
東北地区に多く存在していた客車列車や老朽化の進んでいた元特急用電車改造の
715系、急行形車両の455系などの置き換えのために登場した車両である。
平成5年~平成12年にかけて263両が製造された。
製造を担当したメーカーは川崎重工とJR東日本土崎工場である。
編成の組み方、形式、番台区分は以下の通り。
2連:クモハ701+クハ700 3連:クモハ701+サハ701+クハ700
4連:クモハ701+サハ700+モハ701+クハ700
・形式区分
クモハ701形:制御電動車。普通車。基本、100、1000、1500、5000、5500番台。
クハ700形:制御車。普通車。便所付き。基本、100、1000、1500、5000、5500番台。
サハ701形:中間付随車。普通車。基本、100番台。
サハ700形:中間付随車。普通車。蓄電池装備。1000番台のみ。
・番台区分
基本番台:最初に登場したグループ。2連×24本と3連×13本の87両が製造された。
配置は秋田で奥羽本線、羽越本線、津軽線で運用されている。
100番台:基本番台の改良型で2連×5本と3連×1本の13両が製造された。
蓄電池を鉛電池からアルカリ電池に、補助電源装置の電動発電機をSIVに
変更した他、尾灯の位置などが変更されている。
配置は秋田と仙台だが、現在は大半が秋田に配置。
1000番台:盛岡・仙台地区で運用されていた715系電車置き換えのために登場。
2連×38本と4連×4本の92両が製造された。一部はIGRいわて銀河鉄道や
青い森鉄道に譲渡されている。
1500番台:1000番台の改良型。回生ブレーキの有効範囲の拡大と屋根上に設置された
ブレーキ用抵抗器がなくなった点が異なる。また、クモハ701-1509+クハ700-1509
以降は便所が身障者対応のものに変更された。2連×18本=36両製造。
5000番台:秋田新幹線開通に伴う田沢湖線の標準軌間区間専用車として登場した
グループ。テールランプの位置が変更された他、車内も進行方向の片方を
互い違いにボックスシート配置にしたセミクロスシートとなり大幅に変更された。
2連×10本=20両在籍。
5500番台:山形新幹線山形~新庄間延伸に伴い導入されたグループ。
2連×9本=18両が製造された。外観は5000番台の帯色違い、車内の仕様等は
1500番台の1509以降に順ずる。
車体はステンレス製で京浜東北線で導入が始まっていた209系電車の製法を採り入れた
ものを採用した。
正面はFRPの飾りがついた切妻型で分割・併合に対応するため、正面中央部に
貫通扉を設けている。
正面下部にはスカートが設置されたが、後に強化型のものへ交換されている。
行き先・種別表示は正面と側面にあり、基本的に字幕式であるが、一部はLED化
されているものも存在する。
帯色は配置されている線区によって異なり、秋田がマゼンダの濃淡、
仙台がグリーンに赤白の細帯、盛岡がパープルの濃淡、山形がグリーンにベニバナ色と
白の細帯である。
車内はオールロングシートで、登場時から物議を醸し出した。
これは本形式を基本的に長距離より、せいぜい近郊区間程度の中距離で使うことと
通勤通学時間帯の乗降時間短縮に主眼を置いたためである。
これにより、混雑時の定時運転の確保に大きく貢献したものの編成の短縮化と
座席の減少というサービス低下も招いたことから批判の対象となった。
その後の本形式の使用環境の変化で長距離運用も増えたことから、一部の車両で
進行方向の片方だけをボックスシートにしたセミクロスシートとしたものも
登場している(5000番台のみ登場時よりこれを採用)。
なお、肘掛の形状が209系と同じ大型の板状となっていることで誤解を生みやすいが、
座席の構造そのものは従来のものと同等で柔らかく掛け心地も悪くないものを
採用している。
ドアは片側3箇所・両引き戸で新在直通区間で運用される5000・5500番台以外は
低いホームに対応するためのドアステップが設けられている。
また、地域柄、冬季の防寒対策としてドアを半自動扱いとすることが可能で
ドア横のスイッチで開閉することが可能である。
側面窓は一部固定でドア間4つあるうち真ん中の2つが上段下降・下段固定の
2段窓である。
投入されている線区によってはワンマン運転機器を搭載している。
クハ700形に便所を設置しており、基本的に和式のものを採用しているが、後期に
製造されたものから車椅子対応の洋式のものへ変更され、設置位置も車端部から
運転席側ドア間へ移動している。
主制御装置は主変換装置にパワートランジスタ素子を使用したVVVFインバータ制御で
初期車はGTO方式、1500番台後期型、5500番台はIGBT方式ある。
ブレーキは抑速・発電ブレーキ併用、若しくは回生ブレーキ併用の電気指令式
空気ブレーキである。
発電ブレーキ付きの車両は天井部にブレーキ抵抗装置が装備されているが、
回生ブレーキ車ではそれが廃止されている。
台車は軸箱支持をモノリンク式とした空気バネ式ボルスタレス台車でモーターの
駆動方式は中空軸平行カルダン駆動である。
運転台はデスク型ツーハンドル方式で簡易も似た装置による各機器の監視が
可能となっている。
また、電動車の不調時には不調なモーターへの送電をカットすることが出来る
スイッチを設置している。
運転室は片隅式でワンマン運転時の進行方向後方や連結時は運転台を締め切って
車掌台側を客室スペースとすることが可能である。
登場以来、客室設備についての非難を浴びながらも数を増やしていき、ラッシュ時の
輸送力改善や列車遅延の拡大防止、輸送効率の向上に貢献した。
平成14年の東北新幹線八戸延伸時に東北本線の盛岡~八戸間が並行在来線として
第三セクター化されたのを機にそれらを引き継いだIGRいわて銀河鉄道と
青い森鉄道に譲渡車が発生している。
これらについては、いずれ機会を見て(というか撮影できたら)紹介しようと思う。
登場後の主な改造としては行き先表示のLED化、スカートの強化、パンタグラフの
シングルアーム化、主変換機・主制御装置の更新、発電ブレーキの撤去と
回生ブレーキ化、ワンマン運転用ディスプレイの液晶化などがある。
今後、各車両にこれらの改造が行われていくものと思われる。
なお、先の東日本大震災において本形式の被害状況についてだが、少なくとも
平成23年5月現在で廃車は発生していない模様である。

○秋田カラー。

○サハ701形。写真は基本番台。

○仙台カラー。東北本線では一ノ関~黒磯間で見られる。

○運転台。201系や205系など国鉄末期の新車を思い出させる構成。


○車内。上が秋田車。下が盛岡車。座席の色などが異なる。
715系、急行形車両の455系などの置き換えのために登場した車両である。
平成5年~平成12年にかけて263両が製造された。
製造を担当したメーカーは川崎重工とJR東日本土崎工場である。
編成の組み方、形式、番台区分は以下の通り。
2連:クモハ701+クハ700 3連:クモハ701+サハ701+クハ700
4連:クモハ701+サハ700+モハ701+クハ700
・形式区分
クモハ701形:制御電動車。普通車。基本、100、1000、1500、5000、5500番台。
クハ700形:制御車。普通車。便所付き。基本、100、1000、1500、5000、5500番台。
サハ701形:中間付随車。普通車。基本、100番台。
サハ700形:中間付随車。普通車。蓄電池装備。1000番台のみ。
・番台区分
基本番台:最初に登場したグループ。2連×24本と3連×13本の87両が製造された。
配置は秋田で奥羽本線、羽越本線、津軽線で運用されている。
100番台:基本番台の改良型で2連×5本と3連×1本の13両が製造された。
蓄電池を鉛電池からアルカリ電池に、補助電源装置の電動発電機をSIVに
変更した他、尾灯の位置などが変更されている。
配置は秋田と仙台だが、現在は大半が秋田に配置。
1000番台:盛岡・仙台地区で運用されていた715系電車置き換えのために登場。
2連×38本と4連×4本の92両が製造された。一部はIGRいわて銀河鉄道や
青い森鉄道に譲渡されている。
1500番台:1000番台の改良型。回生ブレーキの有効範囲の拡大と屋根上に設置された
ブレーキ用抵抗器がなくなった点が異なる。また、クモハ701-1509+クハ700-1509
以降は便所が身障者対応のものに変更された。2連×18本=36両製造。
5000番台:秋田新幹線開通に伴う田沢湖線の標準軌間区間専用車として登場した
グループ。テールランプの位置が変更された他、車内も進行方向の片方を
互い違いにボックスシート配置にしたセミクロスシートとなり大幅に変更された。
2連×10本=20両在籍。
5500番台:山形新幹線山形~新庄間延伸に伴い導入されたグループ。
2連×9本=18両が製造された。外観は5000番台の帯色違い、車内の仕様等は
1500番台の1509以降に順ずる。
車体はステンレス製で京浜東北線で導入が始まっていた209系電車の製法を採り入れた
ものを採用した。
正面はFRPの飾りがついた切妻型で分割・併合に対応するため、正面中央部に
貫通扉を設けている。
正面下部にはスカートが設置されたが、後に強化型のものへ交換されている。
行き先・種別表示は正面と側面にあり、基本的に字幕式であるが、一部はLED化
されているものも存在する。
帯色は配置されている線区によって異なり、秋田がマゼンダの濃淡、
仙台がグリーンに赤白の細帯、盛岡がパープルの濃淡、山形がグリーンにベニバナ色と
白の細帯である。
車内はオールロングシートで、登場時から物議を醸し出した。
これは本形式を基本的に長距離より、せいぜい近郊区間程度の中距離で使うことと
通勤通学時間帯の乗降時間短縮に主眼を置いたためである。
これにより、混雑時の定時運転の確保に大きく貢献したものの編成の短縮化と
座席の減少というサービス低下も招いたことから批判の対象となった。
その後の本形式の使用環境の変化で長距離運用も増えたことから、一部の車両で
進行方向の片方だけをボックスシートにしたセミクロスシートとしたものも
登場している(5000番台のみ登場時よりこれを採用)。
なお、肘掛の形状が209系と同じ大型の板状となっていることで誤解を生みやすいが、
座席の構造そのものは従来のものと同等で柔らかく掛け心地も悪くないものを
採用している。
ドアは片側3箇所・両引き戸で新在直通区間で運用される5000・5500番台以外は
低いホームに対応するためのドアステップが設けられている。
また、地域柄、冬季の防寒対策としてドアを半自動扱いとすることが可能で
ドア横のスイッチで開閉することが可能である。
側面窓は一部固定でドア間4つあるうち真ん中の2つが上段下降・下段固定の
2段窓である。
投入されている線区によってはワンマン運転機器を搭載している。
クハ700形に便所を設置しており、基本的に和式のものを採用しているが、後期に
製造されたものから車椅子対応の洋式のものへ変更され、設置位置も車端部から
運転席側ドア間へ移動している。
主制御装置は主変換装置にパワートランジスタ素子を使用したVVVFインバータ制御で
初期車はGTO方式、1500番台後期型、5500番台はIGBT方式ある。
ブレーキは抑速・発電ブレーキ併用、若しくは回生ブレーキ併用の電気指令式
空気ブレーキである。
発電ブレーキ付きの車両は天井部にブレーキ抵抗装置が装備されているが、
回生ブレーキ車ではそれが廃止されている。
台車は軸箱支持をモノリンク式とした空気バネ式ボルスタレス台車でモーターの
駆動方式は中空軸平行カルダン駆動である。
運転台はデスク型ツーハンドル方式で簡易も似た装置による各機器の監視が
可能となっている。
また、電動車の不調時には不調なモーターへの送電をカットすることが出来る
スイッチを設置している。
運転室は片隅式でワンマン運転時の進行方向後方や連結時は運転台を締め切って
車掌台側を客室スペースとすることが可能である。
登場以来、客室設備についての非難を浴びながらも数を増やしていき、ラッシュ時の
輸送力改善や列車遅延の拡大防止、輸送効率の向上に貢献した。
平成14年の東北新幹線八戸延伸時に東北本線の盛岡~八戸間が並行在来線として
第三セクター化されたのを機にそれらを引き継いだIGRいわて銀河鉄道と
青い森鉄道に譲渡車が発生している。
これらについては、いずれ機会を見て(というか撮影できたら)紹介しようと思う。
登場後の主な改造としては行き先表示のLED化、スカートの強化、パンタグラフの
シングルアーム化、主変換機・主制御装置の更新、発電ブレーキの撤去と
回生ブレーキ化、ワンマン運転用ディスプレイの液晶化などがある。
今後、各車両にこれらの改造が行われていくものと思われる。
なお、先の東日本大震災において本形式の被害状況についてだが、少なくとも
平成23年5月現在で廃車は発生していない模様である。

○秋田カラー。

○サハ701形。写真は基本番台。

○仙台カラー。東北本線では一ノ関~黒磯間で見られる。

○運転台。201系や205系など国鉄末期の新車を思い出させる構成。


○車内。上が秋田車。下が盛岡車。座席の色などが異なる。