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阪堺電気軌道 モ351形電車

2013-01-26 16:45:40 | 電車図鑑・路面電車
老朽化の進んだ大型木造車のモ101形電車の置き換えの為に登場した車両である。
昭和37年~昭和38年にかけて351号~355号の5両が製造された。
製造を担当した会社は帝国車輛である。
阪堺電車が南海電鉄時代だったころに作った車両としては最後の新車となった。

車体は高性能電車のモ501形と同等の全鋼製車体を採用した。
外観だけではほぼ区別はつかないが、モ353~モ355の3両は中ドアの横の
車掌用窓を引き違い窓としていた点が異なる。
行先表示は正面にあり、以前は向かって左に系統番号表示の小窓、右に行先表示の
長窓を配置していたが、字幕を在来車と共通化するため、現在の中央小窓配置とされている。
塗装は上半分がクリーム、下半分はダークグリーンで登場したが、今は全車広告塗装である。

車内はモ501形と同じくオールロングシートである。
本形式では乗り降りを容易にするため、運転席横のドア付近の座席を1人分削って
6人掛けになった。
ドア配置は前中式2ドアでいずれも片引き戸、窓は一段下降式である。

主制御装置は抵抗制御で新造品の油圧カム軸式多段自動加速制御器を採用した。
ブレーキは直通管付の空気自動ブレーキを採用していたが後に直通管を廃止して
通常の空気自動ブレーキに改造されている。
モーターはモ101形のものを流用し、駆動方式も吊り掛け駆動であるが、
台車はモ501形電車のベローズ式空気ばねを枕ばねとしたエコノミー台車を採用し、
乗り心地の向上化を図っている。

モ501形に続く新型車両として利用客には好評を博したが、モーター以外の全ての機器類を
新造しているため、コスト面で難があり、355号車の増備後は大阪市電から旧形電車の
車体を購入してモ101形の機器を取り付けたモ121形電車へとシフトしている。
昭和51年にワンマン化改造を実施し、昭和61年に冷房化改造を実施してほぼ現在の姿になった。
この冷房化改造により車体重量が増したため、ブレーキ性能が低下した。
平成13年にはモ161形と機器を共通化するため、モ301形電車が廃車になった際、
そのモーターを流用している。
平成24年度現在、全車両が健在で運用に就いている。


〇台車。モ501形に比べてやや簡素な雰囲気。


〇シャボン塗装になっていた頃のモ351号車。後に広告が付いたため、塗装が変更された。


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