みやっちBlog

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内閣改造直前になぜ? 赤城農水相辞任

2007年08月01日 16時56分04秒 | 政治・社会
護るなら徹底して護ればいいのに、なぜか中途半端に護っておいて都合が悪くなると前言を翻して世間体を繕おうとする安倍首相。
あれほど庇っていた赤城赤城徳彦農林水産大臣に辞任を促し、赤城大臣はそれを了承してその場で辞表を書いて提出したのだという。



赤城農相“解任”…参院選惨敗招く、在任わずか2か月(yahoo!ニュース 8月1日13時52分配信 読売新聞)
=== 備忘録(引用)===
 安倍首相は1日午前、赤城徳彦農相(48)(衆院茨城1区)を首相官邸に呼び、赤城氏の政治団体の不適切な会計処理の問題などを理由に、辞任するよう求めた。

 赤城氏も、こうした問題が参院選での与党惨敗を招いたとして要請を受け入れ、辞表を提出した。昨年9月の安倍政権発足後、閣僚が代わるのはこれで4人目となった。後任は当面置かず、若林環境相が兼務する。

 首相は赤城氏に、「あなたはまだ若いんだから、事務所を立て直し、一から出直してほしい」と辞任を求めた。赤城氏は「わかりました」と応じ、その場で便せんに辞表をしたためた。

 赤城氏本人は1日朝には記者団に、「任期の間は全力でやっていきたい」と強調していた。赤城氏は会談後、首相官邸で記者団に「首相に『職を辞したい』とお願いし、首相も『わかりました』ということだった。参院選で私に関する様々な報道があり、選挙戦に影響を与えて与党の敗北の一因となったのはまぎれもない事実だ。申し訳なく思っている」と述べた。
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9月の臨時国会前に内閣改造をして、安倍首相の言うところの「人心一新」をするのではと噂されている中での赤城大臣の更迭は、まったくわけがわからない。

こんな短期間で更迭しなければならないような大臣を選んだ安倍首相に対して、有権者は先の参院選で総理総裁としてふさわしくないから辞めてくれという意思表示を示したにもかかわらず、安倍首相は辞めるつもりはないと明言している。

世論調査やアンケートの結果と選挙結果を同列で見ているのではないかと思うほどの呆れた対応だが、安倍氏は「国民を洗脳する時間がなかっただけ」で選挙に負けたとは思ってないのではないかという話もある。

安倍晋三の報復政治が始まる(反戦な家づくり)
==== 引用 ====
(前略)
安倍晋三とそのバックは、「負けたとは思っていない」ということだ。
「負けた」のではなく、「生意気にも国民が言うことを聞かなかった」と感じている はずだ。

ゆとり教育から「言うとおり教育」へもっと早く切り替えて、国民を洗脳しておけば、こんな事にはならなかったのに・・・

安倍の頭の中にある「反省」とは、こういう反省である。

この生意気な国民に、どうやって目にもの見せてやろうか

安倍の言う「人心を一新」とは、実はこういう意味だ。

(後略)
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なるほどと思うと共に、安倍首相にとって見れば自民党参院内の勢力図がこれによって変わり、改選議席で旧橋本派がわずか2人に止まり、旧森派が最大派閥となったことで安倍首相に異論を挟む勢力が激減したということで純化が進み、(自民党内の戦いで)勝ったと思っているのではないだろうか。

突然の赤城氏の更迭で思い出したが、小泉前首相はいい話題でも悪い話題でもとにかくマスコミに取り上げられることで、その求心力を保ってきた。手法としては、民主党へ話題が集中しそうなところでの赤城氏更迭は似ているが、大きく違うのが聞く人を思わず納得させてしまうわけのわからないレトリックが安倍首相には使えないところ。

いわゆる詐欺師なんかの手法だが、安倍首相はただただ自らの信ずる新国家主義というかアメリカと共に軍事力を動かすことで支援企業グループを肥え太らせる新日本帝国建設に向けてまっすぐ突き進むことしか知らないようだ。

そのため、同じ道を進む仲間を見捨てたくはないという思いが、これまでの対応に出ているのだろうが、護ると決めたのならそれを無理筋にでも貫けないところに多くの人が安倍首相のリーダーシップのなさを感じているのではないだろうか。
もちろん、問題発覚時の情報公開と適切な対策の立案といった面でも、とてもリーダーとは思えない対応だったし、そもそも問題が発覚するような大臣しか選べない安倍首相の力量への不安は大きかった。

未統合年金記録問題でも、野党の追及に対して「不安を煽るな」と無視する構えだったことから、この人は国民の暮らしに関心がないんだ、と認識されたことも参院選での敗因だろう。

有権者は、暮らしに目を向けた政治をしてくれ、国民のために内閣があるんで内閣とそれを支える業界団体のために国民がいるんじゃないぞ、という叫びが参院選で顕在化したのだと思っている。

ところが、「私か小沢さんかを選ぶ選挙だ」と政権選択を迫った参院選で示された民意を無視して居直っているというのだから、かつて「民意も間違うことがある」と言い放った小泉前首相よりも始末に悪い。

世論調査やアンケート調査と選挙の違いも分からない安倍首相に引導を渡せる人間が一人もいないという自民党も情けない。
公明党と連立したことで、特定の支持者だけを相手にしていても当選できるという体制が出来上がり、多くの国民からどんどん遊離してしまった自民党議員たちに庶民の暮らしが分かるはずもない。

労働者の権利である労働組合を悪の権化のように喧伝する様を見ていると、反共運動が復活したのかと疑いたくなってくる。

権力によって虐げられる人たちが結集して権力からの弾圧に立ち向かうことがなぜ悪なのか。もちろん、過去の戦いの中で勝ち取った労働条件の上に胡坐をかいていたり、労働組合という組織が企業との馴れ合いで出世の道具となっているような状況がいいとは思わないが、だからといって労働組合そのものを無くして労働者の権利を奪い取ろうとする今の権力者の憲法違反の疑いが強い言動は決して許されるものではない。

権力を握り続けるものたちにとって、現行憲法ほど邪魔なものはない。
権力の横暴や暴走、権力者による権力の乱用を縛るために憲法が存在しているのだから、彼らにとって憲法が邪魔になるのは当たり前の話で、代々議員としての座を得てきた世襲議員たちにとって、誰が作ろうと憲法は押し付けられたものに他ならない。

そこで、その憲法が機能しないように法律を作り解釈を変えて無力化してきたわけだが、議員たちを経済的に支えてきた業界団体の業績が、アメリカの帝国グローバリズムに乗ってスクラップ&ビルドの輪の中へ加わらなければ上がらない状況になってきたため、仲間に入れてもらうために最大の障壁となっている憲法9条2項を変えようというのである。

しかし、半永久的に紛争を作り出していかなければ維持できない経済活動の輪の中に加わることが果たして国民の幸せにつながるのだろうか。

「政治とは生活である」
まさに、民主党が掲げたキャッチコピーの通り人々の暮らしのためにこそ政治があり、憲法がある。
かつて、資本家の権利を守るために生まれた民主主義は、最大の権力者となった資本家を抑制することはできず、資本家の権力を維持増強するための代行者と成り果てた政治家は、自らの利権を護ることにしか興味がないため、資本家による権力の暴走を止めようとはしない。

いま最大の権力者はアメリカの軍産複合体であることは誰の目にも明らか。
資本家とその仲間以外の人間は虫けらも同じ。地球環境が悪くなれば、殺虫剤よろしく大量破壊兵器による大虐殺で世界の人口を数分の一にしてしまえばいいぐらいにしか考えていないのだろう。

安倍首相の場合は、自分の信念を曲げてアメリカに擦り寄って権力の後ろ盾になってもらったはいいが、フセインやビンラディンのようにアメリカの軍産複合体に利用されて使い捨てられるだけだということには気がついていないようだ。
にもかかわらず、「国民にはお爺様の意志を継いだわたしの崇高な使命なぞ分かるはずもないから、どんな反応があろうと無視して洗脳教育を続ければいい」と考えているのかも知れないと思うと背筋が寒くなってくる。

赤城農水相の更迭でお茶を濁して有権者の怒りが収まるまで解散総選挙をしないつもりなのかもしれないが、はたして思惑通りになるのかどうか。




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