宮川歯科医院 院長ブログ

堺市西区の宮川歯科医院 院長の宮川和人がブログで色々なことを語ります。

『木のいのち 木のこころ』を読んで

2007年10月28日 | 気まぐれ日記
 法隆寺などの重要文化財の建物の解体修理を果たし、最後の宮大工棟梁と言われた西岡常一さん(1908~1995)が書き残された名著です。そのなかでこんな
一説があります。
 だいたい職人というのは頑固ですわ。人のいうことを簡単には聞きません。自分
 に自身がありますさかいな。またいい職人はその自信が大事なんです。職人と
 いうのはそういう腕自慢のところがありますし、まったくなかったらやっていけまん
 けど、性根のまがったのもおりますわ。それでも辞めさせたりはしませんな。また
 学校の先生のように、性根が曲がっているから直してやろうということもありませんな。その人はそれでちゃんとした職人ですし、性根というのは直せるもんやないですわ。やっぱり包容して、その人なりの場所に入れて働いてもらうんですな。
曲がったものは曲がったなりに、曲がったところに合うところにはめ込んでやらな、いかんですな。
 癖というのもなにも悪いもんやない、使い方なんです。癖のあるものを使うのは
厄介なもんですけど、うまく使ったらそのほうがいいということもありますのや。
人間と同じですわ。癖の強いやつほど命も強いという感じですな。癖のない素直
な木は弱い。力も弱いし耐用年数も短いですな。
 
 ここで言われている曲がった性根や癖は、まさに個性のことだと思う。
 また、この著書の中でこんなことも語っておられます。

 大工は木の性質、癖を生かして耐用年数一杯は持たせな自然の命の無駄使いですわ。まして癖があるからというて、その木をはじいて使わんというのは、
もってのほかでんな。人間と同じです。癖は生かして使こうてやるのが務めですわ。
 
 いったい今まで自分はどれくらい『個性』を大切に考えてきたか、改めて見直す
よいきっかけを与えてくれた名著だと思う。個の尊重=組織力の源になる教えの
例えだと感じた。

口臭予防について(その1)

2007年10月25日 | 歯のお話
 口臭の予防および治療に関してまず大切なのは患者さんの悩みを聞かせていただき、いままで取り組んでこられたやり方のどこに問題があったのかをよく検討する
ことから始めていきます。そしてお互いの共通の目標(ここではご自分の口臭が
感じなくなる事)を持つことでよりよい関係を築き上げることが、とても重要になると
考えています。
当院のある患者さんは、ご自分の口臭予防のために『唾液の出る量が減って、口の中がネバネバするので、口臭予防のために飴やミントキャンディを舐めていました。』と語ってくれました。確かにこのようなキャンディは一時的に口臭を抑えてくれる
効果はあるかもしれませんが、むし歯の原因になってしまいます。キシリトール100%のガムやタブレットであればこのような心配はなくなるでしょう。これは
まだほんの一例にしか過ぎませんが、これからも出来るだけ解り易い役立つ情報をご提供できればと考えています。、口臭の原因の一つと言われている歯周病
に関しても患者さん自身、患っていること自体に気づいておられない方もおられます。ご家族や友人から『口臭』の指摘を受けて、初めて気づく方もおられます。定期的に歯科医院に通院されて、クリーニングおよび健診を受けていただく
ことをオススメします。当院では顕微鏡検査をおこなって、薬で治す歯周病に
取り組んでおります。痛みを伴わずに、楽にできる検査です。



東京での研修(矯正治療)を終えて

2007年10月21日 | 気まぐれ日記
 今東京からの研修を終えて、職場の診療所からブログを書いているところだ。
去年の7月から毎月1回、前日からの泊まりで参加している。予定では来年の3月
に終了となるが、症例検討などまだこれからも忙しくなりそうだ。交通手段は新幹線の『のぞみ』を利用している。いままで台風や落雷の影響でダイヤが乱れて、遅刻
やキャンセルの目にあわずに済んでるのは、ラッキーだと思っている。面白いのは、
東京に行く時に乗る新幹線の乗客の顔ぶれだ。仕事帰りのビジネスマンやOL,学生風の人たちにまぎれて結構年配の方もおられる。いつも禁煙車を利用しているので、車内にはタバコの煙や匂いがなく快適だ。興味深いことにあまり車内で缶ビール
やお酒を飲んで、酔っ払っている人を見かけないないことだ。やはりタバコと酒とは
深い因果関係で結ばれているみたいだ。いたって車内は静かで結構熟睡するには丁度いい時間帯となっている。一度禁煙車が一杯で、しかたなく初めてグリーン車に乗ったことがあった。席は広々としているのだが、どうも居心地が悪く、
自分にはあまり合ってないように思えた。やはり、自分も小市民の一人なのかも
しれない。

セカンド オピニオンについて

2007年10月18日 | 歯のお話
 最近当院においても保護者の方から、時々子どもさんの矯正治療に関するご相談を、お受けするようになりました。医科ではよくこの様なケースは、珍しくなくなり、
一般にセコンドオピニオンあるいはサードオピニオンなどと呼ばれています。
歯科医院の場合、歯科医師が治療の説明を行います。ですが時には、判断を患者さんが下せない場合、別の歯科医師の見解を参考にしてその判断をする手助けと
する場合もあります。より客観的な立場に立って患者さんに納得がいく判断を下して
もらうのが目的です。しかし、治療方針は個々の歯科医師の専門性、技術力、学識
などによって異なる場合もあります。また、これは先代の父がよく言っていた言葉として『技術3割、人柄7割』と父が生前時、わたしが大学を卒業して駆け出しの若い頃に聞かされました。歯科医師として
確かにしっかりとした治療技術を身に着ける事は大切だが、それよりももっと大事なのは常に自分自身を磨き続けることの努力を怠らない事を言いたかったのだと思います。いずれにしても
説明を受けた治療内容を十分に吟味して、最終的には安心して治療を任せられる信頼のおける歯科医師の下での治療方法を選択してもらえたらいいと思います。
  

睡魔におそわれて

2007年10月14日 | 気まぐれ日記
 今日、仕事に関連したセミナーに参加した。北大阪の千里、大阪万博の開催された駅の近所の会場で行われた。講師の先生は東京から来られていた。面白いことに大阪はお笑いの街とのイメージが強いせいか、笑いを取るために、ダジャレをいろいろ取り混ぜての内容の濃い、いいセミナーだった。その話の中で、『先日、ある
セミナーに参加して一番最前列に陣取って座っていたにもかかわらず、寝てしまった
事を反省しています。』という話題を取り上げていたのには、私もおもわず同感して
にが笑いをしてしまった。とくに昼食後の時間帯になり、スライドのために部屋を
暗くされると、睡魔が突然襲ってくることがある。講師の先生も結構大変だと思うが、
できるだけ他の方に迷惑にならないように、お邪魔させて頂いている。ところが
最近では、所かまわず大きなイビキをかいて寝ている方、とくに年配の方を見かけるようになった。本人は結構気持ちよさそうに寝ている様子だが、講師の先生は堪らないだろうと、察しがつく。注意するのも、またタイミングが難しい。
いずれにしても、出来るだけ前日の疲れを残さずに、これからも睡魔に負けずに
いきたいものだ。

「矯正と笑顔」について

2007年10月08日 | 歯のお話
 これからの日本の社会で活躍が期待されている子どもたちにとって、欧米社会
のみならず世界の中で歯並びのよさが、ますます重要度を増すように思われます。
歯並びのよさは健康にただ繋がるだけでなく、人生のいろいろな大切な場面
例えば就職面接などの外見的な印象づくりに大いにプラスの効果をもたらしてくれます。やはりベストを尽くして、夢を叶えたいですよね。また、国際的に活躍されること
があるとしたら、子どものうちに治療しておいてよかったと必ず思われますよ。
欧米では、歯並びのよさは教養があって育ちがよいことの象徴とされています。
確かに矯正治療は治療の期間や費用も掛かります、でもしかし将来今よりももっと
素敵な自分らしい笑顔になれるとしたら、きっとよい幸運が訪れると思います。
その様な『素敵な笑顔』になれるお手伝いが出来れば、幸せです。







『よく噛む』ことの大切さ

2007年10月04日 | 歯のお話
 食事の時間を惜しんで、噛む時間が短くてすむ、柔らかい食事(ファストフードや
ジャンクフードなど)ばかり食べている方の咀嚼回数は、戦前に比べると約6割も
減っています。また、健康を維持するためには、本来は食事から必要な栄養素を
適切に摂取することが大切なのに、安易に健康補助食品や栄養剤などを多用する
傾向の方もおられます。こうしたことで、『咀嚼』という行動が疎かにされて、いろいろ
な問題が起きています。
特に小児や未成年者が、噛む回数が少なく柔らかい食事を続けていますと、噛む
時に必要な筋肉とそれらが関係する顔やあごの骨の成長発育が遅れ、唾液を分泌
する唾液腺(特に耳下腺)の発育が抑えられて、あごが小さくなります。それに伴って、歯や舌の位置が不正となり、口で呼吸をするようになり顎関節症や姿勢
障害、睡眠障害、耳鼻咽喉科疾患を引き起こしやすくなります。
ただ、私たち現代の日本人が噛まなくなってきた原因の一つに、かみ合わせの
不具合を指摘される方もおられます。つまり、かみ合わせが不安定だったり、
損なわれている場合には、歯科治療を行い、適切に回復する必要があります。
悪いかみ合わせをそのままにしておくと、「ものが食べにくい」だけでなく、先ほど
のべた症状意外にも聴力低下や睡眠中の歯ぎしりや噛みしめ、睡眠障害を起こす
可能性も言われています。もう一度「咀嚼」の大切さを見直してみてください。