夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『グミ・チョコレート・パイン』

2008年08月26日 | 映画(か行)
『グミ・チョコレート・パイン』
監督:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演:石田卓也,黒川芽以,柄本佑,金井勇太,森岡龍,
   高橋ひとみ,山崎一,犬山イヌコ,山西惇,大森南朋他

怪しい名前ですが、監督はれっきとした日本人。
作風は三木聡監督のこれなどに通ずるところがあります。
本作は大槻ケンヂの同名小説の映画化。
3人とも1960年代生まれで、似た年頃の私にとってはタマラナイ。

2007年、東京の郊外。
会社をリストラされ、新潟から実家に戻ってきた38歳、独身の賢三。
母親が賢三に転送することなく家にためていた手紙の中に、
高校の同級生だった美甘子の名前を見つける。

半年前の消印が押されたその手紙には、
「あなたのせいなのだから。」、たったそれだけの文字が。
意味不明の手紙に頭をひねり、賢三は当時の親友である良也に電話する。
良也によれば、その消印のちょうど1週間後、
女優だった美甘子は、病気を苦に自殺したらしい。

21年前の1986年。
高校2年生の賢三は、新しいクラスに馴染めずにいる。
同級生はくだらない話をするアホばかり。
自分はコイツらとはちがう、いつか映画を撮るんだぞ。
そう考えながら、別のクラスの良也や多久夫とつるんでいる。

そんなある日、校庭で美甘子と遭遇。
同じクラスにこんな可愛い子がいたなんて。
一瞬で賢三は恋に落ちる。
自主映画の主役に美甘子を抜擢しようと考えるが、
妄想に終始して、一向に美甘子と話す機会は訪れない。

しかし、映画館で美甘子を見かける。
きっかけをつかんだ賢三は、以来、美甘子と話すように。
美甘子にいいところを見せたくて、
良也、多久夫とともにバンドを組むことを決意するのだが……。

おしるこドリンクやブルマーに懐かしい雑誌、
ギブソンのバッタもんのギターなど、
クスリと笑える小ネタもちりばめられていて、
ついつい1980年代へ想いを馳せてしまいます。
これぞ青春。

タイトルはどういう意味なのかと思っていたら、
大阪で言うところの「グリコ・チョコレート・パイナップル」なのですね。
グリコだけ、あとの2つとは異質だから変だとは思っていましたが。
チョキで勝って、「チョコレート」で前に進みまくる。
昔と全然変わってない人は、自分にまったく追いつけてないんだって。

美甘子が賢三に当てた手紙の意味は、物語途中で暗示されます。

「せい」と「おかげ」はちがうけれど、
「せい」で「おかげ」のときもある。

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