平成4年の函館市市制施行70周年を記念して、戦前に除雪車に改造された電車を
再度、旅客車として翌平成5年に復元したものである。
本形式は元々、千葉交通の前身である成宗電気軌道(成田三門前~本社前ほか)が
開業に向けて導入した車両である。
明治43年に天野工場(→日本車輛東京支店)で製造された。
成宗時代の車番は不明である。
車体は木製でオープンデッキスタイル(ベスチビュール付)の4輪単車である。
正面は3枚窓、中央下部にヘッドライトを備える。
車内はオールロングシートで、既述の通りオープンデッキ構造であり、
ドアはない(客室とデッキを仕切るドアはある)。
主制御装置は抵抗制御(直接式)でブレーキは発電ブレーキとハンドブレーキである。
台車は英国マウンテン・ギブソン社のもので駆動方式は吊り掛け式である。
成宗電気軌道の経営不振により、売りに出されていた電車のうち、本形式を含む
5両を函館市交通局の前身である函館水電が払い下げ、36~40号として
就役させた。
大正15年1月に発生した新川橋車庫の火災で2両、昭和9年3月の函館大火で2両が
焼失したが、この39号車は唯1両、2度の大火災から逃げ切り、焼失を免れている。
昭和12年にブルーム式除雪車排形、いわゆる「ササラ電車」に改造された。
主な改造内容はブルーム式除雪装置設置、車内への除雪装置の各種機器搭載、
座席撤去、デッキ撤去、運転台機器移設、ブレーキの空気自動ブレーキ化、
台車振り替え(マウテン・ギブソン社製→ブリル社製)などである。
車番は雪2号(排形2号)となった。
ちなみにこの除雪車は明治~大正生まれの電車ばかり6両を改造したもので、
雪1号車は西鉄の前身の九州水力電気・博軌電車から、雪3号車~6号車は東京市電
ヨヘロ形を母体としている。
除雪車に改造されてからは冬季に動く程度であった。
昭和から平成に年号が変わる頃から、市民団体を中心に排形を旅客車時代の
姿に復元しようとする動きがあり、平成4年、雪2号車を39号車へ復元されることが
決定された。
復元に際しては、現在の基準に適合させつつも、残された図面を参考に忠実に
旅客車両時代の姿に復元された。
当時は木造車体だったが、新車体は半鋼製である。
車内はロングシートで、こちらも現役時代のものを忠実に再現した。
塗装は白に赤で、側板の塗り分けを工夫することで木部を強調している。
窓は一段下降式で、現在の様にバランサー付きのものではなく、
窓枠に引っ掛けてあるものを落とすものである。
屋根上にはトロリーポールが設置されているが、ダミーで集電装置はZパンタである。
台車は除雪車時代に振り替えたブリル社のものを改修の上でそのまま使用している。
オープンデッキ構造のため、運用期間は概ね4月~10月の間で火曜日と水曜日は
点検のため運休となる。
営業区間は駒場車庫前~函館どつく前・谷地頭が基本で出庫列車などの一部が
湯の川まで運用される。
運賃は他の列車と同じだが、車掌が乗務するツーマンカーで、
カードリーダーがないのでイカすカードが使えない。
なお、現在も残る排形電車2両のうち1両が平成23年に都電開業100周年を記念して
東京に帰ってくる予定である。
○塗装で木部を再現したサイドビュー。
再度、旅客車として翌平成5年に復元したものである。
本形式は元々、千葉交通の前身である成宗電気軌道(成田三門前~本社前ほか)が
開業に向けて導入した車両である。
明治43年に天野工場(→日本車輛東京支店)で製造された。
成宗時代の車番は不明である。
車体は木製でオープンデッキスタイル(ベスチビュール付)の4輪単車である。
正面は3枚窓、中央下部にヘッドライトを備える。
車内はオールロングシートで、既述の通りオープンデッキ構造であり、
ドアはない(客室とデッキを仕切るドアはある)。
主制御装置は抵抗制御(直接式)でブレーキは発電ブレーキとハンドブレーキである。
台車は英国マウンテン・ギブソン社のもので駆動方式は吊り掛け式である。
成宗電気軌道の経営不振により、売りに出されていた電車のうち、本形式を含む
5両を函館市交通局の前身である函館水電が払い下げ、36~40号として
就役させた。
大正15年1月に発生した新川橋車庫の火災で2両、昭和9年3月の函館大火で2両が
焼失したが、この39号車は唯1両、2度の大火災から逃げ切り、焼失を免れている。
昭和12年にブルーム式除雪車排形、いわゆる「ササラ電車」に改造された。
主な改造内容はブルーム式除雪装置設置、車内への除雪装置の各種機器搭載、
座席撤去、デッキ撤去、運転台機器移設、ブレーキの空気自動ブレーキ化、
台車振り替え(マウテン・ギブソン社製→ブリル社製)などである。
車番は雪2号(排形2号)となった。
ちなみにこの除雪車は明治~大正生まれの電車ばかり6両を改造したもので、
雪1号車は西鉄の前身の九州水力電気・博軌電車から、雪3号車~6号車は東京市電
ヨヘロ形を母体としている。
除雪車に改造されてからは冬季に動く程度であった。
昭和から平成に年号が変わる頃から、市民団体を中心に排形を旅客車時代の
姿に復元しようとする動きがあり、平成4年、雪2号車を39号車へ復元されることが
決定された。
復元に際しては、現在の基準に適合させつつも、残された図面を参考に忠実に
旅客車両時代の姿に復元された。
当時は木造車体だったが、新車体は半鋼製である。
車内はロングシートで、こちらも現役時代のものを忠実に再現した。
塗装は白に赤で、側板の塗り分けを工夫することで木部を強調している。
窓は一段下降式で、現在の様にバランサー付きのものではなく、
窓枠に引っ掛けてあるものを落とすものである。
屋根上にはトロリーポールが設置されているが、ダミーで集電装置はZパンタである。
台車は除雪車時代に振り替えたブリル社のものを改修の上でそのまま使用している。
オープンデッキ構造のため、運用期間は概ね4月~10月の間で火曜日と水曜日は
点検のため運休となる。
営業区間は駒場車庫前~函館どつく前・谷地頭が基本で出庫列車などの一部が
湯の川まで運用される。
運賃は他の列車と同じだが、車掌が乗務するツーマンカーで、
カードリーダーがないのでイカすカードが使えない。
なお、現在も残る排形電車2両のうち1両が平成23年に都電開業100周年を記念して
東京に帰ってくる予定である。
○塗装で木部を再現したサイドビュー。