願わくは

曇り。16－14℃

私は、雨や曇りの日も大好き、
凍えるほど寒くなければ、鉛色の空も大好き。






人生の長い長いスランプに陥っている模様。
脳に酸素を取り入れに、外に出た。

故「やいやい」をよこした餌やりさん、
子供のいないＭさんの家が売り家だったのが、
今日は取り壊され始めているのに気が付いた。


去年の夏、末期がんで亡くなるという時に、
猫2匹をケアマネージャーに、私の家に持っていくように頼んできたが、
私もリウマチ熱でしんどくて引き受けられなくて、
一応、ボランティア団体を紹介はしたのだが。

更地になっていく家を見て、、、
つまり、Ｍさんも（おそらくは猫達も）、
この世には、もういないということを私は確信したわけです…。

あの時は、どうしようもなかった。
私は、自分の未来を見たようで、辛くて下を見た。

地面には、
見事な鬼あざみのロゼットが、たくましく芽生えていた。

そのまま、歩き続ける、
猫の餌を調達するホームセンターの駐車場は、桜が満開だった。









西行の有名な句。


願はくは　花の下にて　春死なむ　
そのきさらぎの　望月のころ


彼女は、幸せだったのだろうか？
半年前までは確かに存在していたものが、あっけなく消えていく…。

歩き続け、
本屋に立ち寄り、
流れているクラッシックのバイオリンの音に、しばし耳を傾けた。

萩尾望都さん、絵柄が変わった。

変化しないものなんてないんだって、
そんなこと、とっくにわかっているつもりなのに、
それでも、変化についていけず、
過去を向いてしまうのはどういうわけだ。

今はただ、この春爛漫を楽しむべきなのだ。













市井の人々の営みで、
よく手入れされた生垣や、階段迄飾られたサクラソウを味わえ。




母が愛したルピナス。

私の好きなアケビ。



しっかりと、行く春を、この目に焼き付けよう！

やがて、私の好きなサイクリングロードに到着した。

ここは、今が一番美しい季節だと思う。

我が家の池に網を張らない前は、
毎年3月には金魚が欲しくて、鷺が来ていたものだ。







いたいた！




土手には土筆が出ていた。
休日には野蒜を摘んだりする人もいる。


同じ西行でも、今はこうあるべきか。


散る花を 惜しむ心や とどまりて
また来ん春の たねになるべき



「きーじくん、ただいまー！」



「おかえりぃー！下僕。」




※まさに春！ベートーベン作曲
ヴァイオリン・ソナタ第５番ｏｐ.２４「春」～第１楽章


Violin Sonata No. 5 Opus 24 "Spring" - 1st Movement by Beethoven (Mine Version)