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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『グッド・ドクター 禁断のカルテ』

2012年02月15日 | 映画(か行)
『グッド・ドクター 禁断のカルテ』(原題:The Good Doctor)
監督:ランス・デイリー
出演:オーランド・ブルーム,ライリー・キーオ,J・K・シモンズ,
   タラジ・P・ヘンソン,マイケル・ペーニャ他

シネ・リーブル梅田にて、先週末より公開中。

「禁断のカルテ」という副題ゆえに、「恥ずかしくって観に行けない」風。
「禁断の」と言われると、エロいのかもと思ってしまうのは私だけ?
いやいや、きっと私みたいな想像をする客がたくさんいるからこその副題ではないかと。
しかし、それに騙されて観に行ったわけではないことを誓います。(^O^)

“ロード・オブ・ザ・リング”シリーズで世にも美しいエルフを演じたオーランド・ブルーム。
“パイレーツ・オブ・カリビアン”シリーズでも美形ぶりを発揮していましたが、
『エリザベスタウン』(2005)のような普通の兄ちゃん役の彼のほうが私は好きです。
これもそんな兄ちゃん役だろうと思ったのと、
彼を虜にする女性患者役がエルヴィス・プレスリーの孫だということに興味を惹かれ。

内科の研修医マーティンは、高い志を胸に医療現場に足を踏み入れたものの、
気持ちばかりが先走って上手くいかない。
自分のミスをどう挽回するか、責任をどう回避するかで頭がいっぱい。
感染症の専門医になりたいと上司に相談すると、
良い医者らしく振る舞えば、良い専門医になれると言われただけ。

そんなとき、マーティンは18歳の美少女ダイアンの担当医となる。
腎盂腎炎という腎臓の感染症で入院中の彼女に対し、
マーティンは特別な感情を抱きはじめる。

順調に快復したダイアンが退院した日、
ダイアンの家族から食事に誘われたマーティンはひそかに大喜び。
服選びにも時間をかけて訪問するが、
肝心のダイアンは高校一のモテ男とデートに出かけていた。

ダイアンと会いたい。
その気持ちが抑えられなくなったマーティンは、ダイアンの飲み薬に細工。
症状が再発したダイアンは再入院する。
彼女を退院させたくないマーティンの行動は常軌を逸してゆき……。

このオーランド・ブルームはモッサリしすぎでまるで華がなし。
物語もちょっぴり消化不良で、DVD化されてからでよかったかなぁという感想。
けれど、マーティンのことを特に高くは評価していなかった上司や、
頼りない研修医をナメきっていたベテラン看護師が、
マーティンが担当患者を亡くしてはじめて優しくなったり、
遺族からマーティンを守ろうと連帯感を見せるのはおもしろいです。

そうそう、映画って、どうして何でもかんでもトイレに流そうとするのでしょう。
『アリス・クリードの失踪』(2009)では銃弾を、
本作では大量の紙を流そうとしていずれも失敗。
そんなに何でも流れんて!といつもツッコミたくなります。

悪いことをしても大丈夫だと最初に思い込んでしまうと、
次からも大丈夫だと思って、正しいことができなくなる。
『麒麟の翼 劇場版・新参者』の加賀の台詞が思い出されました。
そして本作では、その歪みがまかり通ってしまいます。

ラストの台詞の続きは、「採血なら私が」かな。

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『麒麟の翼 劇場版・新参者』

2012年02月12日 | 映画(か行)
『麒麟の翼 劇場版・新参者』
監督:土井裕泰
出演:阿部寛,新垣結衣,溝端淳平,松坂桃李,菅田将暉,山﨑賢人,柄本時生,
   三浦貴大,劇団ひとり,秋山菜津子,鶴見辰吾,田中麗奈,中井貴一他

新しくドラマが始まると、どれもこれも録画していた時代は何処へ。
さっぱり観なくなりましたが、初回から最終回まできっちり観たのは『新参者』
毎回アホほど泣かされました。

そんなわけで、劇場版もどうしても観たくなり。
友人とのお昼ごはんを終えてから走りました。
昼酒のせいで、和製ホラーの予告編中に怖くて目をつむったら本編開始まで爆睡。(^^;

ある夜、腹部にナイフが刺さったままの男性が這うように歩いている。
東京・日本橋の翼のある麒麟像の下まで来たところで力尽き、
事態に気づいた警官が駆け寄るが、男性は息を引き取ってしまう。

男性は、とある金属会社の製造本部長、青柳。
刺されたあとに誰かに助けを求めるでもなく、
会社からも自宅からも離れた日本橋を歩きつづけてこの像に辿りついた。
その不可解な行動に捜査当局は首をひねる。

一方、同夜、青柳の鞄を握りしめる若者がいた。
八島というその男は、恋人の香織に「大変なことをした」と電話したあと、
付近を警ら中の警官から声をかけられて逃走。
途中、車にはねられて病院に運び込まれるが、死亡する。

香織が八島の無実を訴えるも、彼の犯行として解決されようとしている。
日本橋署の加賀と、警視庁捜査一課の松宮は毎度のコンビを組み、
独自の捜査を進めるのだが……。

おもしろいけどTVドラマでじゅうぶんという評価が多いようですが、
“踊る大捜査線”シリーズ同様、贔屓目が入っていようとも好きなもんは好きなので、
これを劇場で観られることに喜びを感じます。

冒頭、ヨレヨレの青柳を見つける警官役に中村靖日。
そう、『東京ゾンビ』(2005)の彼の登場で、すでにニヤケている私。
阿部寛演じる加賀と田中麗奈演じる看護師のツーショットは、
『魍魎の匣』(2007)と同じでこれまたニヤケてしまいます。

めっちゃ泣くつもりで観に行ったのに、
ちょっと目がうるんだ程度だったなと思っていたら、
最後の水天宮のシーンでガツンとやられ、涙、また涙。

中井貴一はやはりすごい俳優ですね。
決してタイプというわけではないのに、映画を観るたびにシビレます。
本作でもその立ち姿だけで涙を誘われてしまい、参りました。

東野圭吾は大好きなのに、これは原作未読。
今から読んだら、映画のシーンがかぶってダダ泣きしそうです。

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『ドットハック セカイの向こうに』

2012年02月10日 | 映画(た行)
『ドットハック セカイの向こうに』
監督:松山洋
声の出演:桜庭ななみ,松坂桃李,田中圭,増谷康紀,檜山修之,
     井上麻里奈,福井裕佳梨,緒方賢一,豊口めぐみ他

3Dデビューは今年もムリかも~と言った矢先、
休みを取って友人とお昼ごはんの約束をしたら、
11:20の待ち合わせ時間までに観られる映画をたった1本、みっけ。
それが8:45から上映される本作、3Dアニメでした。
3Dデビューが堤真一でもロバート・ダウニー・Jr.でもなくてごめんなさい。

“.hack(ドットハック)”は、“Project .hack”のシリーズ作品なのだそうです。
“Project .hack”とは、旧バンダイを中心とするメディアミックスプロジェクトで、
んじゃ、メディアミックスって何よと思ったら、
効率よく宣伝するために異なる媒体を組み合わせることなのだそうで。
たとえば、ゲームとアニメ、漫画とラジオ番組なんてふうに、
異種の娯楽メディアを組み合わせて、お互いの弱点を補い合いながら、
商品の認知度を高めて販売を促進することですと。

てなことは知らなくても楽しめます。

近々未来、2024年の日本。
学校での試験は、机の上に表示される画面で回答、
終了のチャイムと同時に「送信」して提出する時代。

福岡県柳川市の中学生、有城そらは、
父親が単身赴任中で、祖父と母親の三人暮らし。

そらの同級生のみならず、誰も彼もが夢中になっているのは、
全世界規模のオンラインゲーム“THE WORLD(ザ・ワールド)”。
しかし、昔気質でハイテク嫌いの祖父に禁じられて、
そらは友だちからいくら誘われようともそっぽを向いたまま。

ところが、同級生の岡野智彦と田中翔が、そらの祖父と大型電器店でばったり。
そらはあの祖父が“THE WORLD”にハマっているという事実を知らされる。

唖然とするそらだったが、祖父をも虜にした“THE WORLD”に興味を持ち、
ホームサーバーロボの“まことさん”に情報収集を依頼する。
ちなみに、まことさんは人工知能を搭載された小型マスコットで、
そらの日常に必要な情報を提示してくれるロボット。

まことさんが用意した“THE WORLD”体験版に、そらはどっぷり。
以来、話したこともなかった同級生たちとも親しくなるが、
この頃、“THE WORLD”のプレー中に意識を失うという事故が世間で頻発。
そらがひそかに想いを寄せる翔の身にもそれが起こり……。

絶対ゲロ酔いすると思った3Dですが、試してみれば問題なし。
横揺れが少ない本作は、お試しにはちょうどよかったのかも。

内容は『サマーウォーズ』(2009)の女子主人公版。
そらが世界を救うために闘いに挑むシーンでは、
『サマーウォーズ』と一緒やがなと思いつつも、
見知らぬ人からの応援に涙ぐんでしまいます。

『最後の忠臣蔵』(2010)で可音を演じた桜庭ななみちゃんは、
“THE WORLD”の中でのキャラ、カイトの声がピタッとハマってめちゃ可愛い。

恋と、恋につきものの勘違いも可笑しい、爽やかな青春映画にもなっています。
僕たちは、思っている以上に繋がっている。

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『ALWAYS 三丁目の夕日'64』

2012年02月08日 | 映画(あ行)
『ALWAYS 三丁目の夕日'64』
監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆,堤真一,堤真一,小雪,堀北真希,もたいまさこ,三浦友和,
   薬師丸ひろ子,須賀健太,森山未來,大森南朋,高畑淳子,米倉斉加年他

これもナナゲイ以前に『ロボジー』とハシゴしたもの。
興行成績1位を激走中ですね。
3D上映されていますが、ゲロ酔いが怖くていまだにデビューできず。2Dで。

あらすじを書くまでもないのでしょうけれど、
大ヒット“ALWAYS”シリーズの第3弾。

昭和39(1964)年、オリンピックの開催を控えて熱気にあふれる東京。
夕日町三丁目でも、オリンピックを観ようとテレビのある家が増える。

白黒テレビを買ったのは、小説家の茶川竜之介。
竜之介は家を増築し、1階では妻のヒロミが飲み屋を営業。
2階には自室と、高校生になった淳之介の部屋。
竜之介と同じく小説家になりたいと言う淳之介に、
小説家なんて不安定な職業は辞めて、東大に入れと諭している。

カラーテレビを買ったのは、茶川家の向かいの鈴木オート。
「いつでも観に来いよ」と叫ぶ社長の則文に、竜之介は憎まれ口を叩く。
妻のトモエはそんな様子をニコニコ見守る。
淳之介の同級生で鈴木家の一人息子、一平は最近エレキギターに夢中。

鈴木オートに住み込みで働く六子はすっかり貫禄が出てきて、
後輩整備士のケンジが六子にしょっちゅう叱られるのは当然だが、
則文まで工具の片付けがなっていないと怒られるほど。

肉屋、自転車屋、氷屋、電器屋、電報局員、巡査、産婆、みな健在。
こんな町で今回起きる大きな出来事はふたつ。

ひとつめは、竜之介が雑誌に執筆していた連載小説『銀河少年ミノル』が、
謎の新人作家、緑沼アキラの『ヴィールス』に人気を奪われ、
編集担当者から連載打ち切りを言い渡されたということ。

ふたつめは、六子の恋。
彼女は近隣の病院の勤務医である孝太郎に想いを寄せますが、
孝太郎の勤務先での評判は最悪で、ふたりの交際は大問題に。

“ミッション・インポッシブル”シリーズは、どれか単独でも楽しめますが、
本シリーズは1と2を観ていないとツライでしょう。
どちらも観ている人なら鼻をすするシーンがいっぱい。
父親に勘当された竜之介の話、新人作家の話、これはネタバレできません。
どうぞ観て泣いてください。

そうそう、竜之介と淳之介は、「来られる」と言うんです。
お、「ら抜き」じゃないと思ったら、ほかの登場人物は「来れる」。
そうか、「物書き」には「ら抜き」でしゃべらせないのかとニタリとしてしまいました。
そんなこだわりがあったのかどうかわかりませんけれど。

余談ですが、『アイアンマン3』がもしも3Dで製作されたら、
それで3Dデビューを果たそうと目論んでいますが、
どうやら公開は2013年らしく、今年もデビューできないかも~。

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『ロボジー』

2012年02月06日 | 映画(ら行)
『ロボジー』
監督:矢口史靖
出演:五十嵐信次郎,吉高由里子,濱田岳,川合正悟,川島潤哉,
   田畑智子,和久井映見,小野武彦,田辺誠一他

前述のナナゲイ3本より前に観ていたのですが、
メジャー系はついつい載せるのが後回しになり、
すでに公開後ずいぶん経ってしまった感があります。

御年73歳のミッキー・カーチスが「五十嵐信次郎」を名乗って初仕事。
これが本名なのかと思いきや、ちがうのですね。
長年「五十嵐」という姓に憧れていたゆえの芸名なのだそうな。

弱小家電メーカー、木村電器の3人のエンジニア、小林、太田、長井は、
一発逆転を狙うワンマン社長から、二足歩行ロボットの開発を命じられる。
1週間後に開催されるロボット博はテレビ中継される予定。
それに映れば会社の宣伝がタダでできるというのが社長の目算。

その1日だけちゃんと歩くロボットを用意できればいいわけだが、
ロボットの外装を用意するだけで3人は精一杯。
しかも、製作途中に中身のデータが飛び、再生は無理だと判断する。

3人はロボットの外装にぴったりサイズのバイトを雇うことに。
着ぐるみショーへの出演と偽って募集をかけたところ、
応募者の中に73歳の爺ちゃん、鈴木がいた。

腰痛持ちでヨタヨタ歩く鈴木はもちろん採用不可。
しかし、採用された若者が金属アレルギーであることがわかり、
3人は急遽鈴木に連絡を取って採用を告げる。

バイト内容を素直に信じた鈴木は、
二足歩行のロボット“ニュー潮風”としてロボット博で熱演。
ところが、その模様が大々的に報道されたため、人気者になってしまい……。

1日だけ世間の目を欺くはずが、
何にも知らずにウハウハの社長をはじめとするほかの社員をも騙し、
鈴木にもすぐには打ち明けられない。
この間、ちょっと呼ばれればバレたかとドギマギする3人。
ゲロ吐くところまで見せんでもええやろと思いますが、なかなか愉快。

娘や孫ともうまくつきあえない偏屈な爺ちゃんは、
真相を知るや3人に悪魔のような交渉(?)もしますが、
“ニュー潮風”になることを目一杯楽しんでいます。

ロボット博で“ニュー潮風”に助けられるロボットオタクの女子学生に吉高由里子。
これがまたいつになくカワイイ。特に、髪の毛を振り乱してクマをつくった顔が。(^^;

矢口監督作品の常連がちょい役で姿を見せるのも嬉し。
竹中直人が一瞬だけ登場して笑わせてくれますし、
同監督作品では私がいちばん好きな『ひみつの花園』(1997)の西田尚美が施設の職員役で、
『パルコ フィクション』(2002)の田中要次は白バイ隊員役で登場。
そのほか、森下能幸や徳井優も顔を見せています。

エンディング曲は1980年代を代表するヒット曲、“Mr. Roboto”。
スティクスではなくて、「五十嵐信次郎とシルバー人材センター」の演奏でした。

冴えないエンジニアが窮地を切り抜けるために使う方法は、
たまたまツイていたと言うしかないことがほとんどで、
世間を騙したまま終わっていいのだろうかと思っていたら、そう来ましたかのオチ。
4人分、4つの強力磁石でがっちり、ぴたっとくっついて。

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