車を一つずつ持ち、連接部分には
台車を設置していない。

車内は台車の上がクロスシートで、他がロングシートのセミクロスシート配置と
なっている。
ドアは両開きプラグ開閉式のものが各車片側1箇所ずつ、計2箇所である。
曲面を多用した柔らかなデザインながら、スカーレットとブラックで構成された
カラーリングでインパクトのある外観となっている。
行き先表示は3色LEDで、正面と側面に設置されている。

運転台は片手操作式ワンハンドルマスコンで主制御装置はIGBT方式のVVVF制御である。
ブレーキは油圧式ディスクブレーキと電磁吸着式トラックブレーキを採用している。
台車は車軸のないボギー台車である。
制御装置や電源装置などは床下に配置できないため、屋根上に配置されている。

車両形式の「MLRV」とは「Manyousen Light Rail Vehicle」の略で「万葉線の
ライトレール車両」という意味である。
愛称は「アイトラム」で、富山湾を吹く「あいの風」と「愛される」という意味と
路面電車を示す「トラム」を組み合わせたものとなっている。

平成16年1月の営業投入後、ブレーキ故障や脱線事故に見舞われるなど、
トラブルが相次ぎ、同年9月から翌年3月まで2本とも使用を停止する破目に
陥った。
この件で万葉線は製造を担当した新潟トランシスを提訴した。
その結果、車両部品の無償交換と運休に伴う迷惑料をメーカー側が支払うことで
示談が成立した。
なお、脱線の原因は台車の車輪のフランジ厚が薄かったためで、これを厚くして
レールを挟み込む力を強くすることで、一応の解決を見ている。

また、当初、年に2編成ずつ投入して在来車を置き換える予定であったが、
平成17年度は軌道施設の改修に予算を集中したため、同年は増備がなく、
平成18年に第3編成が増備されて、現在に至っている。

運用は在来車と分けられており、各駅設置の時刻表でも確認できる。
本形式の運用は、時刻表で明確に分けられている。
特に平日は在来車が運行に入るため、本形式の運用が少なくなるので、
乗りに行かれる際は注意が必要となる。


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