ある日の話

私は引越しは何回かしましたけどこの街で２０年近くずっと住んでいます。

バスの窓越しに見える風景の中では私が通ってた小学校もあります。

ある日。

私はバスに揺られながら家に帰っていました。

変だなと思うくらいあの日には訳もなく一人の男の子のことが思い出しました。

小学生の時、４年間ずっと同じクラスだった男の子。

日本も同じかもしれませんが韓国は毎年新しい学期が始る３月になるとクラスも変わってクラスメートも変わって担任の先生も変わります。何もかも新しいって感じです。

だから今のクラスの中で翌年にまた同じクラスになれるのは二人か三人くらいしかいません。一番仲のいい友達と来年また同じクラスになることはほとんどありませんでした。

そんな確率の中、あいつと私は小学校３年生の時から６年生の時まで同じクラスだったんです。６年生になっては「またお前かよ～～」みたいなリアクション、お互いしていたな…（笑）

彼は明るくて積極的で負けず嫌い。仲はね、けっこうよかったです。あの歳でもさすがに４年間も同じクラスってことは何かの縁で思えまして。でもそれも卒業したきりでその後は一度も会ったことないし話したこともありません。

そんな彼のことが妙に頭の中で離れなくて、今は何してるのかな～ 、何になってるのかな～冷たいやつ、一度も連絡もしてくれないんだな～ などなどを思っていました。


ついこの前、電話がかかってきてそれが４人のうち誰からの電話なのかを当てる実験の研究結果が話題になりましたね。普通に考えると確率は４分の１だから２５パーセントでしょう？でも被実験者が当てたパーセンテージは４５％だったって。テレパシーはある！ということでしたが…


その翌日の帰りのバスの中でなんと、あいつを見たんです。
ホントにテレパシーがあるかも！と一人でびっくりしてました！
バスの中は込んでいて離れたところにいたから言葉を交わすことは出来なかったですけど一目であいつがあいつってこと分かりました。小学校の時から全然変わってなくて。（笑）いつの間にいなくなって降りたんだな～と思ったら昔あの子の家の近く。まだあそこで住んでるのかな～といろいろなんか懐かしい気分になりました。

一瞬見かけただけなんですけど元気そうでしたし、よかったと思います。
でもちょっと思っただけどこうやってその人に会えたのはホント不思議で人間の思いってちょっと怖いかもって思いました。


いつかはね、ちゃんと会えたら昔のこと、今のこと。いろいろ話せたらいいですね。