宮川歯科医院 院長ブログ

堺市西区の宮川歯科医院 院長の宮川和人がブログで色々なことを語ります。

無痛治療について

2008年01月31日 | 歯のお話
 「歯医者さん=痛いところ」というイメージは、ほぼすべての患者さんがもっておられると思います。逆に「いい歯医者さん=痛くない歯医者さん」という見方をされていらっしゃる方が、多数をしめるのではないかとも思います。
「噛めない、痛い、でもあの麻酔をする時の痛い思いはしたくない」と考えて、なかなか歯医者さんに行けない方も多いのでは・・・
しかし、当院では約10年程前から極細の針でゆっくり注入する電動注射器によって
痛みの少ない注射をおこなっています。患者さんが嫌がっているのは、麻酔時の痛みや、麻酔をせずに削るとき、削りすぎてしまった場合の痛みがあります。この麻酔
の時の痛みを極力抑えることが出来るのです。ですが麻酔をしてほしくないという
患者さんもいらっしゃいますので、「どなたにも無痛治療をすればいい」というわけにはいきません。麻酔という存在に対して持っていらっしゃるイメージも、人さまざまなので、お話をよく聞かせていただけないといけません。また、麻酔に対して
いままでアレルギー反応のあった患者さんには出来る限りの情報をいろいろお教えいただき、適切に対処したいと考えています。ただ、麻酔を打つ時の痛みに関しては、かなり改善されて楽になってきました。できるだけ細い針(髪の毛程)を使い、冬場の今、麻酔液を体温と同じ37度程度にあらかじめ温めているものを使っています。また、麻酔をするまえに表面麻酔をしてから注射による麻酔を行うように心がけています。特に子供さんの治療には欠かせない方法だと言えます。
ただ、むし歯の治療に関しては、歯医者さんに対していいイメージを持ってもらい
たいので、時と場合によってはじっくり待って、見守る態度も必要です。





タンポンチーニ

2008年01月27日 | 気まぐれ日記
 もうかれこれ25年以上になるが、大学卒業旅行で同級生とイタリアを中心にヨーロッパを周った時の話だ。まだお互いに学生気分で、気の向くままの気軽な旅だった。当時ヨーロッパ行きの航空券ではインド航空の便が一番安かったのだが、トランジット(乗り継ぎ)で時間が掛かるので、次に安かったシンガポール航空で行く事に
なった。こちらも南回りで途中シンガポールで一泊してから、翌日ローマに向けて
出発した。ローマに到着してから、以前から文通していたイタリア人の家族にさっそく
会いにいった。同級生の彼はイタリア語を話せたのと彼らとは2年ぶりの再会だったので、結構楽しく過ごせた。自分は全く彼らの会話の内容が理解出来ないところもあったが、片言の英語でなんとなくコミュニケーションを取っていたような記憶がある。到着したその日夕食をご馳走になり、さっそくホテルを探すことと
なった。そんな折いいホテルが近所にあるから紹介してあげると親切に教えてくれたので、お言葉に甘えて2人でそこで1泊することとなった。あまり宿泊代に予算がとれなかったので、結構古びた建物のホテルだった。ツインのベットとシャワーのみの部屋を紹介してくれた。ところがこの部屋、窓を閉めても結構外の騒音
が入ってきて、うるさくてなかなか落ち着けなかった。高級なホテルなら部屋を
代えてもらえることも可能だったかもしれないが、このような安いホテルでは苦情
を言っても取り上げてもらえそうもなかった。そこでイタリヤ語の堪能な彼が
このような騒音ではなかなか眠れそうもないとフロントのおばさんに文句を言いに
行ったところ、「タンポンチーニ、タンポンチーニ」の言葉を繰り返した。彼も最初
この言葉の意味が解らないので、何度も聞き返してみたが返答はいっしょだった。後で「耳栓」だと解った時には、お互いに大笑いした覚えがある。
最近『鈍感力』というタイトルの本がベストセラーになったが、この体験からあの時
のフロントのおばさんは、自然に『鈍感力』を身に付ける大切さを教えてくれたのかもしれない。いまでも彼と会うたびに『タンポンチーニ』の言葉の掛け合いで、
お互いが笑顔になってしまう。旅の思い出はつくずく人との出会いと別れにあるのだと思う。

かみ合わせの悪い子は、姿勢が悪くなりやすい!?

2008年01月24日 | 歯のお話
 勉強をしている時や本を読んだりしている時の子供さんの姿勢はどうですか?
なかなか注意をしても直らなかったりしていませんか?しかし、小学生の低学年時
では、なかなか難しいかもしれません。あごが後ろに下がってしまっている子供さん
の場合、もともと姿勢が悪くなりやすい傾向にあります。つまり、奥歯だけで噛むクセ
があって、ますますアゴが後ろに下がっていきます。前の歯で噛む習慣をつけてほしいと思います。このままだと将来の顔立ちにも影響が出てくるでしょう。
 子供さんが立ったときの姿勢が片方に傾いている場合、お口の中を見ると多くの
場合、上下の歯の中心線が左右どちらかにズレているケースがあります。
実は生活の中にその原因があるのです。
 テレビの方を見ながら食事をしていたり、その時頬づえをついて、顔をどちらかに傾けていませんか?寝るときに必ずどちらか片方の頬を下にしている。
たったこれだけの事で、アゴがずれてしまうのかと思われるかもしれませんが、
成長期の子供さんの骨は変形しやすく、歪やすいのです。ですから、姿勢の悪さ
が原因でかみ合わせに問題が出ているケースでは、原因を取り去って姿勢を
まっすぐにする訓練をすると、アゴのずれも改善します。
子供たちが小さいうちから悪いクセがつかないように、”親のできる最善のこと”
を、是非してあげてほしいと思います。愛する子供さんの将来のために、なるべく
早い時期に子供の矯正治療に詳しい歯医者さんのチェックをお受けになるのを
オススメします。もちろん、私も喜んでご相談を承ります。

かみ合わせを治すと鼻炎がよくなる!?

2008年01月17日 | 歯のお話
 毎年この寒い季節、風邪で鼻がつまって、お口で呼吸されている子供さんをみかけます。しかし、風邪でもなく、いつも鼻がつまっていたり、鼻水が出ていたりしてたら
かみ合わせが原因の場合があります。お母さん方によくこんな質問をしています。
「テレビなどを見てたりしている時だけでなく、よくポカンと口を開けて息をしている
時がありませんか?」
このようなクセがついていると、唇が乾いてカサカサになり、ぶ厚くなっているのも
特徴です。これは歯並びのためにもよくありませんし、鼻で呼吸する必要があります。他に「歯ぎしり」があったり、「よくセキの出るタイプの風邪をひきやすい」子供さん
も悪いかみ合わせが影響している場合があります。鼻で呼吸していると、鼻の粘膜
や毛が空気中の汚染物質をガードしてくれます。しかも乾いた冷たい空気を瞬間に暖め、潤してくれるので気管や肺にやさしい空気となってくれます。しかし、お口
で呼吸していると汚染物質が直接、のどや気管に入り込んで、のどがやられてしまうのです。
かみ合わせを治すことで、口から鼻への呼吸に替わり、風邪やインフルエンザの
予防につながる事もあるのです。



正当に怖がることはなかなかむつかしい

2008年01月13日 | 気まぐれ日記
 有名な物理学者、随筆家である寺田寅彦先生のお言葉の中で「ものを怖がらな過ぎたり、怖がり過ぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなかむつかしい」というのがあるらしい。確かに人には昔から恐れ、怖がられた自然現象や魑魅魍魎などの対象物を神の怒りに触れたからだと考えた時代もあったようだ。
 昨年7月の新潟県中越沖地震では、柏崎刈羽原子力発電所から漏れ出た「微量
の放射性物質」が一般市民の不安をあおった。しかし、専門家の調査の結果、人体
への影響はというと、ラジウム温泉で有名な鳥取県・三朝温泉のお湯9リットル分に
相当する量に過ぎなかったとのこと。
 今、地球温暖化による異常気象の原因となっている化石燃料に替わる代替エネルギーとして、
原子力発電が改めて世界中で見直されている。今現在の日本の消費電力の約
3分の1は原子力発電で賄われているらしい。毎日その恩恵を授かって生活している自分が言うのも変かも知れないが、近所に発電所ができるとなると考えてしまう。正当に怖がることはなかなかむずかしい。だからこそ、日々努力しなくちゃとも思う。

1歳半の歯科検診を終えて

2008年01月10日 | 歯のお話
 一昨日、地元の保健所にて歯科検診に参加してきました。毎年、年に1度か2度の参加ですが、いつもいろいろな発見をさせてもらい、毎回楽しみにしています。
当然、乳歯しかまだ生えていませんが、その生え方、歯並び、お口の清掃状態、指しゃぶりの有無、歯の生えている本数など子供さんお一人づつその違いがあって、つくづくその成長ぶりに感心させられます。本当に歯並びの良い子供さんのお口を診させてもらった瞬間、おもわず「素晴らしい!!いい歯並びですね!」と声が出てしまいました。さっそく、 「子供さんはどんな食べ物が好物ですか?」と尋ねますと、
「スルメをよくかじっています」とのお返事が返ってきました。ご主人がスルメがお好きみたいで、やはり自然に子供さんもマネをして食べてくれるようになったんだなあと
とても嬉しい気分になりました。ただまだ歯にすき間のあるきれいな歯並びの子供さんはごく少数で、将来永久歯が生えてくる6歳前後までにアゴを大きく広げる
必要のある子供さんがまだ多数を占めています。むし歯の本数は減少傾向に
ありますが、これからはよい歯並び→よいかみ合わせ→よい顔を目指して子供さん本人だけでなく、ご家族と一緒になってますます頑張らないといけないなと
感じた1日でした。

入れ歯(コンフォート)について

2008年01月06日 | 歯のお話
 最近、入れ歯に関して同じような悩みに苦しんでいる患者さんからの相談が増えてきました。「いたい」「かめない」「はずれる」といった悩みに関して、「入れ歯だから仕方がない」とあきらめてしまっている方が大勢いらっしゃると思います。患者さんが
満足される入れ歯を作るためには、患者さんと歯科医と技工士同士の綿密な協力
が必要です。「何でもよく噛める」「どこで何を噛んでも痛くない」「違和感がなく、口に
馴染む」そのようないい入れ歯は、患者さんにとって「人工臓器」に匹敵するぐらいの
価値があると思います。
そこで、コンフォート入れ歯を紹介したいと思います。主な特徴は
1、歯ぐきを守る
  コンフォートは入れ歯の歯ぐきにあたる部分を生体用シリコーンという厚さ
  0.75ミリのシリコーン材で覆うために、歯ぐきにかかる圧力を軽減します
2、痛みをやわらげる
  弾力性のあるこのシリコーンのおかげで、歯ぐきへの痛みを軽減します。
  また、このシリコーンは人体への親和性が高く、長期的に使っても品質が
  劣化したり、変質しにくい「カラダにやさしい素材」です。
3、外れにくい
  シリコーンの適度な弾力が吸盤のような密閉性を生み出し、入れ歯を外れ
  にくくします
  ただし、健康保険の適用はされていない治療方法です。しかし、好きな物を
  毎日食べられる生活、そして「楽しく噛める」ことで、心から喜びを感じてもらえ  る事が、願いでもあります。コンフォートは3年間の保証つきです。治療費から
  計算すると、3年間で食事一回分あたりの負担は数十円になります。
 
 快適な入れ歯で快適な食生活を楽しんでみませんか?





乳歯列の年齢(3歳~5歳)の理想の歯並びについて

2008年01月03日 | 歯のお話
 永久歯が正しくきれいに並ぶためには、永久歯が生えてくる前、つまり4~5歳頃
までに、土台となるあごがしっかりと育っている必要があります。あごが充分に育っているかどうかは、乳歯の歯並びを見ればわかります。特に最近、歯科検診(3歳半)でよく見かけるのが、乳歯と乳歯の間にすき間のない子供さんが増えていることです。すき間がないと、永久歯の生えるスペースが確保できません。永久歯は乳歯
より8本多く、大きさも1.2倍もあるのです。乳歯にすき間がないと95%は歯並び
が悪くなると言われています。とくに乳歯の段階ですでにデコボコだと永久歯の
歯並びは確実に悪くなります。出来るだけ早く小児歯科や矯正歯科での相談を
オススメします。


2008年スタートラインに立って

2008年01月03日 | 気まぐれ日記
 今年も始まって3日が経った。今日、大阪難波と心斎橋の中間にある行きつけの
本屋に立ち寄った。特に何か目的の本を探す訳でもなく、ブラブラと店内を歩いて
いると、ふとある本に目が留まった。ダライラマ14世に関する本であった。
パラパラと立ち読みすると、とても面白そうな内容だったので、買ってみた。そこの
本屋は地下にカフェがあり、しばらくその本を読んでみた。自分で言うのも変だが、
とくに熱心なチベット仏教の信者でもないし、それまで時々彼のニュースをテレビなどで見ただけで特に彼の発言や行動に特別な興味があった訳ではなかったが、なぜかオーラのある人物だと思っていた。ただその本の中で、彼は信者でもない世界
各国の若者と会っていろいろな質問に答えているところが興味深かった。『悟りとは何か?』などの問いに対しても、『人との出会い』を一つ挙げていた。
とても今の自分のこころに沁みるいい言葉だと思った。誰にでもわかりやすい
言葉で何かを伝えよう、伝えなければならない、と思い込みすぎて、肝心の
『人との出会い』を素直に喜べなくなっている自分を振り返るきっかけとなった。
今年も『人との出会い』をお互いに『笑顔』で喜べる関係になっていきたいと思う。