快風走

走っているとき、そして、走った後の風の心地よさはランニングの最高の楽しみです。

回想録・2017萩往還完踏記①~ダブルに初チャレンジ~

2020-05-06 21:59:40 | 萩往還2017
JN日記からの完走記転載シリーズ。

GW中はStay Homeでけっこう時間があったけど、明日からは更新速度ががくっと落ちそうだ。

2013UTMF完走記の後は、ちょっと時が過ぎて、3年前の2017萩往還250㎞完踏記。

山口100萩往還マラニック大会。

250㎞という距離も初めてだったのに、あえて+70㎞のいわゆる「萩往還ダブル」にチャレンジした。

なんとなく調子が良かった頃なので、何の根拠もないけど、十分にダブル完踏行ける気持ちでいた。
でも、結局、直前に体調を崩してだめだった。
自分の走力を過信していたみたい。

ブログのカテゴリーの「萩往還2017」では、一応は結果だけを投稿しているけど、JNが終了したので、完踏記は自分でいつでも読めるように転載した。

以下、完踏記(萩往還では「完走」のことを「完踏」といいます)。

【2017萩往還完踏記①】
Start(0.0㎞)~豊田湖畔公園(CP1、58.7㎞)

日本海のかなたに沈む夕陽。 
しばし足を止めて紅と紺のコントラストを楽しんだ。

スタートから約190㎞地点。

三見駅から玉江駅への海岸線。夕陽のわきの島は鯖島というらしい。
あたりには誰もおらず、聞こえるのは静かな波音だけだ。

脚も身体もガチガチに固まっていた。ザックをおろし、軽くストレッチをして、水を飲んだ。
「生きてるな」、と実感した。

それほど回数は経験していないけど、ウルトラを走っていて、ときおり訪れる至福の瞬間だった。

疲れ果てた肉体とは逆に精神が研ぎ澄まされるのか、なんとも形容しがたい幸福感に包まれることがある。

苦しいはずのウルトラに多くのランナーが参加するのは、こうした無上の魅力があるからなんだろうか。

萩往還の250㎞は今回が初挑戦。
「俺チャレ2017」として70㎞の部門にもエントリーしていた。

これまでの一回で走った最長距離は200㎞。

なのにいきなり320㎞は無謀なチャレンジかもしれなかったが、とくに根拠はないけど、完踏できる自信はあった。

夕陽を眺めた190㎞の地点では、当然ながら完踏できるかはわかっていない。
ただ、ウルトラランナーへのご褒美の「特別な幸福感」を感じられただけでも参加して良かったと思った。

さて、レース。

萩往還は午後6時から「エイ、エイ、オー」の掛け声ととも、2、3分おきに30人ほどがウェーブスタートする。

方向音痴でコースアウトが不安なので、できるだけ後ろの組からスタートすることにした。
7、8組目ぐらいかな、午後6時15分のスタートだった。

スタートゲートを通過したときにガーミンのボタンを押したが、なぜか起動しない。GPSは補足しているようだけど、距離もラップも数字が動かない。 走りながらリセット。
でも、何度やってもダメ。 
ガーミンでペース調整する予定だったのに・・・。
仕方ないので、「どこまでも走り続けられる主観的感覚」という曖昧ペース調整にに切り替えた。

瑠璃光寺(0.0㎞)から山口駅前(2.9㎞)を経て、河川敷から最初のエイドの上郷駅(13.2㎞)へ。
このエイドはスルー。

二本木峠(標高126m、19.8㎞)を超えて湯の口エイド(21.8㎞)。
ここもスルーした。

ザックに2本のペットボトルを担いでいるので、わざわざ序盤から立ち止まる必要はなかった。
でも、一応、お礼のあいさつはした。

脚の調子は良かった。
着地音がほとんどしない。こんなときは調子がいい証拠だ。

ただ、10日前からの風邪が完治しておらず、何度も咳き込む。
2日前に完治したと思ったのは薬が効いたせいだったようだ。

眠くなるので薬の服用をやめたら、風邪の症状がてきめんにでてきた。
鼻水もとまらない。
水分補給はいつも以上にしっかりしないとって思った。

睡眠と休養は十分だが、体力の低下が心配だった。
 「100㎞まではウォーミングアップ」って気持ちで走ることにしていた。

下郷エイド(27.8㎞)あたりからは前後のランナーの間隔もあき、走行中は一人旅。エイドで再び走力の近いランナーが顔を合わせるという展開になってきた。 

ランナーもばらけてきたので、「そろそろコースアウトに気をつけないとな」って考えていた矢先だった。

美弥高校前エイド(32.0㎞)をすぎ、橋を渡った直後に左折しなきゃいけないとこを直進。
自転車道をまっすぐに行ってしまった。

あるべきコンビニのポプラがなかなか出現しないのでGPSで位置を確認。
1㎞ほど余分に走っていた。
あわてて元の道を引き返した。

エイド直後に後続ランナーがこないときはすぐにチェックしなきゃいけなかった。
でも、250㎞の行程でコースアウトはこの一回だけ。方向音痴の自分としては合格点かな。

正規コースに戻った直後にやぶっちさんに追いついた。
250㎞は5回目の実力派ランナー。
序盤の河川敷で一度は追い抜いたが、コースアウトの間に先行されたようだ(やぶっちさんとはこのあとゴールまで前後することになる)。

迷いやすい門村交差点(37.8㎞)には信号待ちの間の簡易エイドが設置されていた。

最初のコーラをいただく。
やはり、ウルトラのコーラはうまい。そのうち見るのも嫌になるけど。

西寺エイド(44.0㎞)でほぼフルマラソンの距離。 
ガーミンの記録が残っていないので、通過タイムはわからない。できるだけ覚えようとしたが、実際のタイムと合っているのかは確かじゃない。

36時間以内のゴールを目指して、ポイントごとの目標タイムは地図に記入していた。
34~35時間ぐらいのゴールをめざしていた。 

西寺エイドの目標通過タイムは午後10時20分。
通過したのは、おそらく午後11時ごろ。
スタートのロスタイムを差し引いても、約20~25分ぐらい遅れている。
ただ、大会配布の36時間ゴールランナーの通過タイム(22:39)には10分ほどの遅れだったので、あまり悲観することはなかった。 まだ、200㎞以上あるしね。

西寺エイドではカップ素麺をいただいた。
紙コップに少量入った一口サイズだったが、塩味がきいていてとても美味しかった。 

このエイドではたい焼きの被り物をしていた方がいた。
一升瓶をもっていた。ランナーにふるまっているようだった。
酒は好きなので一杯いただきたかったが、先が長いので泣く泣く自重した。

西寺エイドをでて、やはり一人旅。
間違えやすそうなポイントは、あらかじめスマホのGPSで調べながらたんたんと走った。 

やがて、最初のチェック&記帳ポイントの豊田湖畔公園に到着。

記帳ノートをちらっとみると、だいだい30~40位ぐらいだったようだ。

記憶が確かじゃないし、メモもとっていないので、正確な到着時間はわからない。 目標は午前零時だったが、約50分ぐらい遅れていたんじゃないだろうか? 

ここで大阪のウルトラランナーのHさんに会った。

毎週のように大会や練習会でウルトラを走っているランナー。
2週間前は「びわいち」(琵琶湖1周)したそうだ。
私と同い年みたい。
すごい回復力。どうやって回復しているのか不思議だ。

彼も+70㎞にダブルエントリーしている。
「ちょっと予定より遅れていて、ダブルは無理かもしれませんね」って弱気をはくと、「まだまだ、全然、序盤だから。これからこれから」って励ましてくれた(Hさんともこの先、あちこちで相前後する)。

豊田湖畔公園は最初の食事エイドでもある。
チェックシートの食券を切り取って食事をいだだく。

食事エイドは全部で6か所あり、そのうち半分の3か所ではカレーが提供される。 

大好物のカレーが3回も食べられるなんて、萩往還はまさに私のためにあるんじゃないかって錯覚したこともあった。

でも、残念ながら、ここはうどんとおにぎりだけ(おにぎりの代わりにアンパンもある)。
内臓だけは丈夫なので、しっかりと補給してリスタートした(つづく)。

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