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『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』

2012年08月26日 | 映画(は行)
『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』(原題:The Big Year)
監督:デヴィッド・フランケル
出演:ジャック・ブラック,オーウェン・ウィルソン,スティーヴ・マーティン,
   ブライアン・デネヒー,アンジェリカ・ヒューストン,ダイアン・ウィースト他

阪神タイガースつながりでお近づきになった人。
最近よく“女子会”でご一緒するのですが、
阪神があんなふうなだけに、阪神以外の話題のほうが多くなりました。
観に行った映画や観に行くつもりの映画をメールで知らせてくださることがあるのですが、
ひと月半ほど前、「男3人でバードウォッチングするやつを観に行こうと思う」とメールが。
「それ、9月の初めにDVD化されますけど」と私、すかさず返信。
気分を削がれた彼女は、そのままご帰宅されました。

人の気分を削いでおいて、もうちょい待てばレンタル開始という頃になってから
シネマート心斎橋へ観に行った私をお許しください。
だってほかに『かぞくのくに』とハシゴ可能なものがなかったんです。

それにしてもどうして2010年の作品を今頃公開?
もともとジャック・ブラックとオーウェン・ウィルソン出演の映画は外せないと思っていますが、
日本ではさほど人気があるわけではなし、DVDスルーの運命だったところ、
『ミッドナイト・イン・パリ』が意外と好評だったために急遽公開か。

原題にもなっている“The Big Year”のお話で、
これは北米で1年かけておこなわれる野鳥観察大会のこと。
鳥には興味がないし、こんな大会が存在することすら知りませんでした。
“バードウォッチング(Bird Watching)”じゃなくて“バーディング(Birding)”、これがこだわりの点。
前者は鳥を見て楽しむ、後者は鳥を探して見つけるということだそうな。

“ザ・ビッグイヤー”は、1月1日から12月31日まで、
1年をかけて北米大陸で見つけた野鳥の種類の数を競う世界最大の探鳥大会。
この大会に参加する3人の男の悲喜こもごも。

1人目は原子力発電所で働くブラッド・ハリス。
どんな鳥の声も聞き分けることができるという特技の持ち主だが、
鳥にのめり込むあまり、妻とは離婚、両親に頼る生活。
なんとか金を工面して、今年こそビッグイヤーに参加したい。

2人目は732種類という世界記録保持者のケニー・ボスティック。
彼もまた鳥にのめり込むせいで2度離婚。
早く子どもがほしい3度目の妻は、一緒に不妊治療を受けようと言うが、
記録が破られるかもしれないと思うと、じっとしていられない。

3人目は大企業の社長ステュ・プライスラー。
ただちに引退して探鳥に打ち込みたいが、社員に引き止められる。
理解を示す妻は、今年こそビッグイヤーに挑戦すべきと言い、
ようやくステュは参加の意志を固める。

バードウォッチング、失礼、バーディングの世界は、
鳥好き自然好きの人たちが慎ましやかに楽しむもの、
そうでなければ金持ちの道楽かと思っていたので、目からウロコ。
全財産をはたいてまでこの大会にかける様子は、
滑稽でありつつも「いいなぁ」と羨ましい気持ちに。

参加者同士で騙し合いをすることもあれば、友情や愛情が芽生えることもあります。
この大会は鳥を見つけたという証拠が要らず、
自己申告制だということには驚きましたが、
それゆえ、友だちになっても参加していることは隠しておきたい気持ちもあり、
その辺りの駆け引きや微妙な感情も上手く描かれています。

息子の趣味を馬鹿にしていた父親が、
雪を踏みしめながらフクロウを目にするシーンにはジンワリ。

DVDでもよかったかなと思わなくもないですが、
やはりジャック・ブラックとオーウェン・ウィルソンは外せません。
来月5日には(来週だっちゅうの)レンタル開始です。

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