宮川歯科医院 院長ブログ

堺市西区の宮川歯科医院 院長の宮川和人がブログで色々なことを語ります。

昔に比べて子ども達の歯(永久歯)は、大きくなってきている?

2011年09月08日 | 歯のお話
 最近、歯並びのご相談にお見えになるお子さんの中に、大きなサイズの永久歯が、生えてきているケースが増えてきているように思われます。
実際に、10年以上前から、学校歯科医などの間で「子ども達の永久歯が大きく
なってきているような気がする」ということが話題になっていた時期がありました。当時は専門家の間でも、いろいろと意見が分かれ、「歯が大きくなっているとは言えない」という考えが大半をしめました。
ところが最近の研究ですべての種類の永久歯のサイズが、1940年代生まれ
から1990年代生まれと時代が現代に近づくに従って、その大きさが大きく
なってきていることが分かってきました。
しかし、永久歯が大きくなってくることは、人類の進化の過程で逆行している
現象だそうです。人類史上、骨格や筋肉は現代人に近づく程、きゃしゃで、歯
は小さく、本数も減ってきています。猿人と呼ばれていた人たちは、私たち
よりはるかに大きな歯を持っていることが分かっています。
歯の本数にしても、親御さんに親知らずがあったのに、お子さんにはないケースをよく見かけます。
戦後の日本の社会で生活環境や食生活に大きな変化があり、平均身長が10センチも伸びた時期があったそうです。このような急激な体の反応に対して、
一時的に歯が大きくなるという逆行する進化が起きたと考える見方もあるそうです。
食べ物の種類やその硬さの変化が、噛む回数を減らし、あごが小さく、細く、
きゃしゃな方向に成長、発育していくだけでなく、大きくなりつつある永久歯が
生えてくることで、このアンバラスがさらなる「歯並びの悪い子供たち」を
増やしている一つの原因になっているのではないかと思います。