快風走

走っているとき、そして、走った後の風の心地よさはランニングの最高の楽しみです。

回想録・2017萩往還完踏記②~忘れられないエピソード~

2020-05-07 20:30:44 | 萩往還2017
JN完走記からの転載シリーズは「2017萩往還完踏記」の続き。

この年、スタート前の説明会の中で、「乗り物に乗ったり...」なんて話を主催者の方がしていたが、なんのことなのかわからなかったので、完全にスルーしていた。

マラソン大会で乗り物を利用するなんてことはイメージできなかったからだ。

今回の完踏記②で書いた自分の身に降りかかった疑いはかなり頭にきたが、でも、おそらく乗り物か何かでショートカットするってことは、もしかしたら、よく知られていた事実だったのかもしれない。


【2017萩往還完踏記②】
完踏記はまだ序盤。

道中を思い出しながら書いているけど、どうしても頭から離れない出来事があった。 それを書いておかないと、気持ちがすっきりしない。

佐々並エイド(236.8㎞)を出て、県道262号線のロードを歩いていたときだった。
膝を痛めて走れなくなり、ときおり立ち止まりながら進んでいた。

すると、1人のランナーが追いついてきた。

横に並ぶと、なぜか立ち止まり、突然、「あなた、車に乗ってませんでした?」って私に問い詰めてきた。 

なんのことだか分らなかった。

私「え? 車なんか乗ってないけど」
彼「いや、でも、私はあなたに追い抜かれてないはずだよ。だから、乗ったんじゃない?」 

このランナーはウエアが下品に派手だったので、私も覚えていた。

Aゼッケン。
立石観音・千畳敷のあたりで彼を追い抜いた記憶があった。
でも、そのあとは私を追い抜いてもいないはず。 

完全ないいがかりだと思った。

私「私は虎が崎のチェックポイントで4番だったけど、あなたは何番? 私よりは速くないよね。だったら、そもそもあなたを抜くなんてないんじゃない?。日置でも私は10番ぐらいだった。あなたはそれより前だった?」 って言うと、
彼「あれ、そうなの、ちょっと勘違いしてたかな・・・」って口ごもりはじめた。

そして、ようやく自分の誤解に気付いたのか、最初のけんか腰はなくなった。

私が、「大会本部で記帳時間の確認をしてみれば?」って、さらにたたみかけると、
彼 「おかしいな? 別の人だったかな~?」なんて言いながら、そのまま走り去ろうとする。

頭にきた私は、「ちょっと待てよ! 変ないいがかりを付けて、謝りもしないでいくんか!」って声を荒げた。 

すると、Aゼッケンは「すみません。私の勘違いだったようですね」と一応は謝罪はしたものの、反省した様子もなく走り去っていく。

膝を痛めた私は走れない。だんだんと距離が離れる。
でも、かなり侮辱された気がしたので、このままではすませたくなかった。

どうにも怒りの感情が抑えられなくなり、20mほど先をいくAゼッケンに大声で、 
「このクソ野郎! 本当に頭にきた。勘違いですむんか!」
 「そのまま完踏証をもらう気じゃないだろな? だとしたらクズだぞ!」
 「おまえ、ランナーやめたほうがいいんじゃないか! ボケ~!」 とか、思いつく限りの罵詈雑言を浴びせた(自分の人間性を疑うけど、こんな程度だからしょうがない)。

すると、このAゼッケンは踵を返して、戻ってきた。

殴りかかってくるなら上等だと身構えていると、「どうもすみませんでした。ヘッドライトが似ていたもので、どうやらほかのランナーと勘違いしていたみたいです」と少しはまともに謝ってきた。

それでも怒りはおさまらないけど、「じゃあ、もうええよ。この一件は忘れる! 先に行って!」って答えた。

Aゼッケンはすぐに走り去った。
そこそこ余裕のある走りだった。35~6時間ぐらいではゴールしたんじゃないだろうか? 

ゼッケン番号は覚えていた。 選手名簿と照合すると、どこの誰かもわかった。 
(以下は部分削除。萩往還参加者にはこのAゼッケンが誰なのかわかるような記述をJNではしたけど、このブログでは削除しておいた)。

それにしても、全然見ず知らずのランナーに疑いをもったとはいえ、なんの根拠もなく、「あなた、車に乗りました?」って聞く馬鹿がいるのか、いまだに理解できない。
もしかして、コイツこそ車に乗ったことがあるのかもしれない。

さて、レースに戻る。

≪豊田湖畔公園(58.7㎞)~川尻岬・沖田食堂(107.8㎞)≫

豊田湖畔公園(CP1)を出発した直後、すももパパさんとすれ違った。
250㎞は3回目。
昨年は12位(38:11;22)でゴールしている。
記録集によると、すももパパさんの昨年の豊田湖畔公園の通過時間は午前0時27分。

やはり肝炎で体調が回復していないのか、若干遅めのレース展開になっていた。
すれ違いざま、「ミールさん、岡山のS永です」って声をかけていただいた。
「また、コースアウトしましたよ~」って答えて先を進ませてもらった。 

それにしても、真っ暗でライトの反射もあるのに、すももパパさん、よく識別できるなあって感心した。
昨年も明木あたりで発見してもらっている。

俵山温泉へのロードは兵庫のYさんと並走。
昨年は38:05;00でゴールしている。
はっぴーずの昔のメンバーのことをよく知っていた。
私が加入する前の人のエピソードを聞きながら走った。

俵山温泉からは、また一人旅。
砂利が峠(260m)の登りは走れないことはなかったが、無理せず、歩き混じり。

新大坊エイド(79.4㎞)は、温かい湯豆腐にちりめんじゃこをのせていただいた。胃に沁みる美味しさだった。 

ここでも西寺エイドにいたたい焼きの被り物の方が1升瓶をもっていた。
あちこち移動しているみたいだ。 湯豆腐に日本酒は最高だなって思ったけど、やはりここでも自重した。

油谷大橋あたりで、道に不安なランナーに同行。
このあたりは私はしっかりと予習していたので道に迷う不安はなかった。 
ただ、彼のほうがちょっとペースが速い。

無理に合わせるとあとあとに響いてきそうなので、ポイントだけを教えて先にいってもらった。

やがて、食事エイドの海湧食堂(86.9㎞)に到着。
ちょっと先の旧油谷中学校(CP2、87.1㎞)では記帳・荷物引き渡しもある。

大会前、「250㎞+70㎞」を達成するため、各CPでの目標通過タイムを設定していた。

1週間前に風邪を引く前のプランでは、「32時間でゴール。3時間仮眠して70㎞スタート」だった。

だが、病み上がりランではパフォーマンスも当然下がる。
直前のプランは「34時間でゴール。気持ちがとぎれないうちに70㎞スタート」に変更していた。

ガーミンの記録が残っていないので、正確な時間はわからないけど、到着時間は3日午前4時前だったような気がする。
目標設定タイムは3日午前3時15分。 予定よりも約45分遅れていた。

大会設定の36時間ペースは3日午前3時49分。
けっこうスローペースだったようだ。やはり風邪で走力が思った以上に低下していたのかな。

旧油谷中学校で預けていた荷物から補給食を取り出したものの、担いでいた補給食があまり減っていなかったので3分の1ほど取り出しただけ。

いつものことながら過剰に補給食を担いで、結局、ほとんどが残る。走っているときに重りになるだけなのに、我ながら学習能力のなさに情けなくなる。
このあたりは一番に修正しなきゃいけない課題だな。

海湧食堂の食事はおかゆ。
やぶっちさんと一緒のテーブルでいただいた。
どんな話をしたのか思い出せないけど、知り合いと会話できて、ほっとした気分になったのは覚えている。

エイドではなるべく長居をしないことにしていたので、食事が終わると、先に出発させてもらった。
でも、俵島周回コースでは、やぶっちさんと並走したり、抜いたり、抜かれたり。
同じ走力のランナーが相前後するウルトラではおなじみの展開を楽しんだ。

だんだんと夜が明けてきた。

俵島(CP3、98.5㎞)をすぎて100㎞地点の通過は、おそらく3日午前5時30分ごろ。 100㎞に11時間30分ほどかかっている。

悪くはないけど、せめて100㎞は11時間では通過したかった。

ちなみに、2012年に28:55:20で完踏したよしだ~さんは、ここを3日午前4時ごろ通過している。 
スーパーウルトラランナーと比較するのはおこがましいけど、ブログに残っていたガーミンの記録(宗頭まで)を参考に自分のペース設定をさせてもらった。
この場をかりてお礼申し上げます。
ありがとうございました。

俵島周回を終えて、川尻岬の沖田食堂へ(CP4、107.8㎞)。

事前メモには「カレーは大盛りを注文すること」って書いていたが、内臓の調子が今一つだったので普通にしておいた。

到着は午前6時30分ごろだったかな。 
カレーを食べていると、Hさん、Yさん、やぶっちさんが次々と到着してきた(つづく)。


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2 コメント

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萩ロス (K.kano)
2020-05-08 14:58:57
本当に懐かしく読ませていただいております。大阪のKanoといいます。おそらく同一人物だと思うのですが私も言いがかりおやじに遭遇してます。涙松から往還道に入ったあたりで急に振り向き「お前車のったやろ」と罵られました。不正をしたとの濡れ衣を着せられましたが咄嗟に言い返すことができず悶々としておりました。後で調べると山口の歯科医だったようです。スッキリしました。
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コメントありがとうございます! (ミール)
2020-05-08 21:17:18
岡山のKurataです。
コメント、ありがとうございます!
もう5年ぐらいブログを書いているんですが、初めてコメントいただきました。
削除した部分では、この暴言ランナーについては、萩往還参加者には選手名簿をみればわかるように、ゼッケン番号とともに県名と所属をイニシャルで書いておきました。
同じ人物です。
あちこちでいちゃもんをつけていたんですね~。
翌年の萩ファイナルのとき、またいいがかりをつけられたらいやなので、もしかして参加していないかチェックしましたが、ファイナルには名前はなかったみたいです。
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