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『ファッションが教えてくれること』

2010年06月17日 | 映画(は行)
『ファッションが教えてくれること』(原題:The September Issue)
監督:R・J・カトラー
出演:アナ・ウィンター,グレイス・コディントン他

米国人女性の10人に1人が読むと言われている、
ファッション雑誌『ヴォーグ』。
その編集長に密着取材したドキュメンタリーです。

『プラダを着た悪魔』(2006)でメリル・ストリープが演じた鬼編集長の
モデルと噂されているのがこの人。

アナ・ウィンター、ロンドン生まれ、御年60歳。
そもそもファッションには興味があったようですが、
やみくもにその世界に飛び込んだわけではなく、
まずは高校を中退して、高級百貨店『ハロッズ』で勉強。

20歳そこそこでファッション業界へ。
その才覚を見せつけて、さまざまな雑誌の編集を手がけます。
35歳を過ぎた頃、英国版『ヴォーグ』の編集長に。
数年後にはニューヨークで米国版『ヴォーグ』の編集長となり、
以来、ずーっとこの座に君臨し続けている女性です。

ファッション業界に圧倒的な影響力を持ち、
ファッションショーではランウェイ(モデルが歩く道)よりも
彼女に注目が集まることもしばしばなのだそうです。
トレードマークのボブカットに大きめのサングラス、
そういえば見たことがあるような。

笑顔もどこか冷たくて、「氷の女王」の異名を取るのはともかく、
「ドレスを着たダース・ベイダー」と言うのはどうなんだか。(^o^;
でも、本作を観ると、それもわからなくはありません。

原題は“The September Issue”。
『ヴォーグ』の9月号は、一年で最も重要と言われる号。
ファッション特大号で、年を追うごとに分厚くなり、
本作で取り上げられた2007年9月号はまるで電話帳。

ファッション雑誌の表紙に、女優などのセレブを起用するようになったのも彼女。
ファッションに対する感覚は、天性のものがあるようで、
未来を予見する力も備えているとしか思えない彼女の言葉は絶対です。
どんなにお金をかけた撮影も、彼女が気に入らなければあっさりボツ。

彼女とは旧知の仲のファッション・ディレクター、
グレイス・コディントンがとてもいい感じです。
モデルとして売れていた時分に事故で顔を負傷。
何度も整形手術をした後、編集者として経験を積み、
今はアナに言い返せるただ一人の人物。
彼女のボヤキが緊張を和らげます。

大御所&新進デザイナーの登場で豪華に。
ファッションに興味のある人はより楽しいかと思いますが、
疎いねんと言う人もぜひ。私がそうですから。(^^;

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