夜な夜なシネマ

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『シムソンズ』

2006年08月25日 | 映画(さ行)
『シムソンズ』
監督:佐藤祐市
出演:加藤ローサ,藤井美菜,高橋真唯,星井七瀬,大泉洋他

期待して借りたハリウッド版『南極物語』(2006)が号泣にはほど遠く、
トミーズ雅の超お薦め、『男たちの大和/YAMATO』(2005)も胸を打たず。
それより本作のほうがよっぽど笑えて泣けたぁ。

これもやっぱり実話に基づく。
1998年の長野冬季オリンピックで正式種目となったカーリング。
2002年のソルトレークオリンピックに
日本代表として出場した4人の青春物語。

オリンピック中継にそっぽを向いていた私は、
カーリングの知識ゼロのまま観始めました。
話題になるには理由がある。天の邪鬼でおらんと
世間で流行るものは観とかなあかんと思う観賞後。

オホーツク海とサロマ湖に面した北海道の町、常呂町。
この小さな町が誇るものはホタテとカーリング。
高校生の和子は洋品店を経営する母とふたり暮らし。
常呂町の住人なら誰もが好きなカーリングにも興味なし。
そろそろ進路を考えなければならないが、何の目標もなく、
一生この町で暮らすはめになるのかと憂鬱な日々。

カーリングはどうでもいい和子だったが、
町の輩出したアイドル的選手、真人にはぞっこん。
彼が帰省の折りに近所で練習中と聞き、和子はリンクに駆けつける。

リンクには和子の同級生、美希の姿もあった。
感じの悪い美希は女子チームで浮いているらしい。
今日も試合運びを巡ってチームメイトと物別れ。
そんな美希をどうやら真人が気遣っているようだ。

帰り際、和子は偶然真人と出会う。
憧れの人と話すチャンスにどぎまぎする和子に
真人は「チームを作って大会に出ないか」と声をかける。
当然真人がコーチだと思った和子は
自分はカーリング経験者だと嘘をついてふたつ返事。

真人が美希のためのチームを作ろうとしての策だったが、
そうとは知らない和子は有頂天。
まずは受験勉強に忙しい親友の史江を強引に引っ張り込み、
さらには酪農家の娘で目立たない存在の菜摘に声をかける。
さて彼女たちのチーム、「シムソンズ」は……。

真人からコーチの話を引き受ける平太役、大泉洋が秀逸。
いい加減そうだけど実は人情味に溢れる奴がぴったり。
衝突しながら信頼関係を築いてゆく過程は青春映画の王道。
だけど根性論に走らない点にも好感。
すべてのスポーツに共通する大事なこと、試合をイメージする姿が鮮やかです。

約30年前、サロマ湖岸の空の下、
網で焼いて食べたホタテの味も甦って。

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