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『フラワーショウ!』

2016年07月11日 | 映画(は行)
『フラワーショウ!』(原題:Dare To Be Wild)
監督:ヴィヴィアンヌ・ドゥ・クルシ
出演:エマ・グリーンウェル,トム・ヒューズ,クリスティーン・マルツァーノ,
   ジャニー・ディー,アレックス・マックイーン他

シネ・リーブル梅田で2本ハシゴの2本目。

1本目に観た『疑惑のチャンピオン』が自転車競技の最高峰を描いた作品なら、
この2本目はガーデニング大会の世界最高峰を描いたもの。
ランドスケープデザイナーのメアリー・レイノルズの実話です。

アイルランドの田舎で生まれたメアリー。
なんということはない野草に囲まれて育ったせいで、そんな草花が大好き。
昨今ガーデニングブームだが、自然を無視した庭が多い。
自然を生かした庭のデザインで、世間の意識を変えたい。
そう願うメアリーは故郷を後にして都会へ。

美人ガーデンデザイナーのシャーロットがアシスタントを募集していると知り、
親友の助言もあって弟子入りを志願。
メアリーのデザインノートを見たシャーロットから期限付きで採用される。

有名人からいくつもの依頼を受けているシャーロットは、
メアリーにデザインするように命じ、メアリーは律儀に仕事をこなす。
しかしシャーロットはさも自分がデザインしたかのように振る舞い、
いつまで経ってもメアリーを表に立たせてくれる気配はない。
そして期限の日、シャーロットから契約解除を告げられる。

職を失い、家賃も払えず、大切なデザインノートはシャーロットに盗まれてしまった。
悲嘆するメアリーに親友は言葉をかける。「デザインはあなたの心と頭の中にある」と。

その言葉で一念発起したメアリーは、
世界最高峰のガーデニング大会“チェルシー・フラワーショー”に出ることを決意。
それなりの経歴がなければ応募すら認められないところ、
あきらめずに何度も電話をかけたことから事務局長秘書に気に入られ、
応募書類を潜り込ませることに成功。
審査を受けた結果、応募総数2000件の中から出展できるわずか8件に選ばれる。

大喜びしたものの、クリアすべき問題が。
25万ポンドの資金を提供してくれるスポンサーが見つからなければ出展資格なし。
80日後には施工開始、その後3週間で庭を完成させなければならない。
メアリーが望む庭をつくりあげるためには石職人が必要だし、
500種類の野草と輸送費をどのようにして工面するのか。

頭を悩ませるメアリーは、シャーロットの家で出会ったイケメンの植物学者
クリスティに相談するのだが、冷たくあしらわれ……。

予告編は面白そうで、期待して観に行ったのですが、う~ん。
本作が長編2作目という監督はまだ撮り慣れていないのか、
どうも話が「ぶつ切り」の印象を受けます。

田舎で育ちました。都会へ出ました。裏切られました。泣きました。
恋をしました。その人を追っかけました。出場しました。優勝しました。
……てな感じ。

金もコネもない田舎娘が世界最高峰のガーデニング大会で優勝するまでの
予定調和的であっても単純なサクセスストーリーにしたほうがよかった。
環境保護を盛り込みたかったからか、クリスティとのエチオピア生活でダレダレ。
結果、どうにも中途半端でつまらない作品になってしまいました。

ついでに、実に些細なことですが、
タイトルが「フラワーショウ」のくせして字幕はすべて「フラワーショー」。
確かに「フラワーショー」ではインパクトが薄い。
それにしたって、わざわざ「フラワーショウ」にしたことの意図が見えません。
どうでもいいことといえばそうなんですけれど、
こういうところに気を配れない作品って、たいてい二流以下です。
と、バッサリ斬ってみた(笑)。

それはそうと、EU離脱に揺れるアイルランド。
英国の映画はいったいどうなっちゃうんだろうと気がかりでなりません。

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