スタートまでの約1時間。
冷たい雨と風。
とにかく寒かった。
透明なビニール袋をかぶっていたが、寒さで身体が震えた。
記録証には、当日の午前9時10分の気象条件は、
天候 雨
気温 5.7℃
湿度 58.6%
風速 3.2m
とある。
(写真は東京メトロのページから)
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【東京マラソン2019完走記②~スタートまで~】
前夜祭の楽しい夢から覚めて、いよいよ東京マラソンの朝がきた。
宿泊したホテルは新宿駅東口からわずか1分の繁華街。
朝も騒々しいのかと思いきや、3階の部屋から窓の外を眺めると、昨晩はごった返していた通りにはほとんど人影がなかった。
天気予報は雨。
雨ランは好きなので気にならないけど、気温は低い。
風は弱いみたいだが、マラソンにはあまりいいコンディションじゃなかった。
いつものことだけど、大会のときは、目覚ましなくても自然と起床できる。
午前5時前には起きて、ゆっくりと朝食を取った。
午前7時前、ホテルを出発したときは霧雨だったけど、歩いて15分ほどの新宿都庁に着いた頃には小降りになった。
すでに多くのランナーが集まっていた。
セキュリティチェックはリストバンドの照合と荷物検査。
受付会場で撮影した画像の照合はどうやっているのか気になったけど、カメラはわからなかった。
行列はできていたが、スムーズにストレスなく進んでいた。
荷物預けの場所を確認した後は、雨宿りができる場所を見つけて、スターティングブロックの開門までじっとしていた。
ウォーミングアップはしなかった。
スタートエリアにはペットボトルの持ち込みは禁じられていた。セキュリティ上の理由だった。
エリア内には給水所もあるので補給の問題はなかった。
午前7時45分、ゲートが開門。
いつもならすぐに並ぶのだけど、冷たい雨...。身体が冷えるのは分かりきっている。 スタートは午前9時05分なので、開門直後に並ぶと、1時間以上も凍えなきゃいけない。
身体を冷やさないためにも、閉門直前まで雨宿りしていたほうがいいに違いない。 ただ、準エリートのAブロックだけでも、なんと約2000人のランナーがいる。
ちょっとしたマラソン大会なみの人数だ。
グロスのPB狙いでスタートロスを短くしたいのだったら、できるだけ前に並んだ方がいい。
今回の東京マラソン、一応、サブ50のPBが目標だった。
どうしようかと迷ってウロウロしていたら、青地に大きな黄色い○マークTシャツの女性ランナーを発見した。
昨夜の前夜祭で一緒だったセカン!さん、miaouさんと同じオーリンゲン企画の方だとすぐにわかった。
「あの~、オーリンゲン企画の方ですよね~? 私、セカン!さんのラン友のK...、こと、ミールって言います」って話しかけると、「あっ、え~と、変態さんの方ですよね~?」なんて、微妙な賛辞(?)をいただけた。
お名前(HN)を聞くと、セカン!さんの日記によく登場される方だった。 「あ、いや...、私は変態じゃないんですけど...」なんて口ごもっちゃったけど、初対面のランナーの方から「変態」って呼ばれるのは、ウルトラランナーとしてみてくれているので、正直、なんとなくうれしい。
この方、準エリートのブロックで待機していたので速いランナーさん。
Tシャツの上には、しっかりとしたコートを着て、ちゃんと防寒対策をされていた。
東京マラソンでは、「衣服ポスト」っていう古着リユース活動支援っていう仕組みがあって、スタート直前まで防寒対策も兼ねて着ていられることもできる。
私ももう少し準備しておけばよかった・・・。
私の雨対策としては、身体全体にSkinLabを塗りたくったこととビニール袋を被ったことぐらい。
SkinLabは撥水効果もあるので冷たい雨が肌からすぐに落ちてくれるから、一定の防寒効果はある。
ビニール袋はスタートまで被る予定だったけど、けっこう寒かったので7㎞ぐらいまで着用していた。
ただ、これだけでは結果的に不十分だった。
あとできっちりと痛い目をみることになる羽目になった。
午前8時すぎ、スタートブロックに入場。
もともと気忙しい性格なので、閉門ギリギリまで待つことができませんなかった。
それでも、もうすでに10列ぐらいになっていた。
スタートまで、まだ1時間もある。
大都市マラソンは、スタートまでの待ち時間は、まさに耐え忍ぶ時だ
前列3列目ぐらいには、同じく岡山から準エリートで参加しているかつさんらしきランナーがいるのがみえた。
サングラスをしていてちょっと怖そうな感じ。かつさんかどうか確証がなかったので合図できなかった。
でも、そのうち気づいてくれて、近くにはObaさんもいることもわかった。
回りのランナーは、ほとんど簡易カッパ、ビニール袋をまとっていた。
でも、中にはランパン・ランシャツだけの若者もいた。
私の前列に、友人と3人で並んで座っていたけど、それこそ低体温症じゃないかってぐらいにブルブル震えまくっていた。
心配したランナーが、君、大丈夫?」って声をかけるほどで、隣にいた厚着のランナーに結局はTシャツを分けてもらっていた。
私もかなり寒かった。
冷たい雨のなかでじっと待つだけでも身体がこわばるのに、無理な姿勢で座っていたものだから筋肉はかなり硬直していた。
スタート時間の20分ほど前からセレモニーが始まった。
合唱やあいさつが続く中、立ちあがって小刻みにジャンプしたり、手足を擦ったり、いろいろと身体を温めようと努力したけど、どうにもならない感じだった。
午前9時、車いす選手がスタート。
そして、その直後に準エリートじゃない、ほんとのエリート選手たちが入場してきた。 大迫選手の姿も見えた。
東京マラソンのコースは折り返しが何か所もあるので、トップ選手の走りを見て楽しむこともできる。
今日はどんな走りするんだろうな~なんて思っていると、頭の上をばんばん簡易カッパやビニール袋が飛びまくった。
スタート直前に選手が脱いだものだ。
コースの外へはバケツリレーしてだすしかないけど、3分前に全員が一斉に始めると、それこそ収拾がつかなくなる。
たくさんのカッパやビニール袋、なかには長そでシャツとかもあって、地べたに落ちてしまっていた。
私のいた前から10列目ぐらいでも、そうした惨状だったので後方はもっとひどかったに違いない。
今年は雨だったから量も例年以上に多かったんじゃないだろうか?
私の頭の上にもカッパの束が落ちてきた瞬間にスタートの合図。
カッパが脚に絡まないように気を付けるだけで精一杯だった(つづく)。
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