図上演習でハイジャックされた民間機に撃墜命令

大分県での教員試験と教員の昇進に関して不正があったり、小麦粉が盗まれたり、景気悪化の判断をするエコノミストが増えたり、日本の社会が壊れかけているのではと思える兆候がそこかしこから噴出しているが、それに呼応してなのかテロに対する対応は過激さを増すばかり。



先日閉幕した洞爺湖でのＧ８サミットの直前、ハイジャックされた民間旅客機がサミット会場の警戒空域に向かっているという想定での図上演習が行われ、撃墜命令を出すという判断を下したという。

航空機テロ想定 初の図上演習（NHKニュース　2008.7.10)
＝＝＝　備忘録（引用）＝＝＝
北海道洞爺湖サミットの直前、ハイジャックされた民間の旅客機による「航空機テロ」を想定して、防衛大臣も参加する初めての図上演習が行われ、サミット会場への突入が避けられない場合、乗客を乗せた旅客機であっても撃墜するという判断が示されていたことがわかりました。

北海道洞爺湖サミットは、２００１年にアメリカで起きた同時多発テロのあと日本で初めて開かれたサミットで、航空機を使ったテロにどのように対処するかが安全を確保するうえでの最大の課題でした。図上演習は、サミットの直前の今月２日に防衛省と航空自衛隊の各地の司令部をホットラインで結び、石破防衛大臣と自衛隊の指揮官などが参加して総理大臣官邸とも連絡を取りながら行われました。防衛省によりますと、想定は、乗客およそ２００人を乗せた民間の旅客機がハイジャックされ、通常のルートをそれてサミット会場の方向に飛行してくるというもので、時間を追ってどういう判断をするかが検討されました。その結果、ハイジャック機があと１時間でサミット会場の上空に到達すると予測された時点で「治安出動」が発令され、航空自衛隊の戦闘機に武器の使用が許可されました。その後も、ハイジャック機が間近を飛行する戦闘機からの無線での呼びかけや警告射撃にまったく反応せずに飛行し続けたため、協議を重ねた結果「このままでは突入は避けられない」として、上空まであと１分、距離にして１８キロ余りのところでハイジャック機を「撃墜」するという判断が下されたということです。防衛省によりますと「航空機テロ」への対処について航空自衛隊の内部で検討したことはありますが、防衛大臣も参加して防衛省全体で演習を行ったのは今回が初めだということです。
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昨日のＮＨＫニュース９では、この後に各国の対応は分かれていてドイツでは撃墜命令を出せる権限を担当大臣に与えたが、その後に違憲判断が下されたという話しも付け加えられている。

突入されれば、旅客機の乗員乗客だけでなくサミット会場にいる各国首脳に被害が及ぶとはいえ、１時間前に捕捉しているのであれば、サミット会場から各国首脳を含め関係者が避難することは可能なのではないだろうか。

会場には誰も居ないことをハイジャック犯に伝えて、突入を回避する努力は行うべきだと思うのだが、最終的に撃墜という判断が日本の憲法上で可能なのかどうかはきちんと判断してもらいたいもの。

一般乗客が乗っている旅客機を撃墜するという判断は、人質をとった立てこもり犯を人質ごと射殺するようなものなのではないだろうか。

犯人確保のために飛行中の航空機内へ突入することが出来ないという事情があるにせよ、国の威信を守るために一般の乗客を犠牲にするという判断はどうなんでしょう？

誰も居ない無人のサミット会場に突入されても、乗客が犠牲になることは同じなのだから、撃墜やむなしという意見もあるだろうが、なんともいたたまれない。

さらに、ハイジャックされた民間旅客機に世界的な著名人や他国の政府要人が搭乗していることがわかった時に、果たして同様の撃墜命令が下せるのかどうか。

それはともかく、国会で野党議員から質問があって明らかになったというのならまだしも、図上演習の内容がマスコミに漏れるという状況の方が問題が大きいのではないだろうか。
日本は、航空機テロに対してこれだけ毅然とした態度をとるんだという示威行為であるとすれば、正式に官房長官なり防衛相が記者会見で発言すればいいはなし。

軍事機密だからと何も自衛隊の情報が出てこないことも恐ろしいが、情報がじゃじゃ洩れというのも怖いものがある。

さらに、ＮＨＫが報じたにもかかわらず今朝の新聞の何処にもこの件が触れられていなかったことにも、怖さを感じている。

実は、日本もアメリカ同様戦時下にあるということなのだろうか・・・



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