夜な夜なシネマ

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『奇人たちの晩餐会 USA』

2011年02月22日 | 映画(か行)
『奇人たちの晩餐会 USA』(原題:Dinner for Schmucks)
監督:ジェイ・ローチ
出演:スティーヴ・カレル,ポール・ラッド,ジェマイン・クレメント,
   ステファニー・ショスタク,ルーシー・パンチ他

フランスで大ヒットした『奇人たちの晩餐会』(1998)のハリウッド・リメイク。
日本ではあっけなくDVDスルー。
ちょっともったいないぐらい楽しかったので、オススメしておきます。

オリジナルについてはこちらにちらりと書いていますが、
10年以上前に一度観たきりなので、細部は忘却の彼方へ。
たぶん、このリメイクのほうが毒は薄いと思われます。

バブリーな投資会社で働くティムは、
昇進を狙って会議の席で提案した内容が社長に評価される。
出世の証である上層階にオフィスを用意すると言われて有頂天に。

ところが、昇進するためには条件があると言う。
週末に予定されている重役たちの晩餐会に出席すること。
その晩餐会にはとっておきのバカを連れて行くこと。
他の出席者たちもコイツこそはというバカを連れて来るらしい。
誰が連れて来たヤツがいちばんバカかを競わせるのだ。
当然、当の本人たちにはバカを集めた会だということは内緒。

晩餐会には大口の顧客となるはずの富豪も招待している。
その富豪が気に入るようなバカを連れて来て、
取引をまとめることができれば、昇進させると言うのだ。

悪趣味だと思いつつも、昇進を約束されれば断れない。
憂鬱な気持ちで車を走らせていた折り、飛び出してきた男をはねてしまう。
バリーと名乗るその男と話してみると、とんでもない変人。
コイツしかいないと、ティムは即座に晩餐会に誘うのだが……。

オリジナルでは、マッチ棒で模型を作る変人が主役でしたが、
リメイクではネズミの剥製でミニチュア工作をするのがバリー。
オープニングからその精緻さには目を奪われます。

個性派の役者がぞろぞろ顔を出していて、楽しいのなんのって。
もちろん、役者を知らなくても楽しめます。
序盤は少しもたつくものの、後半は完全に役者たちのペースに呑まれました。
友情も恋愛も盛り込まれて、ハリウッドらしく最後はきっちりホロリ。

オリジナルが公開されたとき、
一流のバカに二流の人間は敵わないというようなことを
誰ぞがおっしゃっていましたが、ホントにそう。

関西人としては、「バカ」を連呼されるとひっかかりますが、
本作に登場するのは愛すべき「アホ」です。

こんなのがあるから、未公開作を観るのは止められません。

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