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『お料理帖 息子に遺す記憶のレシピ』

2019年11月06日 | 映画(あ行)
『お料理帖 息子に遺す記憶のレシピ』(英題:Notebook from My Mother)
監督:キム・ソンホ
出演:イ・ジュシル,イ・ジョンヒョク,キム・ソンウン,
   キム・ソンファ,イ・ヨンア,イ・ジュンヒョク他
 
テアトル梅田にて、3本ハシゴの2本目。
 
韓国と日本の関係がニュースになるたびに心がしくしくと痛む私は、
ラグビー日本代表の具智元選手がテレビ出演しているのを見ると嬉しくなる。
劇場で韓国作品を観るときも同じ気持ち。
日本人も韓国人も同じものに感動できるはずなのになぁ。
 
監督は『犬どろぼう完全計画』(2014)のキム・ソンホ。
4年前に劇場で観てボロ泣きしたのを思い出す。
あれほどは泣かなかったけど、これもほんのちょっぴり涙。
 
30年続く惣菜店をひとりで切り盛りするエラン。
息子のギュヒョンは万年非常勤講師で実入りが少ないから、
嫁のスジンは幼い子どもたちの食事をエランに頼っている。
今度こそ教授になるべくよろしく取り計らってもらおうと、
友人を通じて宴席を設けてもらったところ、
教授になるには大学への寄付金5千万ウォンが必要だと耳打ちされる。
どうやって金を工面すればよいのか。
 
そんな折り、エランに認知症の兆候が現れはじめる。
ギュヒョンは妹のヘウォンと相談するが、どちらも母親を引き取る余裕はない。
家と店を手放したくはない、でも息子や娘の世話にはなりたくないエランを
金銭的になんとかなりそうな施設に入れることに決め、
店を閉めて売り払う準備に取りかかるギュヒョンだったが……。

住宅街の中にある、店舗と一体型の家がまず面白くて興味を惹かれます。
また、こういう家はすぐに売れるとのこと。
5千万ウォンつくれたらいいと思っていたら、
不動産屋から2億ウォンになると聞かされてギュヒョンの目は真ん丸に。
 
どうしようもないし、どうする気もないのに
そして、一旦は施設に入れるけれどやはり引き取るというのも映画に多い。
施設に入れるのは可哀想、最後まで家で面倒を見るのがいいこと。
この意識が根底にあることは気になります。
 
韓国料理店に並んでいるような料理とは一味も二味もちがう数々の家庭料理。
好き嫌いのある子どもたちが美味しいと言って食べられるようになされる母親の工夫。
母親に愛されていないと思っていた息子が、自分のためにつくられた料理を思い出すとき。
 
いい話にされすぎている印象はあるけれど、シンプルに、美味しそうでした。
このおにぎりは食べたい。

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