みやっちBlog

ライター「宮下アツシ」の頭の中をlogする「みやっちBlog」

日本の国民はいつ目覚めるのだろうか

2005年11月20日 22時41分12秒 | 政治・社会
 成果主義が叫ばれはじめてから久しいが、小泉首相の4年半はとても評価に値するものではなかった。国債発行残高は250兆円も増やし世界一の借金王と自戒した小渕元首相が発行した国債をはるかに上回っている。さらに、民営化を進めていてもその中身は役人の天下り先を増やしファミリー企業がさらに甘い汁を吸えるようにしただけ。
 今回、偽造構造計算書でコスト削減を行ったことが明らかになった物件が発覚したが、最大の原因は民間で構造計算書の審査を行うようになった弊害であることは明らかだ。
 また、最近の首都高や高速道路の工事の多さを見ると、民営化によるサービス向上というよりもファミリー企業を食べさせるためとしか見えない。

 道路建設に税金が投入できる制度を残したままの民営化では税金の無駄遣いはなくならないし、これまで税金の無駄遣いを続けてきた道路公団の幹部が責任をとらずそのまま居座っているというのも解せないところ。
 だいたい、民間企業であれば横領したり無駄遣いした金が発覚すれば、賠償しなければならないのに、なぜ税金の無駄遣いをした人や組織は金を返さないのだろう。

 郵政民営化にしても、ただ株式会社にしただけ。本来、郵政改革は民間でできない官でしかできないセーフティーネットに特化すべきだったのに、民営化で郵政事業は拡大路線を選択。半官半民の巨大金融機関を作って、甘い汁をファミリー企業が吸う体制が出来上がった。とても改革とは程遠い内容なのに、小泉首相は民営化法案反対を構造改革に反対することだと論理をすり替えてしまった。
 さらに、今は霞ヶ関の官僚には痛くも痒くもない一般の国家公務員の首と収入を削って、国は痛みを負ったんだから次は国民の番だとばかりに負担を押し付けてくる。

 本来、小さな政府は社会保障・福祉は少ないけど負担も小さい、大きな政府は社会保障・福祉を充実させる代わりに負担が大きいというもののはず。なのに、小泉首相は社会保障・福祉を削り負担を増やすという政策を実行しようとしている。
 円安を誘導するような発言をして輸入業者を苦境に落としいれ、得をするのは輸出をメインにするトヨタをはじめとする自民党の支持企業だけ。
 大もうけをする企業が数割あれば経済成長の数字は上向くのだから、見た目は景気がよくなったように見えるものの、この景気は中国の景気のよさに便乗しただけ。企業業績の回復は正社員を大幅に削り派遣社員や臨時雇いへ置き換えて人件費を抑止し、製造工場を中国を始めとする人件費が安い海外へ移転させた結果。勤労者の収入が7年連続で減っている現実を見ると、とても内需が拡大するとは思えない。
 多くの若者がフリーターやニートとなっているのも、正社員になってもいつ首を切られるか分からない状況に夢が持てず嫌気がさしているからだと思うのだが。

 こんなまやかしの改革を進める小泉内閣の支持率が上昇しているのが理解に苦しむところ。いったいいつになったら日本国民は目が覚めるのだろうか。

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