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『GSワンダーランド』

2009年05月09日 | 映画(さ行)
『GSワンダーランド』
監督:本田隆一
出演:栗山千明,石田卓也,水嶋ヒロ,浅利陽介,武田真治,
   杉本哲太,温水洋一,大杉漣,岸部一徳他

GS=グループサウンズ。
1960年代後半、ビートルズが来日して以来、
みずから楽器を演奏し歌うというグループが次々と現れて大流行。
本作は、人気の若手俳優が出演しているものの、
内容としてはアラウンド60向けかなぁと思いつつレンタル。
そうしたら、めちゃくちゃオモロイやんか。

GSブームに沸く1968年。
演歌専門レーベルのファインレコーズも、
GSの新人バンドをデビューさせようと躍起に。
社内でGS部門担当となった佐々木は、
弱小プロダクション社長の梶井に新人発掘を任せる。

バンド探しに苦労する梶井の耳にふと届いたのは、
マサオ、シュン、ケンタが結成したばかりの“ザ・ダイアモンズ”の演奏。
早速、彼らをスカウトする梶井。

ところが、佐々木は、新人バンドのデビュー曲として用意したものは
オルガンがメインの曲なので、オルガンがいなくては駄目だと言う。
困り果てた梶井は、以前事務所を訪れた歌手志望の女性ミクが
キーボードもできると話していたのを思い出し、
将来のソロ・デビューを条件に、
彼女に無理やり男装をさせてメンバーに加えることに。

1曲目は売り上げ23枚に終わるが、
白タイツにマッシュルームカット、王子様風ファッションで、
バンド名を“ザ・タイツメン”と変えて2曲目を売り出したところ、
ミクのルックスの良さも手伝って、人気バンドとなるのだが……。

冒頭の日劇のシーンに登場する、
ザ・タイガースのベーシストだったサリーこと、
岸部一徳のそっくりさんは、実の息子さんだそうです。
岸部一徳はファインレコーズの社長役で出演し、
昔懐かしの曲を口ずさむというサービスぶり。

主題歌でもあるザ・タイツメンの“海岸線のホテル”は、
作詞=橋本淳、作曲=筒美京平のゴールデンコンビという設定で、ホンマもん。
“ブルー・ライト・ヨコハマ”もこのコンビの曲ですね。

ビートルズが秋田の山中で極秘に演奏の指導をしてくれるらしいという嘘も、
当時なら信じる人がいても不思議じゃない気がしました。
プロダクションの社長役、武田真治と、
オッサン4人組バンド、ザ・フレッシュフォーが断然イケてます。

ハッピーエンドじゃなくとも、ほろ苦い青春の良き想い出。
ソノシートじゃない(=オマケじゃない)人生、送りましょ。

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